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相続税の実務問答 【第92回】「相続時精算課税における特別控除の選択適用」

私は、令和5年中に、父から500万円の現金の贈与を受けましたので贈与税の申告をしなければなりません。この贈与税の申告に当たっては、相続時精算課税を選択するつもりです。
ところで、数年後に父は自らが経営する会社の役員を退職する予定であり、その際に、その会社の株式を私に贈与してくれるようです。相続時精算課税を選択した場合には、2,500万円の特別控除を適用することができるとのことですが、株式の贈与を受けた際の税負担を軽減するために、今回の贈与税の申告では、特別控除を適用せず、株式の贈与を受けた年分の贈与税について特別控除2,500万円の全額を使用したいと思います。このような特別控除額の適用年分の選択をすることはできるのでしょうか。

#No. 556(掲載号)
# 梶野 研二
2024/02/15

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第37回】「日本ガイシ事件-立地特殊優位性がもたらす利益の取扱いについて-(高判令4.3.10)(その1)」~租税特別措置法66条の4第1項、第2項1号ハ、同施行令39条の12第8項1号ハ~

わが国で、産業の空洞化の問題が取り質され、中小企業から大企業に至るまで様々な企業が海外に製造移管を行い久しい。企業の海外進出の目的は様々だが、主たる目的に、トータルコストの低減が挙げられる。日本に比しより廉価な労働賃金やインフラコストなどを提供する国・地域を求め、企業は進出している。移転価格において、ロケーション・セービング(Location Saving。以下、「LS」という)(※1)と表されるメリットを求めての企業行動である。

#No. 556(掲載号)
# 井藤 正俊
2024/02/15

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第128回】「消費税法上の実質行為者課税の原則(その1)」

所得税法や法人税法には実質所得者課税の原則が設けられているが、消費税法にも類似の規定が存在する。すなわち、消費税法13条《資産の譲渡等又は特定仕入れを行った者の実質判定》1項は、「法律上資産の譲渡等を行ったとみられる者が単なる名義人であって、その資産の譲渡等に係る対価を享受せず、その者以外の者がその資産の譲渡等に係る対価を享受する場合には、当該資産の譲渡等は、当該対価を享受する者が行ったものとして、この法律の規定を適用する。」とし、2項は、「法律上特定仕入れを行ったとみられる者が単なる名義人であって、その特定仕入れに係る対価の支払をせず、その者以外の者がその特定仕入れに係る対価を支払うべき者である場合には、当該特定仕入れは、当該対価を支払うべき者が行ったものとして、この法律の規定を適用する。」と規定する。

#No. 555(掲載号)
# 酒井 克彦
2024/02/08

谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第23回】「国税通則法65条(~67条)」-附帯税(2) 過少申告加算税とその加重及び減免-

加算税は、附帯税(税通2条4号)のうち制裁目的で課される金銭的負担であり、行政罰の一種である(前回1参照)。加算税の対象は、申告納税方式(税通16条1項1号)による国税については納税申告義務に対する違反、源泉徴収等による国税(同2条2号)については源泉徴収及び特別徴収に係る義務(徴収納付義務)に対する違反である。加算税は、それらの行政上の義務について適正な履行を間接的にあるいは心理的に強制し、もって適正な履行を担保しようとする措置(行政上の義務履行担保措置)である。

#No. 555(掲載号)
# 谷口 勢津夫
2024/02/08

〔令和6年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第1回】「研究開発税制の見直し」

令和5年度税制改正における改正事項を中心として、令和6年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。本連載では、その中でも主なものを解説する。
【第1回】は「研究開発税制の見直し」について解説する。

#No. 555(掲載号)
# 新名 貴則
2024/02/08

〔疑問点を紐解く〕インボイス制度Q&A 【第35回】「令和5年分は2割特例、令和6年分は本則課税として申告することの可否と注意点」

個人事業者です。インボイス制度開始前は免税事業者でしたが、適格請求書発行事業者の登録を受けたことにより、令和5年10月より課税事業者となりました。消費税課税事業者選択届出書や消費税簡易課税制度選択届出書は現時点(令和6年2月)では提出していません。
令和6年中に店舗兼住宅(店舗部分のみの価額が税抜1,000万円以上)の取得を予定しているため、課税売上高以上の課税仕入れが生ずると見込んでおり、令和6年分については本則課税が有利になると考えています。そこで、令和5年分は2割特例、令和6年分は本則課税を適用することは可能ですか。

#No. 555(掲載号)
# 石川 幸恵
2024/02/08

〈徹底分析〉租税回避事案の最新傾向 【第17回】「まとめ」

本連載で解説したように、すでに租税回避として否認されている事案がいくつか公表されている。過去の否認事例から分析すると、以下のものについては、租税回避として否認されやすいと考えられる。

#No. 555(掲載号)
# 佐藤 信祐
2024/02/08

Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第39回】「貸付金及び非上場株式を同族会社である発行法人に遺贈した場合の非上場株式の価額計算における留意点」

甲は昭和40年にA社を設立し、パンの製造業を営んでいましたが、令和2年に代表取締役を辞任し、甲の甥である乙が新たに代表取締役に就任しました。A社の株主は甲のみで甲は発行済株式数200株を所有していましたが、同年に乙にA社株式20株を相続税評価額で売却するとともに下記の遺言書を作成しています。甲は、代表取締役辞任後、相続開始まで引き続きA社の会長として役員になっています。

#No. 555(掲載号)
# 柴田 健次
2024/02/08

さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第94回】「農地売主相続事件」~最判昭和61年12月5日(訟務月報33巻8号2149頁)~

Aは、Bに対し、所有する農地を4,500万円で売却した。この売買契約においては、契約と同日に手付金600万円、2ヶ月後に内金1,000万円、4ヶ月後に残代金を支払うこととされ、また、残代金の支払と同時に所有権移転の登記申請と農地の引渡しが行われることとされた。
Bは、内金の支払後、農地をC社に転売した。そして、AとC社は、農業委員会に対し、当該農地について転用の届出を行い、これは2週間ほどで受理された。なお、届出後、C社は、当該土地に建物を建てるべく、建築確認申請を行った。
ところが、その後Aが急死したため、契約の履行が遅れ、予定日より15日遅れて残代金が支払われ、その翌日、所有権移転登記が行われた。

#No. 555(掲載号)
# 菊田 雅裕
2024/02/08

事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第61回】「一般財団法人の清算」

私は、音楽機器の製造販売業を営むX社の創業者です。X社の業績は堅調で、経営体制も安定しています。また、私はX社を営む傍ら、音楽活動に対する助成事業を行う一般財団法人Yを設立し、代表理事として運営に携わっています。Y財団は非営利型法人の要件を満たす設計がされており、X社からの毎年の寄附金を原資として公益活動を行っています(非営利型法人の条件については【第21回】「財団法人の設立」参照)。
Y財団の設立当初は、私の所有するX社の株式の一部をY財団に寄附して、Y財団をX社の安定株主とし、X社からの配当金を原資に公益活動を続けることを考えていました。しかし、既にX社に入社していた息子が成長し、もう経営を任せられるようになり、息子本人もⅩ社の株主として経営していくことを希望しているため、社長を息子に譲り、事業承継税制の特例制度を適用して、私が所有していたX社の株式を全て息子に贈与することにしました。Y財団の将来の運営を考えると、私が元気なうちに活動を止めて清算しておいた方がよいのではないかと思うのですが、非営利型一般財団法人を清算する場合の具体的な手続きや気を付けるべきことを教えてください。

#No. 555(掲載号)
# 太陽グラントソントン税理士法人 事業承継対策研究会
2024/02/08

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