〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載59〕 ヤフー事件(東京地裁判決)からみた買収後の合併により被合併法人の欠損金を引き継ぐ場合の「みなし共同事業要件」に関する考察
ヤフー事件の判決が平成26年3月18日に東京地裁で出された。
この判決文がTAINSデータベースに収録されたことから、以下、この判決文によりその概要をまとめ、欠損金のある法人の買収事案のうち、特定役員引継要件によって「みなし共同事業要件」をクリアしようとする場合の注意点について述べたい。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第16回】「判例分析②」
第15回目においては、日本興業銀行事件に係る第1審における当事者の主張についてそれぞれ解説を行った。
本稿においては、これに対する裁判所の判断について解説を行うこととする。
居住用財産の譲渡所得3,000万円特別控除[一問一答] 【第28問】「家屋の建築途中に転勤し、妻子の住む家屋を譲渡した場合」-配偶者等の居住用家屋-
会社員Xは、5年前に東京都に土地を取得し、4年前に居住用家屋の建築に着工しましたが、その完成前に転勤により名古屋市へ単身赴任しアパート住まいをしていました。
転勤後にその家屋は完成し、その家屋にはXの妻子が約3年半居住していました。
このほど、その家屋と敷地を売却しました。
この場合、「3,000万円特別控除(措法35)」の特例を受けることができるでしょうか?
経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第14回】「給与計算と源泉徴収」
当社は資本金額1,000万円の食料品製造業を営む内国法人(3月決算)です。このたび、新たに子会社を設立しました。
「給与支払事務所等の開設届出書」は提出しましたが、4月度から実際に給与の支払いが始まります。会社が給与を支払う場合には、支払金額に応じた所得税を差し引き、差し引いた所得税を国に納めなければならないと聞きました。
給与計算における源泉徴収事務の概要について教えてください。
〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第20回】 「遺言の確認方法とその効力」
相続税申告業務を行う際には、相続人・相続財産の確定後、(1)遺言の有無、(2)遺言がない場合には遺産分割協議、という流れになる。
今回は、この遺言について学ぶこととする。
日本の企業税制 【第6回】「課税ベース各論」
政府税制調査会・法人課税ディスカッショングループでは、早くも法人税課税ベースの拡大の議論が進められている。
3月31日に開催された第2回会合では、欠損金繰越控除制度と受取配当等の益金不算入制度につき議論された。4月14日には減価償却、政策税制(租税特別措置法)がテーマに上げられている。
区分所有登記要件をめぐる小規模宅地評価減特例 【第2回】「所有権の構成と相続開始時期による適用判定ケーススタディ」
前回は小規模宅地評価減特例(措法69の4)についての平成25年度税制改正の内容を確認し、判定に当たっての論点を整理した。
今回は具体的なケースにより、小規模宅地評価減特例(特定居住用宅地等、配偶者以外の同居親族が相続する場合)の適用について、
(1) 平成25年12月31日までに他界した場合(平成25年度税制改正前)
(2) 平成26年1月1日以降に他界した場合(平成25年度税制改正後)
に分けて、それぞれ検討していくこととする。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載58〕 所得拡大促進税制の平成26年度改正事項と別表6(20)新様式の変更点
所得拡大促進税制(措法42の12の4)は平成25年度改正で導入されたが、当初は適用要件である給与増加額(雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合)のハ-ドルが5%以上と高く、現実に適用例が出るか懸念された。
平成26年度改正において、この増加額が2%以上に縮小されたため、今後の適用の増加が予想されると同時に、適用できるにもかかわらず、失念したなどのリスクも増大している。
[個別対応方式及び一括比例配分方式の有利選択を中心とした]95%ルール改正後の消費税・仕入税額控除の実務 【第4回】「「有利選択」のケーススタディ① 事業用不動産の譲渡があるケース」
本連載では消費税の仕入税額控除の実務についてみているところであるが、第4回となる今回からは、個別対応方式・一括比例配分方式「有利選択」の実務と題して、ケーススタディ形式でいずれが有利か見ていくこととする。
最初のケーススタディは事業用不動産の譲渡があるケースである。
ケース① 酒類販売業を営むA株式会社は、平成27年3月期(平成26年4月1日~平成27年3月31日)中に事業用不動産である土地を120,000,000円(帳簿価格100,000,000円)で売却している。その際、不動産業者に仲介手数料3,240,000円(税込)を支払っている。A株式会社の平成27年3月期の損益計算書は以下のとおりである。これに基づき、消費税の納付税額の計算を行う。なお、A株式会社は税込経理を採用している。