《速報解説》
国税不服審判所
「公表裁決事例(令和3年1月~3月)」
~注目事例の紹介~
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
過去の公表裁決事例紹介はこちら
国税不服審判所は、2021(令和3)年9月29日、「令和3年1月から3月までの裁決事例の追加等」を公表した。追加で公表された裁決は表のとおり、国税通則法が7件(うち、重加算税の賦課決定に関するものが5件)、所得税法が1件で、合わせて8件となっている。
今回の公表裁決では、8件のうち7件が国税不服審判所によって、原処分庁の課税処分等の全部又は一部が取り消され、納税者の審査請求が棄却されたものは1件となっている。
【表:公表裁決事例令和3年1月~3月分の一覧】※本稿で取り上げた裁決
事例③から⑤については、相続税の申告時における生命保険金等の一部申告漏れの事案であり、⑥と⑦は、第三者が行った所得税の確定申告が問題となった事案である。本稿では、この2種類の事案(いずれも、国税不服審判所が、原処分庁の重加算税の賦課決定処分を取り消し、過少申告加算税のみを認めるという判断を示している)について、検討したい。
なお、複数の争点が存在する裁決に関しても、重加算税の賦課決定処分の可否に係る争点のみを取り上げることを、あらかじめお断りしておく。
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