金融・投資商品の税務Q&A 【Q50】「仮想通貨(暗号資産)の売買を行った場合の所得計算」
私(居住者たる個人)は、資産運用の一環としてビットコインの売買を行い、当年中に下記の取引を行いました。この取引で得た収益については確定申告をする必要があると聞きましたが、具体的な所得の計算方法を教えてください。また、資金が必要になったことから、来年には残りのビットコインも売却する予定です。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第54回】「航空機リース事件」~名古屋地判平成16年10月28日(税務訴訟資料254号順号9800)、名古屋高判平成17年10月27日(税務訴訟資料255号順号10180)~
Xは、組合契約を締結して任意組合の組合員となった。そして、その組合が行った航空機リース事業に基づく所得は不動産所得であるとして、同事業における減価償却費等を損金計上し、損益通算の上、所得税の確定申告を行った。
これに対し、Y税務署長は、原告が締結したのは組合契約ではなく利益配当契約であって、得た所得も雑所得であるから、損益通算は許されないとして、Xに対する更正処分を行った。そこで、Xは、これを争って出訴した。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第18回】
法人税法22条の2第1項の「別段の定め」から22条4項を除いた趣旨については、次のとおり説明されている。
すなわち、資産の販売等に係る収益を益金の額に算入するかどうかについては引き続き法人税法22条2項の規定によることとし、その時期及び金額について22条の2で規定された。
《速報解説》 軽減税率対策補助金の申請期限迫る~最終期限は2019年12月16日~
10月1日からの軽減税率の実施に伴い、軽減税率に対応したレジ(システム)の導入・改修を行った中小事業者は、一定の手続きをすることにより、軽減税率対策補助金(原則費用の3/4を補助、レジ1台あたり20万円まで)を受領することができる。
既報のとおり、中小事業者による対応レジの導入を幅広く促進する観点から、中小企業庁は2019年8月28日付けで、レジの導入等に係る軽減税率対策補助金の手続要件の緩和を明らかにし、「9月30日までの軽減税率対応レジの設置・支払いの完了」が必要とされていたものを「9月30日までにレジの導入・改修に関する契約等の手続きが完了」とすることに改めている。
monthly TAX views -No.83-「OECDデジタル税制をめぐる政治・経済的背景」
OECDの場で、130ヶ国・地域が参加して議論されている「経済のデジタル化に伴う新たな税制」だが、来年1月の基本合意に向けて、10月と11月に2つのコンサルテーションペーパー(「提案」)が公表された。
未だ詰めるべき課題が山積しているが、ここまでまとまってきたことの背景を考えてみたい。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例12】「返品調整引当金の意義とその廃止の経緯」
私は近畿地方のとある地方都市で、既製服の製造を行っている株式会社Aを経営しております。わが社の主たる取引先は全国各地の衣料専門店ですが、そこでの取引においては、得意先の求めに応じて商品を納入するものの、売り切りではなく、売れ残った商品は全品当社が引き取るというやり方を採っていました。これは商慣行であり、契約に基づくものではありません。
わが社の場合、これまで、得意先に商品を納入したときに売上げを計上し、売れ残った商品の返品を受けた際に販売した金額に返品数量を乗じた金額の費用を計上してきました。既製服は当たり外れが結構大きく、外れた場合、大量の返品を引き受けることを余儀なくされます。そのような場合、そもそも売上の計上金額が過大であったとさえ思えます。
しかし、ある会合で同業者に、当社のような取引形態を行っている法人は、法人税法上、返品調整引当金という耳慣れない名称の引当金を計上することができる旨教えられました。これにより、売上を計上したタイミングを実際に返品され費用を計上するタイミングとのずれが大幅に縮小されることとなりますので、わが社の正しい実力が財務諸表及び法人税の申告に反映されることとなります。
そこで、当社の顧問税理士に当該引当金について問い合わせてみたところ、平成30年度の税制改正で廃止されており、新たに適用を受けることはできないといわれました。ただし、改正前の法人税法の下では、わが社のケースについても適用の余地があったということなので、もっと早くこの引当金のことを知っておくべきだったと後悔しております。
そこで、今更ではありますが、返品調整引当金の内容と、廃止に至った経緯について教えてください。
相続空き家の特例 [一問一答] 【第41回】「「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定⑨(この特例を受けるための目的のみで相続の開始の直前に一時的に居住の用以外の用に供したと認められる部分)」-譲渡価額要件の判定-
Xは、昨年4月に死亡した父親の家屋(昭和56年5月31日以前に建築)とその敷地400㎡を相続により取得した後に、その家屋を取り壊して更地にし、本年10月に1億2,000万円で売却しました。
取り壊した家屋の、相続の開始の直前の状況は、父親が一人暮らしをし、その家屋は相続の時から取壊しの時まで空き家でした。
実は、父の生前中、「相続空き家の特例(措法35③)」には譲渡価額要件(1億円以下)があることを知り、相続の開始の直前、庭先の一部100㎡を柵で囲ってXの主宰するA社の資材置場として利用しました。
相続の開始の直前に一時的に居住の用以外に供した部分を除く300㎡に係る対価の額は9,000万円となります。
この場合、Xは、本特例の適用を受けることができるでしょうか。
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第75回】「印紙税納付計器設置承認申請及び印紙税納付計器使用請求書の書き方」
【問】
銀行の窓口等で振込を行った際に受け取る「振込金受取書」には、収入印紙が貼付される代わりに赤色で税務署名と番号、金額等が表示された受取書を受領する場合がありますが、これはどのような仕組みになっているのでしょうか。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第65回】「東京地裁令和元年6月27日判決を考える」
2019年6月末に大手レコード会社ユニバーサルミュージック合同会社に対して、東京国税局は法人税法132条を適用して約181億円の申告漏れを指摘し、約58億円を追徴課税しました。これに対して、東京地裁は以上の更正処分を取り消しました(TAINSコード:Z888-2250)。
谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」 【第24回】「租税法律主義と租税回避との相克と調和」-租税回避の法的評価-
課税要件アプローチによる租税回避の包括的定義、すなわち、「課税要件の充足を避け納税義務の成立を阻止することによる、租税負担の適法だが不当な軽減または排除」(第21回Ⅲ1、【66】=拙著『税法基本講義〔第6版〕』(弘文堂・2018年)の欄外番号[以下同じ])という定義は、租税回避の概念を、「適法」及び「不当」という法的評価を要素(の一部)として構成するものである。