「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例120(消費税)】 「税関調査により過去5期分の引取りに係る消費税の修正申告書を提出したため、過年度分を含め、その全額を進行年度で仕入税額控除を行い還付申告したところ、所轄税務署より、各期ごとの更正の請求を求められたため、最初の1期分につき更正の請求期限が徒過してしまい、還付が受けられなくなってしまった事例」
令和Y年5月に税関による調査が行われ、過去5期分(平成U年3月期から令和Y年3月期)の引取りに係る消費税の申告もれを指摘され、税関に修正申告書を提出して不足額を納付した。この修正申告書を入手した税理士は、本来不足の生じたそれぞれの期ごとに更正の請求書を提出すべきところ、令和Z年3月期にその全額を計上して還付申告書を提出したため、所轄税務署の指摘を受け、修正申告をすることになってしまった。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第25回】「年の途中で死亡した場合の固定資産税等は、被相続人の必要経費になるか、相続人の必要経費になるかで争われた事例」
個人の不動産所得の金額の計算上、必要経費となるのは、所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く)の額(所法37①)とされている。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第12回】「エスコ事件-移転価格税制における推定課税-(地判平23.12.1、高判平25.3.14)(その1)」~租税特別措置法66条の4第7項(現行6項)~
国税当局は平成14年4月頃からXに対する税務調査を実施し、XとDとの取引にBが介在するようになってから購入価格が2倍強に高騰したとの事実を把握した。同年6月以降Xの代表者らに対し価格高騰の理由説明を求めるとともに、Xに対し少なくともBの財務書類につき6回、本件取引の価格算定の根拠となった資料につき4回提示を求めたが、Xはこれらの資料の提示に応じなかった。
日本の企業税制 【第113回】「パーシャルスピンオフに係る課税繰延べ制度の創設」
令和5年度税制改正に係る法案審議は、2月末に衆議院を通過したところである。今回の改正の1つに、社内ベンチャーの独立化等を念頭に、スピンオフ税制の特例措置が、1年限定という形ではあるが、盛り込まれている。
令和5年以後の国外居住親族に係る扶養控除等の適用ポイント 【第1回】「令和5年以後の制度の概要と源泉徴収の際の手続」
令和2年度税制改正により、令和5年分の所得税から扶養控除の対象となる国外居住親族の範囲について見直しが行われている。
本連載では今回より3回シリーズで、見直し後の制度の概要及び具体的な手続や提出書類等について、実務的な観点から解説を行う。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第47回】「M&Aを契機とした借地権の返還」
当社はM&Aの対象会社であり、現在交渉が大詰めです。当社は、代表取締役が個人で保有する土地の上に本社を建てていますが、買手側はM&Aが成約した暁には本社を移転することを検討しているようです。なお、本社を建築した際、「土地の無償返還に関する届出書」は提出していません。
本社を移転した場合には、当社は借地権を現代表取締役に返還することとなりますが、このようなケースにおいて、借地権の返還に係る課税関係はどのようになるのでしょうか。
相続税の実務問答 【第81回】「贈与税の申告書に記載した贈与年月日と相続税の課税価格への加算」
父が、令和4年12月10日に亡くなりましたので、相続税の申告の準備をしていますが、令和元年に父から受けた贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算すべきかどうか、迷っています。
私は、令和元年10月に、父から現金200万円の贈与を受けました。そこで、令和元年分の贈与税の申告をするために所轄の税務署に行き、職員の指導を受けながら、贈与税の申告書を作成しました。その際、申告書には、贈与を受けた年月日(贈与税の申告書様式では「財産を取得した年月日」となっています)を記載しなければならないと言われましたが、その場では正確な日付が分からなかったので、12月31日と記載してしまいました。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第13回】
不正アクセスにより、購入したNFTが消失した場合において、そのNFTが生活に通常必要でない資産や事業用資産等に該当せず、かつ、そのNFTの消失が盗難等に該当する場合には、「そのNFTが消失した時点の時価」が雑損控除の対象になるということである(所法72)。