Q&Aでわかる
〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価
【第41回】
「相続開始直前にM&Aにより購入した非上場株式の評価」
-総則6項の適用の可否-
税理士 柴田 健次
Q
A社の代表取締役である甲は、A社株式を67%所有していますが、令和6年4月5日に相続が発生しています。A社は、令和5年10月にM&Aにより非上場会社であるB社の株式を60億円で取得しています。A社は3月決算のホールディングスカンパニーであり、株式等保有特定会社に該当しますので、第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」においてB社株式の相続税評価額を算出する必要があります。
B社は大会社に該当し、特定の評価会社には該当しませんので、類似業種比準価額で計算すると10億円の相続税評価額となりますが、B社株式の相続税評価額は10億円として問題ないでしょうか。それとも財産評価基本通達6項の定めにより評価通達とは別の取得価額や鑑定価額を検討するべきでしょうか。
甲の相続開始時の年齢は60歳であり、70歳まで代表取締役として就任した後に会長になる予定でしたが、交通事故による急死で相続が発生しています。B社の買収はA社の収益拡大、エリア拡大を意図したものであり、相続税の節税対策を目的としたものではありません。
なお、60億円の価額決定までの経緯は、B社の代表取締役としては100億円を希望していましたが、A社の監査法人から将来キャッシュフローを見据えて60億円(純資産20億円、のれん代40億円)が限度であると伝えられ、60億円で取引価額が決まったものとなります。B社の株式の譲渡先についてはA社以外に他の候補会社はありませんでした。
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