これからの国際税務 【第31回】「ミニマム税とEUにおける今後の法人税改正の方向性」
筆者:青山 慶二
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これからの国際税務
【第31回】
「ミニマム税とEUにおける今後の法人税改正の方向性」
千葉商科大学大学院 客員教授
青山 慶二
1 直近のミニマム税をめぐるEUの動向
EUの経済・財務閣僚理事会(ECOFIN)は近年、パンデミック後の加盟国の経済回復に向けた予算を中心議題として協議し続けている。しかし、昨年12月に、第2の柱に基づくグローバルミニマム税構想を実現するためのEU指令案が、欧州委員会から提案されてからは、ECOFINは、全加盟国の合意が必要な同指令の成立に向けた協議にも焦点を当てている。
今年3月の定例会で、4ヶ国(ポーランド、スウェーデン、エストニア、マルタ)の反対で物別れになった同指令案(注1)は、その後、議長国フランスによる下記改定提案の提示を受けて、4月の定例会では、ポーランド以外の3ヶ国の合意を取り付けることができた。
(注1) 3月以前のEUの状況については、本連載【第30回】(3月公開)を参照いただきたい。
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連載目次
これからの国際税務
- 【第1回】 変化する国際税務の焦点
- 【第2回】 デジタルエコノミーの進展と恒久的施設(PE)の変質
- 【第3回】 ガイダンス文書からみた帰属主義適用の精緻化
- 【第4回】 全世界所得課税方式と領域内所得課税方式
- 【第5回】 タックスヘイブンに対する国際協調の動き
- 【第6回】 EUにおけるデジタル経済課税の検討とPE概念
- 【第7回】 平成30年度税制改正における恒久的施設定義の見直し
- 【第8回】 多国籍企業情報の文書化義務と税務コンプライアンス
- 【第9回】 税の透明性プロジェクトと金融口座情報の自動的交換
- 【第10回】 ポストBEPSにおける『税の安定性プロジェクト』の進捗
- 【第11回】 与党大綱の提案する過大支払利子税制の改正
- 【第12回】 平成31年度改正で導入されたデジタル経済等への課税情報照会制度
- 【第13回】 無形資産についての移転価格課税-平成31年度税制改正-
- 【第14回】 平成31年度改正で追加されたタックスヘイブン税制改革
- 【第15回】 デジタル経済下での市場国課税権の拡大-過去の移転価格ルール改定からみた作業計画の本質-
- 【第16回】 費用分担契約による無形資産の移転-アマゾン事件判決と我が国税制改正-
- 【第17回】 令和2年度税制改正大綱における国際課税の焦点(その1)-国外の不動産投資を利用した節税策への対応-
- 【第18回】 令和2年度税制改正大綱における国際課税の焦点(その2)-一国主義の税制改革と外国税額控除の制限-
- 【第19回】 令和2年度税制改正大綱における国際課税の焦点(その3)-子会社配当益金不算入を利用した租税計画への対応-
- 【第20回】 電子経済課税ルール確立への最終局面における難題
- 【第21回】 OECDによる『シェアリングエコノミー及びギグエコノミーのデジタル・プラットフォーム情報の通告ルール』の採択
- 【第22回】 包摂的枠組(IF)承認のデジタル課税に関する新ルール案(青写真)の課題
- 【第23回】 令和3年度税制改正における国際金融都市対応の項目
- 【第24回】 デジタル課税の青写真公聴会の模様と米国の対応
- 【第25回】 バイデン政権の国際課税改革とデジタル課税
- 【第26回】 国際課税に関するG20大枠合意
- 【第27回】 OECDにおける個人の資産課税制度の検討
- 【第28回】 国際課税に関するG20最終合意
- 【第29回】 令和4年度与党税制改正大綱にみる国際課税項目
- 【第30回】 グローバルミニマム税の行方
- 【第31回】 ミニマム税とEUにおける今後の法人税改正の方向性
筆者紹介
青山 慶二
(あおやま・けいじ)
現 職:千葉商科大学大学院 客員教授
21世紀政策研究所 国際租税研究主幹
専 門:国際租税【略歴】
1971年 東京大学法学部卒業
1973年 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士)、国税庁入庁
1998年 国税庁国際業務課長
2003年 ニューヨーク大学ロースクール客員研究員
2004年 国税庁審議官(国際担当)
2006年 国税庁退職、筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授
2012年 早稲田大学大学院会計研究科教授(2019年3月定年退職)
2020年 千葉商科大学大学院客員教授【主な審議会等委員】
OECD租税委員会(1998年~2000年、2004年~2006年)
経済産業省国際課税小委員会座長(2008年~2014年)
国連経済社会理事会・税に関する専門家委員会 委員(2009年~2014年)
国際租税協会(IFA)常設研究企画委員会 委員(2010年~2018年)
政府税制調査会専門家委員会 特別委員(2010年~2011年)【近年の著書】
『米国内国歳入法第482条(移転価格)に関する財務省規則』社団法人日本租税研究協会(1995年)
『国際課税の理論と実務』(共著)有斐閣(1997年)
『改訂版国際課税の理論と課題』(共著)税務経理協会(1999年)
『租税条約の理論と実務』(共著)清文社(2008年)
『日本の税をどう見直すか』(共著)日本経済新聞出版社(2010年)
『国際課税の理論と実務73の重要課題』(共著)大蔵財務協会(2011年)
『現代税制の現状と課題(国際課税編)』(単著)新日本法規出版(2017年)
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