これからの国際税務 【第11回】「与党大綱の提案する過大支払利子税制の改正」
筆者:青山 慶二
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これからの国際税務
【第11回】
「与党大綱の提案する過大支払利子税制の改正」
早稲田大學大学院会計研究科 教授
青山 慶二
1 過大支払利子税制の強化
昨年12月の与党税制改正大綱では、BEPS対応が諸外国で進んでいることを踏まえ、利子の損金算入制限に関し、我が国の過大支払利子税制について、対象純利子の範囲の拡大及び損金算入限度額の算定方法の見直し等により、税源浸食リスクに対応した強化を行う提案がされている。
国際税務関係では、評価困難な無形資産取引について導入される移転価格算定方法(所得相応性基準)と並ぶ重要な改正案であり、以下にその背景と改正内容を解説する。
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連載目次
これからの国際税務
- 【第1回】 変化する国際税務の焦点
- 【第2回】 デジタルエコノミーの進展と恒久的施設(PE)の変質
- 【第3回】 ガイダンス文書からみた帰属主義適用の精緻化
- 【第4回】 全世界所得課税方式と領域内所得課税方式
- 【第5回】 タックスヘイブンに対する国際協調の動き
- 【第6回】 EUにおけるデジタル経済課税の検討とPE概念
- 【第7回】 平成30年度税制改正における恒久的施設定義の見直し
- 【第8回】 多国籍企業情報の文書化義務と税務コンプライアンス
- 【第9回】 税の透明性プロジェクトと金融口座情報の自動的交換
- 【第10回】 ポストBEPSにおける『税の安定性プロジェクト』の進捗
- 【第11回】 与党大綱の提案する過大支払利子税制の改正
- 【第12回】 平成31年度改正で導入されたデジタル経済等への課税情報照会制度
- 【第13回】 無形資産についての移転価格課税-平成31年度税制改正-
- 【第14回】 平成31年度改正で追加されたタックスヘイブン税制改革
- 【第15回】 デジタル経済下での市場国課税権の拡大-過去の移転価格ルール改定からみた作業計画の本質-
- 【第16回】 費用分担契約による無形資産の移転-アマゾン事件判決と我が国税制改正-
- 【第17回】 令和2年度税制改正大綱における国際課税の焦点(その1)-国外の不動産投資を利用した節税策への対応-
- 【第18回】 令和2年度税制改正大綱における国際課税の焦点(その2)-一国主義の税制改革と外国税額控除の制限-
- 【第19回】 令和2年度税制改正大綱における国際課税の焦点(その3)-子会社配当益金不算入を利用した租税計画への対応-
- 【第20回】 電子経済課税ルール確立への最終局面における難題
- 【第21回】 OECDによる『シェアリングエコノミー及びギグエコノミーのデジタル・プラットフォーム情報の通告ルール』の採択
- 【第22回】 包摂的枠組(IF)承認のデジタル課税に関する新ルール案(青写真)の課題
- 【第23回】 令和3年度税制改正における国際金融都市対応の項目 1/28公開
筆者紹介
青山 慶二
(あおやま・けいじ)
現 職:千葉商科大学大学院 客員教授
21世紀政策研究所 国際租税研究主幹
専 門:国際租税【略歴】
1971年 東京大学法学部卒業
1973年 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士)、国税庁入庁
1998年 国税庁国際業務課長
2003年 ニューヨーク大学ロースクール客員研究員
2004年 国税庁審議官(国際担当)
2006年 国税庁退職、筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授
2012年 早稲田大学大学院会計研究科教授(2019年3月定年退職)
2020年 千葉商科大学大学院客員教授【主な審議会等委員】
OECD租税委員会(1998年~2000年、2004年~2006年)
経済産業省国際課税小委員会座長(2008年~2014年)
国連経済社会理事会・税に関する専門家委員会 委員(2009年~2014年)
国際租税協会(IFA)常設研究企画委員会 委員(2010年~2018年)
政府税制調査会専門家委員会 特別委員(2010年~2011年)【近年の著書】
『米国内国歳入法第482条(移転価格)に関する財務省規則』社団法人日本租税研究協会(1995年)
『国際課税の理論と実務』(共著)有斐閣(1997年)
『改訂版国際課税の理論と課題』(共著)税務経理協会(1999年)
『租税条約の理論と実務』(共著)清文社(2008年)
『日本の税をどう見直すか』(共著)日本経済新聞出版社(2010年)
『国際課税の理論と実務73の重要課題』(共著)大蔵財務協会(2011年)
『現代税制の現状と課題(国際課税編)』(単著)新日本法規出版(2017年)