これからの国際税務
【第32回】
「2つの柱の合意実施についてのスケジュール遅延」
千葉商科大学大学院 客員教授
青山 慶二
1 G20財務大臣・中央銀行総裁会議での延期発表
コロナ・パンデミック後の経済復興課題に加えて、ロシアのウクライナ侵攻が及ぼす経済課題も議題としてインドネシア・バリで開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議(7月15~16日)においては、2つの柱から成る新しい国際課税の合意についての実施計画も議論された。同会議の議長を務めたインドネシア財務大臣・中央銀行総裁による議長総括(注1)では、第2の柱の実施計画は予定通り(2022年中の法改正、2023年からの施行)とするが、第2の柱と同時実施とされていた第1の柱の実施計画については、1年遅らせることが確認された。昨年10月の予定と比較した繰延べの具体的状況は、議長総括で確認されるところによれば、以下のとおりである。(注1) G20 Joint Press Release(No.24/191/DKom, No.SP-107/KLI/2022)
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