Ⅷ マイナス金利
2017年3月29日に、ASBJより実務対応報告第34号「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い(以下、「マイナス金利取扱い」という)」が公表された。
マイナス金利取扱いは、退職給付債務、勤務費用及び利息費用(以下、合わせて「退職給付債務等」という)の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りがマイナスとなる場合の割引率に関する当面の取扱いを示すことを目的としている(マイナス金利取扱い1)。
(1) 会計処理
退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、利回りの下限として「ゼロを利用する方法」と「マイナスの利回りをそのまま利用する方法」のいずれかの方法による(マイナス金利取扱い2)。
(2) マイナス金利取扱いの後
マイナス金利取扱いは2018年3月30日までの取扱いであったため、その取扱いを延長すべく、2018年3月13日に実務対応報告第37号「実務対応報告第34号の適用時期に関する当面の取扱い(以下、「マイナス金利当面取扱い」という)」が公表された。そのため、マイナス金利取扱いの会計処理が、2018年3月31日以後も適用することができることになった(マイナス金利当面取扱い2)。