《速報解説》
国税不服審判所
「公表裁決事例(令和元年7月~9月)」
~注目事例の紹介~
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
過去の公表裁決事例紹介はこちら
国税不服審判所は、2020(令和2)年3月26日、「令和元年7月から令和元年9月までの裁決事例の追加等」を公表した。今回追加された裁決は表のとおり12件となっており、所得税法が4件、相続税法及び国税徴収法が各3件、国税通則法及び消費税法が各1件となっている。
国税不服審判所によって課税処分等の全部又は一部が取り消された裁決が8件、棄却された裁決が4件となっている。
【表:公表裁決事例令和元年7月~9月分の一覧】※本稿で取り上げた裁決
本稿では、公表された12件の裁決事例のうち、取引先との間での通謀があったどうかの認定が争点となった国税通則法の事例と所得税法に関する必要経費の範囲と事業専従者給与を争点とした裁決事例について、その判断のポイントを中心に紹介したい。いつものお断りであるが、論点を整理するため、複数の争点がある裁決については、その一部を割愛させていただいていることを、あらかじめお断りしておきたい。
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