公開日: 2014/07/31 (掲載号:No.80)
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事例で検証する最新コンプライアンス問題 【第2回】「中国業者から仕入れた期限切れ肉事件」

筆者: 原 正雄

事例で検証する最新コンプライアンス問題

【第2回】

「中国業者から仕入れた期限切れ肉事件」

 

弁護士 原 正雄

 

2014年7月21日、上海の食品加工会社「F食品」が、日本の会社に対して、期限切れの加工肉食品を大量に供給していたことが報道された。本件は、食の安全に関わる重大問題であるが、リスク管理の観点からも注目すべき点が多い。

そこで、本稿では、本件が発覚した経緯について説明するとともに、輸入食品を取り扱っている各社の初期対応を分析する。また、輸入食品の自主管理ガイドラインについて説明したうえで、海外から食品を調達する場合の検査体制について解説する。

 

1 本件が発覚した経緯

本件は、地元テレビ局が2ヶ月ないし3ヶ月に及ぶ潜入取材を経て、7月20日に番組として報道したことによって、世間が知るところとなった。

報道によれば、同番組では、品質保持期限を半月以上経過した食肉を原料として加工するシーンが映し出された。記者が指摘したところ、作業員らは「関係ない、運べ」と指示したという。また、別の作業員は、期限切れの食肉を混ぜることについて「混ぜる割合がある。多すぎると食感が変わる。普通は5%だ」などと語ったとのことである。期限切れで「臭いがする」牛肉が使用されていたこともあった。作業員の一人は「期限切れを食べても、死にはしない」と語っていた。

他にも、冷凍肉を箱に詰め替える際、常温で作業を行う、床に落ちたハンバーグや鶏モモ肉を生産ラインにそのまま戻す、カビが生えて青く変色した牛肉を原料に使う、ということもあったようである。

本件は、日本では「期限切れ肉」として報道されているが、海外ではより直接的な表現として“rotten meat”、すなわち『腐った肉』として報道されている。

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「中国業者から仕入れた期限切れ肉事件」

 

弁護士 原 正雄

 

2014年7月21日、上海の食品加工会社「F食品」が、日本の会社に対して、期限切れの加工肉食品を大量に供給していたことが報道された。本件は、食の安全に関わる重大問題であるが、リスク管理の観点からも注目すべき点が多い。

そこで、本稿では、本件が発覚した経緯について説明するとともに、輸入食品を取り扱っている各社の初期対応を分析する。また、輸入食品の自主管理ガイドラインについて説明したうえで、海外から食品を調達する場合の検査体制について解説する。

 

1 本件が発覚した経緯

本件は、地元テレビ局が2ヶ月ないし3ヶ月に及ぶ潜入取材を経て、7月20日に番組として報道したことによって、世間が知るところとなった。

報道によれば、同番組では、品質保持期限を半月以上経過した食肉を原料として加工するシーンが映し出された。記者が指摘したところ、作業員らは「関係ない、運べ」と指示したという。また、別の作業員は、期限切れの食肉を混ぜることについて「混ぜる割合がある。多すぎると食感が変わる。普通は5%だ」などと語ったとのことである。期限切れで「臭いがする」牛肉が使用されていたこともあった。作業員の一人は「期限切れを食べても、死にはしない」と語っていた。

他にも、冷凍肉を箱に詰め替える際、常温で作業を行う、床に落ちたハンバーグや鶏モモ肉を生産ラインにそのまま戻す、カビが生えて青く変色した牛肉を原料に使う、ということもあったようである。

本件は、日本では「期限切れ肉」として報道されているが、海外ではより直接的な表現として“rotten meat”、すなわち『腐った肉』として報道されている。

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連載目次

「事例で検証する最新コンプライアンス問題」

筆者紹介

原 正雄

(はら・まさお)

弁護士。一橋大学法学部卒、中島経営法律事務所パートナー

専門は、コンプライアンス、企業危機管理、消費者対応、製造物責任、知的財産、労務、セクハラ・パワハラ、証券取引、M&A、訴訟など企業法務

主な著書に「社内規程整備で取り組む―中小企業のコンプライアンス対策」(清文社)、「図解 仕事の法律」(共著、三笠書房)、「ネットリスク対策なるほどQ&A」(共著、中央経済社)、「事例で見る借地借家契約の解除」(共著、新日本法規)など多数。
論文執筆、講演・研修など多数。

http://www.ntlo.net/partner/detail/id=15&contents_type=45

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