事例で検証する
最新コンプライアンス問題
【第33回】
「リユースショップ運営会社における架空買取と在庫偽装」
弁護士 原 正雄
BH社グループは、中古品の買取と販売を行うリユースショップの直営店舗の運営やフランチャイズシステムの運営を行っている。対象とする中古品は、書籍・ソフト等を始め、家電、アパレル、スポーツ用品、ベビー用品、腕時計・ブランドバッグ・貴金属、食器・雑貨等である。直営店舗数は387店、フランチャイズ加盟店舗数は368店である(2024年5月末日現在)。
2024年5月28日、店舗の1つで、アパレル在庫に約3,000万円の帳在差異があることが判明した。期末の実地棚卸結果を再点検したところ、別の店舗でも在庫不足と架空買取が判明し、さらに複数店舗で架空在庫計上の疑義が判明した。
このためBH社グループは同年6月25日、特別調査委員会を設置し、約4ヶ月後の同年10月15日に「調査報告書」を公表した。同報告書によれば、26店舗と1事業部で従業員による架空買取や架空在庫計上など29件の不正(合計8,328万8,453円分)が確認されたとのことであった。店舗間での連携は認められず組織的不正ではなかったようだが、チェック・モニタリング体制に不備があったと判断された。
そのため、同年11月12日、BH社グループは取締役会で再発防止策を決議するとともに、社長ら役員について業績連動報酬減額や報酬返上などの処分を決定し、公表した。
同報告書では様々な不正が報告されているが、本稿では、架空買取と、それを隠蔽しようとして行われた在庫不正に絞って、不正の手法と原因を論ずることにする。
1 架空買取の実態
調査報告書では、不正として架空買取が認定されている。架空買取とは、店舗の従業員において、買い取る商品が存在しないのに買い取ったことにして、代金相当額を着服する不正行為である。
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