公開日: 2022/07/28 (掲載号:No.479)
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これからの国際税務 【第32回】「2つの柱の合意実施についてのスケジュール遅延」

筆者: 青山 慶二

これから国際税務

【第32回】

「2つの柱の合意実施についてのスケジュール遅延」

 

千葉商科大学大学院 客員教授
青山 慶二

 

1 G20財務大臣・中央銀行総裁会議での延期発表

コロナ・パンデミック後の経済復興課題に加えて、ロシアのウクライナ侵攻が及ぼす経済課題も議題としてインドネシア・バリで開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議(7月15~16日)においては、2つの柱から成る新しい国際課税の合意についての実施計画も議論された。同会議の議長を務めたインドネシア財務大臣・中央銀行総裁による議長総括(注1)では、第2の柱の実施計画は予定通り(2022年中の法改正、2023年からの施行)とするが、第2の柱と同時実施とされていた第1の柱の実施計画については、1年遅らせることが確認された。昨年10月の予定と比較した繰延べの具体的状況は、議長総括で確認されるところによれば、以下のとおりである。

(注1) G20 Joint Press Release(No.24/191/DKom, No.SP-107/KLI/2022)

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これから国際税務

【第32回】

「2つの柱の合意実施についてのスケジュール遅延」

 

千葉商科大学大学院 客員教授
青山 慶二

 

1 G20財務大臣・中央銀行総裁会議での延期発表

コロナ・パンデミック後の経済復興課題に加えて、ロシアのウクライナ侵攻が及ぼす経済課題も議題としてインドネシア・バリで開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議(7月15~16日)においては、2つの柱から成る新しい国際課税の合意についての実施計画も議論された。同会議の議長を務めたインドネシア財務大臣・中央銀行総裁による議長総括(注1)では、第2の柱の実施計画は予定通り(2022年中の法改正、2023年からの施行)とするが、第2の柱と同時実施とされていた第1の柱の実施計画については、1年遅らせることが確認された。昨年10月の予定と比較した繰延べの具体的状況は、議長総括で確認されるところによれば、以下のとおりである。

(注1) G20 Joint Press Release(No.24/191/DKom, No.SP-107/KLI/2022)

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連載目次

これからの国際税務

筆者紹介

青山 慶二

(あおやま・けいじ)

現 職:千葉商科大学大学院 客員教授
    21世紀政策研究所 国際租税研究主幹
専 門:国際租税

【略歴】
1971年 東京大学法学部卒業
1973年 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士)、国税庁入庁
1998年 国税庁国際業務課長
2003年 ニューヨーク大学ロースクール客員研究員
2004年 国税庁審議官(国際担当)
2006年 国税庁退職、筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授
2012年 早稲田大学大学院会計研究科教授(2019年3月定年退職)
2020年 千葉商科大学大学院客員教授

【主な審議会等委員】
OECD租税委員会(1998年~2000年、2004年~2006年)
経済産業省国際課税小委員会座長(2008年~2014年)
国連経済社会理事会・税に関する専門家委員会 委員(2009年~2014年)
国際租税協会(IFA)常設研究企画委員会 委員(2010年~2018年)
政府税制調査会専門家委員会 特別委員(2010年~2011年)

【近年の著書】
『米国内国歳入法第482条(移転価格)に関する財務省規則』社団法人日本租税研究協会(1995年)
『国際課税の理論と実務』(共著)有斐閣(1997年)
『改訂版国際課税の理論と課題』(共著)税務経理協会(1999年)
『租税条約の理論と実務』(共著)清文社(2008年)
『日本の税をどう見直すか』(共著)日本経済新聞出版社(2010年)
『国際課税の理論と実務73の重要課題』(共著)大蔵財務協会(2011年)
『現代税制の現状と課題(国際課税編)』(単著)新日本法規出版(2017年)

関連書籍

租税条約関係法規集

公益財団法人 納税協会連合会 発行

はじめての国際相続

税理士法人ゆいアドバイザーズ 中山史子 著

タイ・シンガポール・インドネシア・ベトナム駐在員の選任・赴任から帰任まで完全ガイド

三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) コンサルティング・国際事業本部 国際本部 チーフコンサルタント 藤井 恵 著

これならわかる!租税条約

本庄 資 監修  三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 国際事業本部・国際本部 チーフコンサルタント 藤井 恵 著

国際課税における税務調査対策Q&A

税理士 安部 和彦 著

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