公開日: 2026/05/28 (掲載号:No.670)
文字サイズ

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第186回】エア・ウォーター株式会社「特別調査委員会調査報告書(概要版・公表版)(2026年3月31日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第186回】

エア・ウォーター株式会社

「特別調査委員会調査報告書(概要版・公表版)(2026年3月31日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【エア・ウォーター株式会社特別調査委員会による調査の概要】

【適時開示】

【特別調査委員会の構成】

【委員長】

小原正敏(弁護士 きっかわ法律事務所)

【委 員】

中森 亘(弁護士 弁護士法人北浜法律事務所)

本多 守(公認会計士 PwCリスクアドバイザリー合同会社)

【調査補助者】

きっかわ法律事務所所属の弁護士 5名

弁護士法人北浜法律事務所の所属の弁護士 25名

PwCリスクアドバイザリー合同会社所属の公認会計士ら 79名

〔調査期間〕

2025年10月9日から2026年3月27日まで

〔特別調査委員会による調査の目的〕

(1) 事実関係の調査

(2) 類似事象の有無の調査

(3) 影響額の算定

(4) 原因究明と再発防止策の提言

(5) その他、特別調査委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【エア・ウォーター株式会社の概要】

エア・ウォーター株式会社(以下、「エア・ウォーター」と略称する)は、北海酸素株式会社として、1929年9月に設立。1966年8月、株式会社ほくさんに商号を変更。1979年9月、東京証券取引所市場第1部に株式を上場。合併、商号変更などを経た後、2000年4月から現商号。

デジタル&インダストリー、エネルギーソリューション、ヘルス&セーフティー、アグリ&フーズ及びその他の事業という5つの事業区分を有している。連結子会社136社、持分法適用会社11社の合計147社によりグループを構成している。

売上高1,075,929百万円、税引前当期利益73,975百万円、資本金55,855百万円、従業員数20,836人(いずれも2025年3月期連結実績)。本店所在地は大阪市中央区。東京証券取引所プライム市場上場。会計監査人は、有限責任あずさ監査法人大阪事務所(以下、「あずさ監査法人」と略称する)。

【エア・ウォーター会計不正発覚から調査報告書公表に至るまでの経緯】

2025年 10月9日 特別調査委員会設置に関するお知らせ
10月10日 特別調査委員会設置に関するお知らせ(続報)
11月13日 経営改革委員会の設置に関するお知らせ
12月3日 代表取締役の異動(辞任)に関するお知らせ
2026年2月12日 特別調査委員会の調査報告書(2026年2月9日時点)の受領
2月13日 再発防止策(骨子)の策定
中間連結財務諸表に係る期中レビュー報告書の限定付結論に関するお知らせ
3月31日 特別調査委員会による調査報告書受領および今後の対応に関するお知らせ
相談役の辞任に関するお知らせ
4月3日 再発防止策(詳細版)の策定に関するお知らせ
4月17日 代表取締役の異動および取締役を含む役員等の異動に関するお知らせ

 

【特別調査委員会による調査結果報告書の概要】

1 特別調査委員会設置の経緯

エア・ウォーターは、2025年7月、連結子会社である日本ヘリウム株式会社(以下、「日本ヘリウム」と略称する)で在庫を巡る不適切な会計処理(損失の先送り)を自主点検で発見した。その後、社内調査を進める中で2025年9月、同じく連結子会社であるエア・ウォーター・エコロッカ株式会社(以下、「エコロッカ」と略称する)、エア・ウォーター・メカトロニクス株式会社(以下、「AWMX」と略称する)及びエア・ウォーターのプラントガス部でも在庫や貯蔵品等で不適切な会計処理(損失の先送り)を発見し、あずさ監査法人による監査の実施過程でもこれらの会計処理に対し指摘を受けた。

こうした状況を受け、エア・ウォーターは、社外の弁護士・公認会計士のサポートのもと、社外監査役主導の社内調査(以下、「先行社内調査」という)を進めてきたが、前記4案件において当社役職員の関与について可能性が生じるとともに、同様の事象がエア・ウォーター及び他の連結子会社にて発生していないか、さらに十分な調査が必要となった。

そこで、エア・ウォーターは、より広範かつ深度のある調査が必要と判断し、そのためには、それまでの社外監査役主導の調査体制ではなく、独立性及び客観性を確保した調査を行うことが適切であると考え、2025年10月9日、外部専門家で構成される特別調査委員会を設置することを決定した。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員登録およびログインが必要です。

すでに会員登録をされている方は、下記ボタンからログインのうえ、ご覧ください。

Profession Journalのすべての記事をご覧いただくには、「プレミアム会員(有料)」へのご登録が必要となります。
なお、『速報解説』については「一般会員(無料)」へのご登録でも、ご覧いただけます。
※他にもWebセミナー受け放題のスーパープレミアム会員などがございます。

会員登録がお済みでない方は、下記会員登録のボタンより、ご登録のお手続きをお願いいたします。

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第186回】

エア・ウォーター株式会社

「特別調査委員会調査報告書(概要版・公表版)(2026年3月31日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【エア・ウォーター株式会社特別調査委員会による調査の概要】

【適時開示】

【特別調査委員会の構成】

【委員長】

小原正敏(弁護士 きっかわ法律事務所)

【委 員】

中森 亘(弁護士 弁護士法人北浜法律事務所)

本多 守(公認会計士 PwCリスクアドバイザリー合同会社)

【調査補助者】

きっかわ法律事務所所属の弁護士 5名

弁護士法人北浜法律事務所の所属の弁護士 25名

PwCリスクアドバイザリー合同会社所属の公認会計士ら 79名

〔調査期間〕

2025年10月9日から2026年3月27日まで

〔特別調査委員会による調査の目的〕

(1) 事実関係の調査

(2) 類似事象の有無の調査

(3) 影響額の算定

(4) 原因究明と再発防止策の提言

(5) その他、特別調査委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【エア・ウォーター株式会社の概要】

エア・ウォーター株式会社(以下、「エア・ウォーター」と略称する)は、北海酸素株式会社として、1929年9月に設立。1966年8月、株式会社ほくさんに商号を変更。1979年9月、東京証券取引所市場第1部に株式を上場。合併、商号変更などを経た後、2000年4月から現商号。

デジタル&インダストリー、エネルギーソリューション、ヘルス&セーフティー、アグリ&フーズ及びその他の事業という5つの事業区分を有している。連結子会社136社、持分法適用会社11社の合計147社によりグループを構成している。

売上高1,075,929百万円、税引前当期利益73,975百万円、資本金55,855百万円、従業員数20,836人(いずれも2025年3月期連結実績)。本店所在地は大阪市中央区。東京証券取引所プライム市場上場。会計監査人は、有限責任あずさ監査法人大阪事務所(以下、「あずさ監査法人」と略称する)。

【エア・ウォーター会計不正発覚から調査報告書公表に至るまでの経緯】

2025年 10月9日 特別調査委員会設置に関するお知らせ
10月10日 特別調査委員会設置に関するお知らせ(続報)
11月13日 経営改革委員会の設置に関するお知らせ
12月3日 代表取締役の異動(辞任)に関するお知らせ
2026年2月12日 特別調査委員会の調査報告書(2026年2月9日時点)の受領
2月13日 再発防止策(骨子)の策定
中間連結財務諸表に係る期中レビュー報告書の限定付結論に関するお知らせ
3月31日 特別調査委員会による調査報告書受領および今後の対応に関するお知らせ
相談役の辞任に関するお知らせ
4月3日 再発防止策(詳細版)の策定に関するお知らせ
4月17日 代表取締役の異動および取締役を含む役員等の異動に関するお知らせ

 

【特別調査委員会による調査結果報告書の概要】

1 特別調査委員会設置の経緯

エア・ウォーターは、2025年7月、連結子会社である日本ヘリウム株式会社(以下、「日本ヘリウム」と略称する)で在庫を巡る不適切な会計処理(損失の先送り)を自主点検で発見した。その後、社内調査を進める中で2025年9月、同じく連結子会社であるエア・ウォーター・エコロッカ株式会社(以下、「エコロッカ」と略称する)、エア・ウォーター・メカトロニクス株式会社(以下、「AWMX」と略称する)及びエア・ウォーターのプラントガス部でも在庫や貯蔵品等で不適切な会計処理(損失の先送り)を発見し、あずさ監査法人による監査の実施過程でもこれらの会計処理に対し指摘を受けた。

こうした状況を受け、エア・ウォーターは、社外の弁護士・公認会計士のサポートのもと、社外監査役主導の社内調査(以下、「先行社内調査」という)を進めてきたが、前記4案件において当社役職員の関与について可能性が生じるとともに、同様の事象がエア・ウォーター及び他の連結子会社にて発生していないか、さらに十分な調査が必要となった。

そこで、エア・ウォーターは、より広範かつ深度のある調査が必要と判断し、そのためには、それまでの社外監査役主導の調査体制ではなく、独立性及び客観性を確保した調査を行うことが適切であると考え、2025年10月9日、外部専門家で構成される特別調査委員会を設置することを決定した。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員登録およびログインが必要です。

すでに会員登録をされている方は、下記ボタンからログインのうえ、ご覧ください。

Profession Journalのすべての記事をご覧いただくには、「プレミアム会員(有料)」へのご登録が必要となります。
なお、『速報解説』については「一般会員(無料)」へのご登録でも、ご覧いただけます。
※他にもWebセミナー受け放題のスーパープレミアム会員などがございます。

会員登録がお済みでない方は、下記会員登録のボタンより、ご登録のお手続きをお願いいたします。

連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

実例で学ぶ 内部通報実践対応88

株式会社 エス・ピー・ネットワーク 著 中野 真 監修

適時開示からみた監査法人の交代理由

公認会計士 鈴木広樹 著

徹底解説 課税上のグレーゾーン

辻・本郷税理士法人 監修 辻・本郷税理士法人 関西審理室 編 税理士 山本秀樹 著

不正・誤謬を見抜く実証手続と監査実務

EY新日本有限責任監査法人 編

先進事例と実践 人的資本経営と情報開示

EY新日本有限責任監査法人 編 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 編

企業戦略としての役員報酬

弁護士 中西和幸 著

気候変動リスクと会社経営 はじめの一歩

公認会計士 石王丸周夫 著

ドローン・ビジネスと法規制

森・濱田松本法律事務所 AI・IoTプラクティスグループ 編 弁護士 戸嶋浩二 編集代表 弁護士 林 浩美 編集代表 弁護士 岡田 淳 編集代表

法務コンプライアンス実践ガイド

弁護士・青山学院大学法学部教授 浜辺陽一郎 著

企業法務で知っておくべき税務上の問題点100

弁護士・税理士 米倉裕樹 著 弁護士・税理士 中村和洋 著 弁護士・税理士 平松亜矢子 著 弁護士 元氏成保 著 弁護士・税理士 下尾裕 著 弁護士・税理士 永井秀人 著

架空循環取引

公認会計士 霞 晴久、 弁護士・公認不正検査士 中西 和幸、 税理士・公認不正検査士 米澤 勝 著

仮装経理の実務対応

税理士 鈴木清孝 著

不正会計リスクにどう立ち向かうか!

公認会計士・公認不正検査士 宇澤亜弓 著
#