Ⅹ 改正リース基準の準備
ASBJより2024年9月13日に「企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」(以下、「改正リース基準」という)が公表された。
改正リース基準は、今までオペレーティング・リース取引であったものについても、原則、資産計上が必要であるため、大きな影響がある改正である。
適用時期は、以下のとおりである。
[原則]
2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用する。
[容認]
2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することができる。
1 契約の洗い出し
2 システム導入の検討
1 契約の洗い出し
ファイナンス・リースのみならず、オペレーティング・リースを含めて全てのリース(借りているもの)について、会計処理の検討をする必要があるため、まずは全てのリース(借りている)契約を網羅的に洗い出す必要がある。
その際には、経理だけでは全てのリース契約を把握していないことが考えられるため、以下を行って契約を網羅的に洗い出すことが考えられる。
① 契約書を閲覧する。
契約書の例:リース契約書、賃貸借契約書、業務委託契約書等
② 総務や営業部門にヒアリングを行う。
③ 総勘定元帳や固定資産台帳を閲覧する。
総勘定元帳の例:
(借手の科目)リース料、賃借料、支払手数料、使用料、業務委託料
(貸手の科目)売上、賃貸料、受取手数料等
④ 有価証券報告書のオペレーティング・リース注記の資料を閲覧する。
2 システム導入の検討
ファイナンス・リースのみならず、オペレーティング・リースを含めて全てのリース(借りているもの)について、会計処理の検討をする必要があるため、件数が多くなりエクセルで管理することが難しい場合もあると考えらえる。また、単純な件数のみならず、会計と税務で差が生じること、リース期間の設定、注記への対応等も検討しなければならない。そのため、エクセル管理できるのかどうか、システム導入が必要かどうかを会計基準の適用に間に合うように検討する必要がある。