船舶会社の事業承継に係る諸問題-株式評価と船舶評価について-
国内船舶会社X社の創業者オーナーのA氏は、息子であるB氏を後継者にすべく、事業承継を行うことを検討している。X社は、パナマ共和国を本店所在地とする株式会社Y社及びZ社の各株式を100%保有しており、Y社及びZ社は、合計10隻の船舶を所有している。
A氏が、B氏に事業承継を行うに際し、X社の事業価値を算定する必要があるところ、どのような点に留意するべきか。
国外財産・非居住者をめぐる税務Q&A 【第27回】「国外財産の時価をめぐる合理性」
このたび発生した相続において、被相続人は海外に財産を有していました。この海外財産については、その地で相続税の申告をしているのですが、日本の相続税の申告書でも、外国での申告書に記載した財産の評価額を利用して問題ないでしょうか。
〔資産税を専門にする税理士が身に着けたい〕税法や通達以外の実務知識 【第5回】「不動産鑑定評価について(その3)」-鑑定評価の基本的手法①-
不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法及び収益還元法に大別されます。また、これらの手法以外に、これらの三手法の考え方を活用した開発法があります。
これらの手法について、それぞれの意義及び適用方法を土地の価格を求める鑑定評価を前提としてまとめると、次のとおりとなります。
〔資産税を専門にする税理士が身に着けたい〕税法や通達以外の実務知識 【第4回】「不動産鑑定評価について(その2)」-対象確定条件-
不動産の鑑定評価を行うに当たっては、まず、鑑定評価の対象となる土地又は建物等を物的に確定することのみならず、鑑定評価の対象となる所有権及び所有権以外の権利を確定させる必要があります。
この対象不動産の確定に当たって必要となる鑑定評価の条件を「対象確定条件」といいます。
「地積規模の大きな宅地」(旧広大地)評価をめぐる要件確認
10月5日、国税庁等のホームページに地積規模の大きな宅地(旧広大地)の評価の改正について、以下の情報が公表された。
① 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)
② 「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)
③ パブリックコメント「「財産評価基本通達」の一部改正(案)に対する意見募集の結果について」
上記は平成30年1月1日より適用される、地積規模の大きな宅地の評価を定めた改正通達の内容が確定したものである。
②③ではこの改正の趣旨等が記載されているため、これらを元に、なぜこのような改正内容(評価方法)となったのか、6月に公表されたパブリックコメントとの変更点はあるのか等をQ&A形式で確認し、最後に改正の適用時期(H30.1.1)までの留意事項をまとめてみたい。
〔資産税を専門にする税理士が身に着けたい〕税法や通達以外の実務知識 【第3回】「不動産鑑定評価について(その1)」-鑑定評価によって求める価格の種類-
相続税法22条(評価の原則)の規定では、相続により取得した財産の価額は、特別の定めのあるものを除き、当該財産の取得の時における時価によるものとされており、この「時価」とは、当該財産の取得の時において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額、すなわち、客観的な交換価値をいうものと解されています。
財産評価基本通達改正案からみた「広大地の評価見直し」の要件確認と影響分析
先にお伝えしたとおり、広大地の評価を見直す財産評価基本通達の改正案がパブコメに付され、平成30年1月1日以後の相続等から適用される予定となっている。
本稿では本改正案について、より詳しく検証を行い、具体的事例をもとにその影響を考えてみたい。
なお、本稿はあくまでも6月22日公表のパブリックコメントによる改正案の内容を基に作成しており、今後、通達改正の動向や国税庁より取扱いの情報が出されることにより、内容や解釈が異なってくる可能性がある点に留意されたい。
「取引相場のない株式の評価」に関する財産評価基本通達の改正ポイント~類似業種の評価見直しと会社規模区分の変更~
国税庁は平成29年5月15日、取引相場のない株式等の評価を中心とした財産基本通達の一部改正を公表し、平成29年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価から適用することとした。合わせて評価明細書の様式改正、本改正に関するあらまし(情報)も公表された。
〔資産税を専門にする税理士が身に着けたい〕税法や通達以外の実務知識 【第2回】「土地の評価地目について」
相続税等における財産評価の基礎とされる土地の価額は、原則として地目の別に評価するものと定められています。
この場合の「地目」は、評価実務においてどのように区別されているのでしょうか。また、この地目の具体的な認定はどのように行えば、良いのでしょうか。
これらの論点を実務上の目線から検討してみることにします。