公開日: 2024/04/11 (掲載号:No.564)
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Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第41回】「相続開始直前にM&Aにより購入した非上場株式の評価」-総則6項の適用の可否-

筆者: 柴田 健次

Q&Aでわかる

〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第41回】

「相続開始直前にM&Aにより購入した非上場株式の評価」

-総則6項の適用の可否-

 

税理士 柴田 健次

 

A社の代表取締役である甲は、A社株式を67%所有していますが、令和6年4月5日に相続が発生しています。A社は、令和5年10月にM&Aにより非上場会社であるB社の株式を60億円で取得しています。A社は3月決算のホールディングスカンパニーであり、株式等保有特定会社に該当しますので、第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」においてB社株式の相続税評価額を算出する必要があります。

B社は大会社に該当し、特定の評価会社には該当しませんので、類似業種比準価額で計算すると10億円の相続税評価額となりますが、B社株式の相続税評価額は10億円として問題ないでしょうか。それとも財産評価基本通達6項の定めにより評価通達とは別の取得価額や鑑定価額を検討するべきでしょうか。

甲の相続開始時の年齢は60歳であり、70歳まで代表取締役として就任した後に会長になる予定でしたが、交通事故による急死で相続が発生しています。B社の買収はA社の収益拡大、エリア拡大を意図したものであり、相続税の節税対策を目的としたものではありません。

なお、60億円の価額決定までの経緯は、B社の代表取締役としては100億円を希望していましたが、A社の監査法人から将来キャッシュフローを見据えて60億円(純資産20億円、のれん代40億円)が限度であると伝えられ、60億円で取引価額が決まったものとなります。B社の株式の譲渡先についてはA社以外に他の候補会社はありませんでした。

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〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第41回】

「相続開始直前にM&Aにより購入した非上場株式の評価」

-総則6項の適用の可否-

 

税理士 柴田 健次

 

A社の代表取締役である甲は、A社株式を67%所有していますが、令和6年4月5日に相続が発生しています。A社は、令和5年10月にM&Aにより非上場会社であるB社の株式を60億円で取得しています。A社は3月決算のホールディングスカンパニーであり、株式等保有特定会社に該当しますので、第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」においてB社株式の相続税評価額を算出する必要があります。

B社は大会社に該当し、特定の評価会社には該当しませんので、類似業種比準価額で計算すると10億円の相続税評価額となりますが、B社株式の相続税評価額は10億円として問題ないでしょうか。それとも財産評価基本通達6項の定めにより評価通達とは別の取得価額や鑑定価額を検討するべきでしょうか。

甲の相続開始時の年齢は60歳であり、70歳まで代表取締役として就任した後に会長になる予定でしたが、交通事故による急死で相続が発生しています。B社の買収はA社の収益拡大、エリア拡大を意図したものであり、相続税の節税対策を目的としたものではありません。

なお、60億円の価額決定までの経緯は、B社の代表取締役としては100億円を希望していましたが、A社の監査法人から将来キャッシュフローを見据えて60億円(純資産20億円、のれん代40億円)が限度であると伝えられ、60億円で取引価額が決まったものとなります。B社の株式の譲渡先についてはA社以外に他の候補会社はありませんでした。

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連載目次

Q&Aでわかる
〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価

連載を収録した単行本が好評発売中!!

【第1回】~【第30回】

【第31回】~

筆者紹介

柴田 健次

(しばた・けんじ)

税理士
柴田健次税理士事務所 所長
東京タックスコンサルティング 代表取締役

相続・事業承継を中心に業務を行っている。

【職歴】
2004年4月 資格の大原 簿記法律専門学校講師就任
2008年1月 税理士法人レガシィに勤務
2014年1月 柴田健次税理士事務所設立

【著書】
第4版 評価明細書ごとに理解する/非上場株式の評価実務』(清文社)
間違いやすい事例から理解する 小規模宅地等の特例適否のポイント』(清文社)
Q&Aでマスターする 事業承継税制の実務』(清文社)

  

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