《速報解説》
国税不服審判所
「公表裁決事例(令和2年1月~3月)」
~注目事例の紹介~
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
過去の公表裁決事例紹介はこちら
国税不服審判所は、2020(令和2)年9月28日、「令和2年1月から3月までの裁決事例の追加等」を公表した。今回追加された裁決は表のとおり、国税通則法が3件のほか、法人税法が2件、所得税法、相続税法及び印紙税法が各1件の、合わせて8件となっている。
今回の公表裁決では、8件のうち6件が国税不服審判所によって課税処分等の全部又は一部が取り消されており、棄却された審判請求は2件であった。
【表:公表裁決事例令和2年1月から3月分の一覧】※本稿で取り上げた裁決
本稿では、公表された8件の裁決事例のうち、原処分庁が重加算税の賦課決定処分を行い、国税不服審判所がその処分について判断を示した裁決4件について、国税不服審判所が、「隠蔽、仮装」の認定を行った事実関係を中心に検討したい。
なお、複数の争点がある裁決についても、その一部を割愛して、重加算税の賦課決定処分の可否に争点を絞らせていただいたことを、あらかじめお断りしておきたい。
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