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「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例116(消費税)】 「「事業を開始した日」を誤認し、期限までに「課税事業者選択届出書」の提出を失念したため、設備投資に係る消費税の還付が受けられなくなってしまった事例」

「税理士損害賠償請求」 頻出事例に見る 原因・予防策のポイント 【事例116(消費税)】   税理士 齋藤 和助     《基礎知識》 ◆小規模事業者に係る納税義務の免除(消法9) 事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円以下である者については、その課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき消費税を納める義務を免除する。 ◆課税事業者の選択(消法9④) 免税事業者が、その基準期間における課税売上高が1,000万円以下である課税期間につき「課税事業者選択届出書」をその納税地を所轄する税務署長に提出した場合には、当該提出をした事業者が当該提出をした日の属する課税期間の翌課税期間(当該提出をした日の属する課税期間が事業を開始した日の属する課税期間等である場合には、当該課税期間)以後の課税期間中に国内において行う課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、納税義務は免除しない。 ◆事業を開始した日の属する課税期間等の範囲(消令20一) 事業を開始した日の属する課税期間は、事業者が国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間とする。 ◆「事業を開始した日」の法令解釈 (国税不服審判所公表裁決事例:平成29年6月16日裁決より抜粋)       (了)

#No. 496(掲載号)
#齋藤 和助
2022/11/24

〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第61回】「小規模宅地等の特例と個人版事業承継税制の重複適用がある場合の選択面積」

〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第61回】 「小規模宅地等の特例と個人版事業承継税制の重複適用がある場合の選択面積」   税理士 柴田 健次   [Q] 被相続人である甲は、令和4年11月15日に相続が発生し、甲の相続財産の全てを長男である乙が相続しています。乙が取得した土地は、下記のとおりとなります。 A土地については、個人版事業承継税制の相続税の納税猶予の適用を検討し、 B土地、C土地、D土地については小規模宅地等の特例を検討していますが、適用を受ける優先順位が次のそれぞれの場合には、特例事業用資産の選択面積及び小規模宅地等の特例の選択面積はそれぞれ何㎡になりますか。 [A] それぞれの場合で特定事業用資産の選択面積及び小規模宅地等の特例の選択面積は、下記のとおりとなります。 ◆ ◆ ◆[解説]◆ ◆ ◆ 1 小規模宅地等の特例と個人版事業承継税制との重複関係の整理 (1) 特定事業用宅地等の特例と個人版事業承継税制との関係 小規模宅地等の規定は、下記の特定事業用宅地等については適用しないこととされています(措法69の4⑥、措通69の4-26の2)。 ■ 上記①について 贈与税の納税猶予の適用を受けた後継者に係る贈与者であった被相続人から相続又は遺贈により取得した全ての特定事業用宅地等については特例を受けることができないことになります。 上記①の括弧書きに記載のとおり、贈与税の納税猶予の適用を受けていた場合にみなし相続により取得したものとされ、相続税の納税猶予の適用を受けない場合においても特定事業用宅地等の特例の適用は受けることができないことになります。この点については本連載【第59回】で解説をしています。 ■ 上記②について 相続税の納税猶予の適用を受ける後継者に係る被相続人から相続又は遺贈により取得した全ての特定事業用宅地等については特例を受けることができないことになります。 例えば、長男が個人版事業承継税制における相続税の納税猶予の適用を受ける場合において、二男が特定事業用宅地等を取得した場合には、二男は特定事業用宅地等の特例を受けることができないことになります。個人版事業承継税制の適用を受ける長男に係る被相続人から相続又は遺贈により取得した全ての特定事業用宅地等については特例を受けることができないことになります。 したがって、被相続人の相続税の申告書において個人版事業承継税制と特定事業用宅地等の特例が併用されることはあり得ないことになります。 (2) 特定事業用宅地等以外の特例対象宅地等の特例と個人版事業承継税制との関係 特定事業用宅地等以外の特例対象宅地等(特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等又は貸付事業用宅地等)である場合には、相続又は遺贈により取得した特定事業用資産について個人版事業承継税制との併用をすることができます。 この場合における限度面積は、貸付事業用宅地等の特例の適用があるか否かに応じて、下記のとおりとなります(措法70の6の10②一、措令40の7の10⑦、措通70の6の10-17)。限度面積要件を満たさない場合には、全ての土地について、小規模宅地等の特例及び個人版事業承継税制について適用を受けられないことになります(措通69の4-11、69の4-12、70の6の10-18)。 【限度面積の調整(個人版事業承継税制の適用がある場合)】 基本的な考え方は、特定事業用宅地等の面積の代わりに、特定事業用資産の面積を当てはめたものとなります。本連載【第6回】でも解説していますが、個人版事業承継税制の適用がない場合における限度面積の調整は、下記のとおりとなります。 【限度面積の調整(個人版事業承継税制の適用がない場合)】   2 本問の場合の当てはめ それぞれの場合で選択面積は、下記のとおりとなります。 [①について] 上記1(2)の【限度面積の調整(個人版事業承継税制の適用がある場合)】の貸付事業用宅地等の特例の”適用なし”の区分で考えることになります。特定同族会社事業用宅地等であるB土地については、特定事業用資産の面積と合わせて400㎡までの適用となりますので、240㎡(400㎡-160㎡)が選択適用面積となります。特定居住用宅地等であるC土地については、限度面積調整はありませんので、330㎡以下の範囲内で選択することができます。 [②について] 上記1(2)の【限度面積の調整(個人版事業承継税制の適用がある場合)】の貸付事業用宅地等の特例の”適用あり”の区分で考えることになります。貸付事業用宅地等の特例がある場合には、全体を100%とした場合にそれぞれの特例で何%部分を適用したのかを考えると分かりやすいと思います。 本問の場合には、A土地の特定事業用資産で適用したことにより40%部分を適用し、D土地の貸付事業用宅地等の特例で適用したことにより35%部分を適用したことになります。残りの25%部分について特定同族会社事業用宅地等の特例で適用することになりますので、B土地については100㎡(400㎡×25%)が選択面積となります。 B土地の選択面積の具体的な計算式は、下記のとおりとなります。 〈B土地の選択面積の計算〉 [③について] 上記1(2)の【限度面積の調整(個人版事業承継税制の適用がある場合)】の貸付事業用宅地等の特例の”適用なし”の区分で考えることになります。特定事業用資産であるA土地については、特定同族会社事業用宅地等の面積と合わせて400㎡までの適用となりますので、100㎡(400㎡-300㎡)が選択面積となります。特定居住用宅地等であるC土地については、限度面積調整はありませんので、330㎡以下の範囲内で選択することができます。 [④について] 上記1(2)の【限度面積の調整(個人版事業承継税制の適用がない場合)】の貸付事業用宅地等の特例の”適用あり”の区分で考えることになります。貸付事業用宅地等の特例の適用がある場合には、上記②の考え方と同様となります。 D土地の貸付事業用宅地等の特例で適用したことにより35%部分を適用したことになります。残りの65%部分について特定同族会社事業用宅地等の特例で適用することになりますので、B土地については260㎡(400㎡×65%)が選択面積となります。 B土地の選択面積の具体的な計算式は、下記のとおりとなります。 〈B土地の選択面積の計算〉   ★実務上のポイント★ 個人版事業承継税制の適用を受ける場合には、特定事業用宅地等の特例は受けられなくなります。特定事業用宅地等以外の小規模宅地等の特例との併用は可能ですが、限度面積調整があるため、事前にどの土地で小規模宅地等の特例を受けるのか検討をする必要があります。   (了)

#No. 496(掲載号)
#柴田 健次
2022/11/24

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第5回】「米国デラウェア州LPSの法人該当性(地判平23.12.14、高判平25.1.24、最判平27.7.17)(その2)」~米国デラウェア州法201条(b)、所得税法2条1項7号等、租税特別措置法41条の4の2、民法33条、36条~

〈一角塾〉 図解で読み解く国際租税判例 【第5回】 「米国デラウェア州LPSの法人該当性 (地判平23.12.14、高判平25.1.24、最判平27.7.17)(その2)」 ~米国デラウェア州法201条(b)、所得税法2条1項7号等、租税特別措置法41条の4の2、民法33条、36条~   税理士・米国公認会計士 金山 知明     3 最高裁判決(平成27年7月17日)についての検討 (1) 最高裁が示した判断基準(2段階での法人該当性判定) 上記(前回の2参照)の下級審の判断に対し、最高裁は異なるアプローチを採用した。すなわち、外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否かを判断するに当たり、①まず当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから、当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討し、これができない場合には、②次に当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かを検討して判断すべきとした。 そのうえで、②の判断に当たっては、具体的には当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から、当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ、かつ、その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討することとなると判示した。 (2) 本件LPSの法人該当性についての判示(本件LPSは外国法人に該当する) 最高裁は上記のような2段階の基準に従い、まず州LPS法に基づいて設立されるリミテッド・パートナーシップが「separate legal entity」となるものと定められていることをもって、本件各LPSに日本法上の法人に相当する法的地位が付与されているか否かを疑義のない程度に明白であるとすることは困難であるとした。 そのうえで、州LPS法の定めに照らせば、同法はLPSにその名義で法律行為をする権利又は権限を付与するとともに、LPS名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することを前提とするものと判断した。 さらに、上記のような州LPS法の定め等に鑑み、本件LPSは、自ら法律行為の当事者となることができ、かつ、その法律効果が本件各LPSに帰属するものということができるから、権利義務の帰属主体であると認定した。 この観点から最高裁は、本件LPSは、権利義務の帰属主体であると認められるのであるから、所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するものというべきであり、本件各不動産賃貸事業により生じた所得は、本件LPSに帰属するものと認められ、本件出資者らの課税所得の範囲には含まれないものと解するのが相当であるとした。すなわち、本件出資者らは、本件各不動産賃貸事業による所得の金額の計算上生じた損失の金額を各自の所得の金額から控除することはできないため、原審を破棄し、YのXに対する更正処分は適法との判決に至った。 (3) 検討 ① なぜ法人該当性が争点となったか 本件のようなLPSについて、米国ではかねて受動的所得の損失に関する損益通算の制限規定(内国歳入法469(a))や、LPSのリミテッド・パートナーに対する損益通算制限規定(同法704(d))が整備されているので、米国市民が本件と同様の節税スキームを利用することには歯止めがかかっている。 しかし、事件当時の日本では不動産所得のようなパッシブインカムや、リミテッド・パートナーが受ける所得の損失の控除制限規定などが整備されていなかったため、そうした法の対応の遅れを巧みに利用して構築され実行されたのが本件のスキームであった。 このようなスキームは平成17年の措置法改正により封じられたが、この措置法規定を本件に遡及適用して損益通算を否認できるとの主張は困難であるため、国としてはそのようなLPS損失の利用を防ぐために、本件LPSを法人とする解釈論を持ち出すほかなかったと考えられる(※7)。 (※7) 増井良啓・宮崎裕子『国際租税法・第4版』東京大学出版会(2019年)253頁では、こうして法人該当性を争点に持ち出したことを「大げさな方法」としている。 ② 借用概念解釈の観点から 税法上の「法人」が借用概念である以上、それは私法上の意義と同様に解釈すべきという説(統一説)が支配的であり(※8)、本件でも最高裁は、「統一説」に基づいて、日本の民法上の法人概念を用いて判断する形をとっているとされる(※9)。つまり、少なくとも形式的には法人法定主義(民法33条)を尊重し、以下のとおり2段階の判断基準を採用した。 (※8) 谷口勢津夫『税法基本講義(第7版)』弘文堂(2021年)52頁。このほか、税法独自の意味を持たせるべき(=税法の独立性を追求)とする「独立説」、目的論的解釈を貫徹する「目的適合説」がある(同頁)。 (※9) 谷口前掲書54頁。 このうち第1基準は、一見すると法人法定主義に則るものとも考えられるが、外国の組織体について第1基準によって法人に該当しないという結論を得るためには、その組織体が外国法により法人格を与えられていないことが疑義のない程度に明確でなければならないことになる。この点本件LPSのような事業体について、法人でないことが法に明記されない限り、これを第1基準により法人に該当しないと判断することはほぼ不可能となる。 すなわち最高裁は、LPSのような外国組織体の法人該当性については、実質的に権利・義務の主体たり得るか否か(第2基準)を主要な判断基準においていることになる。そうすると、法人該当性の判断について、外国法により設立される事業体に限り、結局は民法の法人法定主義から離れ、内国法人とは異なる判断基準を構築しているも同然という問題点がある(※10)。 (※10) 岡村忠生「判批」ジュリスト1486号(2015年)11頁では、租税法は「内国法人」と「外国法人」に共通して「法人」を用いているから、両者に通じる租税法上の「法人」の意味を追求する必要があったとしている。 ③ 租税条約等の観点から 日米租税条約3条1項(f)では「『法人』とは、法人格を有する団体又は租税に関し法人格を有する団体として取り扱われる団体をいう。」と規定されるのみだが、日米租税条約に関する米国側の解釈として米国が公表しているTechnical Explanation(※11)(技術的説明)においては、同3条の説明として、ここでいう「法人」とは、「その事業体が組成された国において税務上法人と取り扱われる事業体をいう」という意味の記載が見られる(※12)。また、OECDモデル租税条約3条1項(b)のコメンタリーにおいては、法人の定義について、事業体の居住地国で法人として課税されるものとしている。これらのことから、日米租税条約においても、居住地国である米国での課税上法人として課税される事業体のみを法人と捉えることに合理性があるといえる。 (※11) Department of the Treasury (2003年) “Technical Explanation of the Convention Between the Government of the United States of America and the Government of Japan for the Avoidance of Double Taxation and the Prevention of Fiscal Evasion with Respect To Taxes on Income and on Capital Gains” (※12) ただし、このTechnical Explanation自体は米国当局が一方的に採る公権解釈であるため、法源ないし文脈を構成しないとされる(村井正『入門国際租税法 改訂版』清文社(2020年)38頁)。 ちなみに、米国においては、チェック・ザ・ボックス規則を定めるTreasury Regulation S301.7701-3によれば、本件のようなLPSについてもLLCにしても、原則ルールはパス・スルー課税であり、チェック・ザ・ボックス規則により選択して初めて法人課税となる。本件LPSはチェック・ザ・ボックス規則によりパス・スルー課税を選択したのでなく、何も選択しなかった結果、デフォルト・ルールのままパス・スルー課税の対象とされている。つまり、本件LPSは、前段落でいう「事業体の居住地国で法人として課税されるもの」には当たらない。 これらの米国租税法における取扱いや、租税条約の姿勢を考慮すると、それと異なる立場をとった本件最高裁判決は、国際課税関係の不整合という大きな問題を招来するものとみることもできる。   4 総括 本件における居住者Xの行為は、法の対応が欠けた部分を利用する租税回避スキームへの参加であり、個別否認規定がない状況下でこれを否認するためには、本件LPSを租税法上の法人と認定するほかなかったという事情がある。 しかし、上記の検討からは、本件LPSを外国法人と認定した最高裁の判断には疑問を呈する余地があり、本来であればこのようなスキームを否認するには立法(個別否認規定)による対処が必要であると考える。 なお、本件の発生後、実際に平成17年度税制改正で規定された租税特別措置法41条の4の2により、本件のような事業体を用いた不動産所得損失の損益通算は不適用とされている。 そのためか、国税庁はこの判決の直後、大要「今後米国LPSについては、米国で法人課税を選択していない限り、日本で米国と同様にパス・スルー課税を適用することにつき、もはや国税庁は異議を唱えない。」とする見解を示す英文をウェブサイト上で発表した(※13)。この見解は、本件訴訟における国の主張を自ら否定するものにみえる。 (※13) 国税庁ホームページ。 このことからも、本件訴訟におけるYの主張及び最高裁の判決は、個別の租税回避行為の否認のために外国法人の概念を拡張したものであり、外国LPSのようなハイブリッド事業体の法人該当性について、かえって国際間相違による課税関係の不安定化をもたらす方向に作用したと考えられる。 (了)

#No. 496(掲載号)
#金山 知明
2022/11/24

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第60回】「オペレーティング・リース取引の注記」

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第60回】 「オペレーティング・リース取引の注記」   史彩監査法人 パートナー 公認会計士 西田 友洋   【はじめに】 今回は、オペレーティング・リース取引の注記について解説する。 ※各ステップをクリックすると、それぞれのページに移動します。 ※画像をクリックすると、別ウィンドウでPDFが開きます。 リースの借手及び貸手ともに、オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料は、注記する必要がある(企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」22)。 そのため、リースの借手及び貸手ともに、オペレーティング・リース取引を網羅的に洗い出し、解約不能なものであるかどうか(解約不能な期間がないかどうか)の判定を行う必要がある。 リースの借手及び貸手ともに、オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料は、貸借対照表日後1年以内のリース期間に係るものと、貸借対照表日後1年を超えるリース期間に係るものとに区分して注記する(リース適用指針74)。ただし、重要性が乏しいオペレーティング・リース取引は、注記対象から除くことができる(リース適用指針75)。 なお、計算書類では、必ずしも当該注記は求められていない。 【事例】(株)商船三井(2022年3月期 有価証券報告書) *  *  * 以上、2つのステップをまとめたフロー・チャートを再掲する。 ※画像をクリックすると、別ウィンドウでPDFが開きます。 (了)

#No. 496(掲載号)
#西田 友洋
2022/11/24

開示担当者のためのベーシック注記事項Q&A 【第5回】「会計上の見積りに関する注記」

開示担当者のための ベーシック注記事項Q&A 【第5回】 「会計上の見積りに関する注記」   仰星監査法人 公認会計士 竹本 泰明   Question 当社は連結計算書類の作成義務のある会社です。連結注記表及び個別注記表における会計上の見積りに関する注記について、何を記載すればいいかわからず困っています。どのような内容を記載する必要があるか教えてください。 Answer 会計上の見積りに関する注記では、当年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目における会計上の見積りの内容について、財務諸表利用者の理解に資する情報を開示する必要があり、連結注記表・個別注記表ともに、次の事項を参考にし、各社の実情に応じて必要な情報を記載する必要があります。 ① 会計上の見積りにより当該(連結)会計年度に係る(連結)計算書類にその額を計上した項目であって、翌(連結)会計年度に係る(連結)計算書類に重要な影響を及ぼす可能性があるもの ② 当該(連結)会計年度に係る(連結)計算書類の①の項目に計上した額 ③ ②のほか、①に掲げる項目に係る会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報 ● ● ● 解説 ● ● ● 1 経団連のひな型による解説 経団連が公表している「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)」(2022年11月1日)によれば、連結注記表、個別注記表それぞれ次のような注記が考えられます。 【連結注記表】 【個別注記表】   2 注記事項の解説 (1) 会計上の見積りに関する注記の全体像 連結計算書類の作成義務のある会社を前提とした場合、連結注記表・個別注記表で記載すべき会計上の見積りに関する注記事項は次のとおりです(会社計算規則第102条の3の2第1項)。 (※1)  個別注記表に注記する会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報(③)が連結注記表に注記する内容と同一である場合であっても、①の項目及び②の計上額は注記が必要です。なお、③は連結注記表と同一の内容である旨を記載することで詳細な記載を省略できます。 (※2)  各社の実情を踏まえ、注記を要しないと合理的に判断される場合には、注記しないことも許容されます。 (2) 注記事項の解説 上記(1)の③の会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報では、金額の算出方法、金額の算出に用いた主要な仮定、翌年度の財務諸表に与える影響などを記載することが考えられます。 その中でも「金額の算出に用いた主要な仮定」をどのように記載するかが、実務において困るポイントと思われますので、いくつか事例を紹介します。 【株式会社AOKIホールディングス 2022年3月期 連結注記表】 ※株式会社AOKIホールディングス「第46回定時株主総会招集ご通知に際してのインターネット開示事項」12~13頁より抜粋。 【ホクト株式会社 2022年3月期 連結注記表】 ※ホクト株式会社「第59回定時株主総会招集ご通知に際してのインターネット開示事項」8頁より抜粋。 【株式会社ナガセ 2022年3月期 個別注記表】 ※株式会社ナガセ「第47回定時株主総会招集ご通知」45頁より抜粋。 *  *  * 会計上の見積りに関する注記は、上場会社のいわゆるKAM(「Key Audit Matters」の略。監査上の主要な検討事項)の記載と密接に関係しており、KAMで会計上の見積りに関する事項を記載するため、会計上の見積りに関する注記で詳細に記載しているといったケースもあると考えられます。 次回の第6回では、「金融商品に関する注記①-金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項」をテーマに解説します。   (了)

#No. 496(掲載号)
#竹本 泰明
2022/11/24

〔具体事例から読み取る〕“強い”会社の仕組みづくりQ&A 【第10回】「公益通報者保護制度の概要と導入にあたっての留意点」

〔具体事例から読み取る〕 “強い"会社の仕組みづくりQ&A 【第10回】 「公益通報者保護制度の概要と導入にあたっての留意点」   米国公認会計士・公認内部監査人 打田 昌行   ◆◇ 解 説 ◇◆ 1 内部通報制度の歴史を振り返る 通報制度の原型は江戸時代に遡る。江戸期に飢饉が重なると、困窮した農民は農地の耕作を放棄して逃亡するケースが増加した。そして土地は荒れ果て、年貢の徴収が滞る事態に発展したといわれる。そこで農家を一定数の戸数単位にまとめ、集団内で離農の企てを互いに監視させ、未然に防ぐ通報システムをつくり、土地の放棄や逃亡を防いだ。日本の通報制度は、農民を土地に縛りつけて監視し、幕藩体制の財政基盤を支える仕組みとして産声を上げたことになる。 さらに太平洋戦争期、地域行政の情報伝達の役割を担わせるために、政府は地域住民の一定戸数を隣組(となりぐみ)として組織化した。この隣組は戦争遂行に対する反対意見や行動を互いに監視させ、通報をうながす活動をも担った。この時も通報制度は時の権力者に仕える制度的役割を果たしている。   2 現代の内部通報制度と密告 内部通報制度が社内にあっても、共に仕事をする者の密告を奨励されるかのようで利用しづらいという意見を聞く。しかし、制度は本来密告とは異なる。密告は提供する情報が事実である必要はないが、通報制度による通報内容は、少なくとも偽りであってはならない。 実際、法令違反や反倫理的な行為を確実に見つけたといって通報する者は、あまり多くない。むしろ、もしかしたらという違和感あるいは不審感から、止むにやまれず通報するというのが通常である。しかし、そうであっても誠意ある通報は明らかに偽りとは異なる。そして真偽のほどはその後の調査の進展に委ねればよい。悪意により偽りの通報をした者は処罰され、誠意ある通報者の利益は制度によって保護されなければならない。   3 制度の具体的な構築 今回の改正法が予定している会社内への内部通報制度の具体的な導入イメージは、次のようにまとめられる。 (1) 制度導入の対象となる企業 2022年6月1日に施行された改正公益通報者保護法によると、300人超の従業員を抱える企業は制度の導入が義務づけられ、300人以下の従業員を雇用する企業は導入の努力義務が求められることとされている。 (2) 通報制度の受付窓口 通報制度の窓口は、社内の特定の部門内に設置され、改正法に基づき指定された業務従事者が社内の通報に対応する。この業務従事者は、相互にけん制を図るため複数人であることが望ましい。通報を受け付けた後は、通報内容を裏付ける調査を行い、必要であれば是正措置を講ずる。 (3) 通報の形態 通報は電話やメールによることが想定される。FAXは、漏えいの危険から好ましい方法とはいえない。通報は顕名(氏名を明らかにする)あるいは匿名によることが考えられる。 (4) 秘密厳守と不利益な取扱いの防止 業務従事者は、通報者の利益を護るために通報に関わる内容を正当な理由なく他に漏らしてはならない。通報された内容が会社の経営方針と異なることを理由に、人事部門等に通報の内容を漏らし、人事上の不利益を与えることは決して許されない。通報の守秘義務と通報者に対する不利益な取扱いには十分な配慮が求められ、守秘義務に違反すれば改正法により30万円以下の罰金刑が科される。 参考事例として、次のオリンパス内部通報事件の概要を取り上げる。 〔オリンパス内部通報事件〕 通報制度の活用には、通報者に心理的な緊張やプレッシャーが伴う。それにもかかわらず、そうした敷居を乗り越え勇気をもって通報した者に対して、会社が経営方針と異なることを理由に不利益を与えたのでは、制度は社員から見放され、早晩空洞化するに違いない。   4 具体的な運用で留意すべきこと 会社として通報制度に関する方針や規程を定めるのは当然だが、規程に織り込む事項を検討する際に、特に以下の点に留意してほしい。 (1) 通報チャネルの複数化 通報先は社内の通報窓口のほか、弁護士事務所に窓口を委託することで、通報チャネルを複数化して通報者の利便性を図り、制度利用の心理的な敷居を下げるなどの工夫をする会社も多い。しかし、当面の運用コストを考慮して、まずは社内窓口に限ってスタートさせるのが現実的であろう。 (2) メールによる通報と特定者の禁止 通報が匿名によるメールの場合、メールの発信元が明らかにならないようなシステム設計が求められる。匿名通報では身元を調査し、通報者を特定してはならない。 (3) 制度の活用を促す対応をする 顕名による通報の場合、指定された業務従事者が調査を行い、改善を行った時は必ず通報者に対してどのような改善を施したのか、フィードバックすることが重要になる。そうすることで、制度の利用を促し、信頼性を高めることに繋がる。通報をしても、握り潰されるに違いないという猜疑心から、一般的に通報をためらう傾向があるため、こうした点には十分な配慮が求められる。併せて、通報件数などの実績を広く社内で公表することも大切になる。 (4) 利益相反の対応 業務従事者が通報内容に関わり、利害関係を有すると判明した場合、その者を当該通報の対応事案から外すことが必要になる。こうした点もあらかじめ規程に織り込んでおく必要がある。 (5) 制度周知と教育訓練 せっかくの制度も社内に周知されなければ、意味をなさない。あらゆる機会を捉えて制度の利用方法などの周知を図り、従業員への通知、社内掲示、会議の際の案内、イントラネット等を活用する。さらに利用を促すためのコンプライアンス教育が展開できるようになれば、なおよいであろう。 (了)

#No. 496(掲載号)
#打田 昌行
2022/11/24

〔相続実務への影響がよくわかる〕改正民法・不動産登記法Q&A 【第12回】「新設された所有者不明土地・建物管理制度の概要と手続」

〔相続実務への影響がよくわかる〕 改正民法・不動産登記法Q&A 【第12回】 「新設された所有者不明土地・建物管理制度の概要と手続」   司法書士 丸山 洋一郎 弁護士 松井 知行    【Q】 所有者不明土地・建物の管理制度とはどのような制度ですか。 【A】 所有者が不明又は所有者の所在が不明な土地・建物について、利害関係人等の請求により裁判所が管理命令を発令し、管理人を選任して土地・建物を管理・処分(裁判所の許可があれば売却も可)させることができる制度である。 -《解説》- 1 制度創設の経緯 所有者がわからない又は所有者が所在不明となっている土地・建物(以下、「所有者不明土地・建物」という)については、所有者自身により適切に管理されることが期待できない。そして、そのような土地・建物が適切に管理されないままとなることで、社会経済上の不利益を生じさせることが少なくない。 このような土地・建物を管理する制度としては、これまでは不在者財産管理制度(民法第25条第1項)等が利用されていた。しかし、当該制度では問題となっている土地・建物だけでなく不在者の財産すべてを管理することになるため、所有者不明土地・建物を管理するための制度としては非効率だった。また、そもそも所有者を全く特定することができない場合には制度を利用することができないという問題もあった。 そこで、所有者不明土地・建物の管理を効率的・合理的に行うことのできる新たな管理制度として、所有者不明土地管理制度及び所有者不明建物管理制度が作られることになった(以下、両制度をあわせて「所有者不明土地・建物管理制度」といい、所有者不明土地管理人と所有者不明建物管理人をあわせて「管理人」という)。   2 手続の流れ (1) 申立て 所有者不明土地・建物管理制度を利用する場合、裁判所に申立てをする必要がある。 この申立ては対象不動産の所在地を管轄する地方裁判所にする必要がある(新非訟事件手続法第90条第1項)。 また、申立てをすることができるのは、利害関係人(新民法第264の2第1項、同法第264条の8第1項)とされている。なお、所有者不明土地については、その適切な管理のため特に必要があると認めるときは、地方公共団体の長等は地方裁判所に対し所有者不明土地管理命令を出すよう請求することができるとされている(新所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法第42条第2項)。 (2) 公告と届出期間の経過 申立てがあった場合、裁判所は以下の①~③の内容を公告し、かつ、②の期間が経過した後でなければ、所有者不明土地・建物管理命令をすることができないこととされている(新非訟事件手続法第90条第2項前段、同条第16項)。②の期間は、1ヶ月を下ってはならないとされていることから(同条第2項後段)、裁判所は公告に際して1ヶ月以上の具体的な期間を定めることになる。 【公告の内容】 (3) 管理命令の発令・管理人の選任等 裁判所は、公告を実施し、所定の期間が経過した後、所有者や所有者の所在を知ることができない土地・建物について、必要があると認めるときには、所有者不明土地・建物管理命令を発して、想定される具体的な職務内容に照らしてふさわしい者を管理人に選任することができる。 所有者不明土地・建物管理命令は、申立人及び管理人に告知しなければならないが、所有者不明土地・建物等の所有者には告知する必要がない(新非訟事件手続法第90条第12項、同条第16項)。 そして、所有者不明土地・建物管理命令は、管理人に告知することにより効力を生じる(非訟事件手続法第56条第2項)。 所有者不明土地・建物管理命令があった場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、その対象とされた土地・建物又は共有持分について、所有者不明土地・建物管理命令の登記の嘱託をしなければならない(新非訟事件手続法第90条第6項、同条第16項)。   3 管理人の権限・義務等 (1) 権限 管理人は、対象となる財産を管理・処分する権限を有しており、このような管理処分権は管理人に専属するものとされている(新民法第264条の3第1項、同法第264条の8第5項)。 管理人は、①保存行為及び②所有者不明土地・建物等の性質を変えない範囲内の利用・改良行為については、裁判所の許可を得ることなく行うことができるが、これを超える行為をする場合には裁判所の許可を得る必要がある(新民法第264条の3第2項本文、同法第264条の8第5項)。 管理人が裁判所の許可を得るべきであったにもかかわらずこれを得ずに行った行為については、効力を生じないと考えられるが、取引の安全を図るために、裁判所の許可がないことをもって善意の第三者に対抗することはできないとされている(新民法第264条の3第2項ただし書、同法第264条の8第5項)。 (2) 義務 管理人は、所有者不明土地・建物等の所有者・共有持分権者のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならないとされている(新民法第264条の5第1項、同法第264条の8第5項)。 また数人の者の共有持分を対象として所有者不明土地・建物管理命令が発せられたときは、管理人は、当該命令の対象とされた共有持分を有する全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならないとされている(新民法第264条の5第2項、同法第264条の8第5項)。 (3) 対象となる財産 管理人による管理処分の対象となる財産は、①所有者不明土地・建物、②土地・建物にある所有者(共有持分権者)が所有している動産、③管理人が管理・処分等により得た金銭等の財産(売却代金等)のほか、建物の場合にはその敷地利用権(借地権等)にも及ぶ(新民法第264条の2第2項、第264条の3第1項、第264条の8第2項、同条第5項)。なお、区分所有建物については、所有者不明建物管理制度は適用されない(新建物の区分所有等に関する法律第6条第4項)。 (4) 解任・辞任 管理人がその任務に違反して所有者不明土地・建物等に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、管理人を解任することができる(新民法第264条の6第1項、同法第264条の8第5項)。 また、管理人は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て辞任することができる(新民法第264条の6第2項、同法第264条の8第5項)。 (5) 報酬 管理人は、所有者不明土地・建物等から、裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる(新民法第264条の7第1項、同法第264条の8第5項)。 また、管理人による所有者不明土地・建物等の管理に必要な費用及び報酬は、所有者不明土地等の所有者(共有持分権者を含む)の負担とされている(新民法第264条の7第2項、同法第264条の8第5項)。   4 所有者不明土地・建物等に関する訴訟 (1) 原告・被告 所有者不明土地・建物管理命令が発せられた場合には、所有者不明土地・建物等に関する訴訟については、管理人が原告又は被告となる(新民法第264条の4、同法第264条の8第5項)。 管理人が訴えの提起や訴訟上の和解をするにあたっては、裁判所の許可が必要になると考えられる。他方、管理人が被告となって応訴することについては、不在者財産管理人や相続財産管理人に関する判例(大判昭15.7.16、最判昭47.7.6)において応訴に際して裁判所の許可は不要とされていることに照らして、裁判所の許可は必要でないと考えられる。 (2) 訴訟手続の中断・受継 所有者不明土地・建物管理命令が発せられたときは、所有者不明土地・建物等に関する訴訟手続で当該所有者不明土地・建物等の所有者・共有持分権者を当事者とするものは中断するとされており、この場合には管理人は訴訟手続を受け継ぐことができるとされている(新民事訴訟法第125条第1項、同条第3項)。 また、所有者不明土地・建物管理命令が取り消されたときは、管理人を当事者とする所有者不明土地・建物等に関する訴訟手続は中断するとされており、この場合には所有者不明土地・建物等の所有者・共有持分権者は訴訟手続を受け継がなければならないとされている(新民事訴訟法第125条第2項、同条第3項)。 (了)

#No. 496(掲載号)
#丸山 洋一郎、松井 知行
2022/11/24

〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例77】株式会社ANAP「会計監査人選任の開示遅延に関するお知らせ」 (2022.10.20)

〔検証〕 適時開示からみた企業実態 【事例77】 株式会社ANAP 「会計監査人選任の開示遅延に関するお知らせ」 (2022.10.20)   公認会計士/事業創造大学院大学教授 鈴木 広樹   1 今回の適時開示 今回取り上げる開示は、株式会社ANAP(以下「ANAP」という)が2022年10月20日に開示した「会計監査人選任の開示遅延に関するお知らせ」である。主文には次のように記載されている。 わざわざ開示遅延に関して開示するというのは、とても珍しい。とても真面目な会社なのだろうか、あるいは、証券取引所に怒られて、思わず開示してしまったのだろうか。「会計監査人選任に関するお知らせが遅延した理由」には次のように記載されている。 決定事実に関しては、最初の機関決定後直ちに開示しなければならない。適時開示実務における基本中の基本である。とても真面目な会社ならば、こんな誤りはしないだろう。やはり証券取引所に怒られて、思わず開示してしまったのかもしれない。   2 監査報酬を理由とする異動 遅延開示であるという「定款一部変更並びに取締役、会計監査人選任に関するお知らせ」によると、監査人の異動は、監査報酬を主たる理由とするものである。その「異動の決定又は異動に至った理由及び経緯」には次のように記載されている。 ANAPは2020年8月期以降赤字が続いているが(2020年10月12日開示「2020年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)」、2022年10月14日開示「2022年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)」)、コロナ禍の影響が大きいようである。同社はファッションブランドを展開しているのだが、コロナ禍において店舗の休業を余儀なくされた(2020年4月8日開示「新型コロナウイルス感染拡大防止及び緊急事態宣言発令に伴う一部店舗の『臨時休業』に関するお知らせ」、2020年4月17日開示「新型コロナウイルス感染拡大防止及び全国への緊急事態宣言発令に伴う一部店舗の『臨時休業』に関するお知らせ」、2020年4月20日開示「新型コロナウイルス感染拡大防止及び全国への緊急事態宣言発令に伴う全店舗の『臨時休業』に関するお知らせ」、2021年4月26日開示「緊急事態宣言発令に伴う一部店舗の臨時休業に関するお知らせ」)。 そのため、インターネット販売事業に力を入れたのだが、店舗を休業しなくてもよくなったら、今度はインターネット販売事業が苦戦することになってしまった。「2022年8月期決算短信〔日本基準〕(連結)」の「当期の経営成績の概況」には、次のような記載がある。   3 相次ぐ訂正 今回の開示遅延も一端かもしれないが、業績の悪化は開示にも影響しているようである。ANAPは2020年7月29日に「株式会社ASメディカルサポートとの資本提携に関するお知らせ」を開示したのだが、同日に「(開示事項の取消)『株式会社ASメディカルサポートとの資本提携に関するお知らせ』の取り消しについてのお知らせ」を開示し、資本提携を取り消している。その取消しに関する開示の記載内容は次のとおりである(下線は筆者による)。 しかし、その翌日の2020年7月30日に更に「昨日当社が開示した『(開示事項の取消)『株式会社ASメディカルサポートとの資本提携に関するお知らせ』の取り消しについてのお知らせ』の訂正について」を開示し、取消しに関する開示を訂正している。その記載内容は次のとおりである(下線は筆者による)。 「(開示事項の取消)『株式会社ASメディカルサポートとの資本提携に関するお知らせ』の取り消しについてのお知らせ」における「EDINETに関する当社の事務手続きの不備」とは、「有価証券届出書の提出が必要であるということを認識しておらず、それを準備していなかった」ということのようである。 また、2022年10月14日に「資金使途の変更に関するお知らせ」と「資本業務提携契約の締結、第三者割当による新株式及び第5回新株予約権の発行、株式の売出し並びに主要株主の異動に関するお知らせ」を開示したのだが、2022年10月17日に「(訂正)『資金使途の変更に関するお知らせ』の一部訂正について」と「(訂正)『資本業務提携契約の締結、第三者割当による新株式及び第5回新株予約権の発行、株式の売出し並びに主要株主の異動に関するお知らせ』の一部訂正について」を開示している。いずれも数値の記載の訂正である。   4 再発防止策 コロナ禍の影響により業績が悪化したANAPだが、コロナ禍前は順調だったかというと、そうではなかった。同社は2013年11月に当時の東京証券取引所ジャスダック市場に上場したのだが、2014年8月期は既に赤字で、その後2016年8月期まで赤字が続いた(第26期有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」参照)。 その責任をとって役員報酬の減額も行っている(2014年4月11日開示「業績予想、配当予想の修正及び役員報酬の減額に関するお知らせ」、2016年10月7日開示「役員報酬減額に関するお知らせ」)。もともと開示体制も万全なものではなかったのだろう。そこにコロナ禍が来て、一気にまずさが露呈したのかもしれない。 同社は、現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しているが、同市場の上場維持基準を充たしておらず(流通株式時価総額の基準が不適合)、2021年12月20日に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を開示している。その計画期間は2023年8月期までとされている。 今回の開示「会計監査人選任の開示遅延に関するお知らせ」の「再発防止策」の記載は次のとおりである。 同社では、「情報取扱責任者及び開示担当者において、適時開示すべき事実が決定・発生したと認識した場合」(日本語がおかしな点には触れないが)に「『会社情報適時開示ガイドブック』を読み合わせる」ことが「社内チェック体制」の強化なのだという。これではまた不適切な開示を繰り返すことになるだろう。 適時開示は上場会社の義務である。業績がどうであれ、必ず履行しなければならない。それが無理ならば、上場維持を諦めるほかないだろう。 (了)

#No. 496(掲載号)
#鈴木 広樹
2022/11/24

プラス思考の経済効果 【第9回】「市民マラソンの経済効果」

プラス思考の経済効果 【第9回】 「市民マラソンの経済効果」   関西大学名誉教授・大阪府立大学名誉教授 宮本 勝浩   1 大谷翔平選手の2022年契約更改後の経済効果 前回は2021年の大谷翔平選手が、日本人ではじめてMLBアメリカンリーグのMVPを獲得した時の経済効果について述べましたが、その後2022年のシーズンが終わってから1年間で日本人最高額の3,000万ドル(契約時の為替レートで約43億4,000万円)で契約を更改しました。 この新しい年俸と現在の大谷選手の人気、実力による2022年から2023年にかけての「大谷翔平選手の経済効果」を新たに推計してみることにします。アメリカにおける大谷翔平選手の直接効果は、計算の詳細は省略しますが以下のとおりと推定されます。 また、日本国内における大谷翔平選手の直接効果は、以下のように推定されます。 その結果、大谷選手の2022年から2023年にかけての直接効果は、日米合計で約211億6,176万円となります。 この直接効果を産業連関分析して経済効果を計算すると、約457億941万円となりました。2021年の経済効果が約227億2,074万円であったことを思えば、約2倍の経済効果です。 日本では、セ・リーグで王選手のホームラン日本人記録を破り、最年少で三冠王を獲得した村上宗隆選手の大活躍などで独走して優勝をした、「ヤクルトの優勝の経済効果」が約451億4,184万円であったことを思えば、大谷選手はたった1人でその金額を上回る経済効果を創り出したことになります。 私たちは大谷選手と同時代に生を受けて、大谷選手の活躍を見ることができる幸運を喜びたいと思います。新型コロナ、ロシアのウクライナ侵攻、物価の上昇など暗い話題ばかりの中で、1つの大きな明るい話題、清涼剤である大谷選手の活躍に感謝したいものです。   2 市民マラソンの経済効果 暑い夏が過ぎて気候がよくなると、日本ではマラソンの季節になります。2007年に第1回の「東京マラソン」が開催されましたが、それまでの国内のマラソン大会は有名マラソン選手が中心になり、それにマラソン自慢の一般市民が参加する形のマラソン大会でした。しかし、「東京マラソン」によって一般市民が大勢主役となって参加する市民マラソンが日本中に広がっていきました。 その理由は以下のとおりです。   3 全国の市民マラソン大会 現在、日本における市民マラソン大会は大小合わせて500前後あると言われています。一番規模の大きいものは東京マラソンですが、株式会社計測工房の2020年3月30日発表の「市民マラソン参加人数ランキング」によると、参加人数が3万人以上の大会は「東京マラソン」と「大阪マラソン」の2つであり、2万人~3万人未満の大会は「横浜マラソン」など8大会です。 そして、1万人以上2万人未満の大会は「つくばマラソン」など57大会、5,000人以上1万人未満の大会は「フロストバイトロードレース」など97大会があると述べられています。つまり、参加人数5,000人以上の市民マラソン大会は160~170と考えられます。さらに、参加者数2,000人以上5,000人未満の大会は約300大会と考えられています。 2020年度、2021年度は、新型コロナの影響などで全国の市民マラソンの多くが中止、延期、又は規模縮小での開催となりました。前述のように、市民マラソンは少額の費用で大きな経済効果をもたらし、さらに地域の知名度を上げて、地域の活性化に貢献するスポーツイベントですので、「ウィズコロナ」の中で2022年度は多くの地方自治体が市民マラソンを再開する予定です。 しかし、今年度開催される市民マラソンは、新型コロナ流行前の規模に急に戻るということは考えられません。やはり、新型コロナ、ロシアのウクライナ侵攻、国内のインフレの進行などの社会、経済、政治問題などが、今年度の市民マラソン開催にマイナスの影響を及ぼすからでしょうか。   4 2020年度の市民マラソンの経済効果 筆者は、2020年度に通常の形で全国の市民マラソンが開催されたらどれだけの経済効果になるかについて新型コロナ前の数値を基にして推計を試みました。推計の結果は以下のとおりでした。 以上の市民マラソンの経済効果を計算すると約7,123億円となりました。 つまり、2020年度に全国で市民マラソンがすべて開催されれば、合計約7,123億円の経済効果があったことになります。   5 大阪マラソンの経済効果 筆者はたびたび大阪マラソンの経済効果を計算してきているので、2022年度の「第11回大阪マラソン」の経済効果についても大阪マラソン組織委員会から入手したデータを基にして推計を行いました。 大阪マラソン組織委員会の話では、例年に比べて応募者、スポンサー、募金額などは激減し、沿道の観客もかなり減少するとの予想でした。計算の詳細は省略しますが、それらのデータに基づいて推計すると、2022年度の大阪マラソンの経済効果は98億7,900万円になり、新型コロナ前の2019年の177億4,900万円の約55.7%にとどまりました。   6 2022年度の市民マラソンの経済効果 2022年度の大阪マラソンの経済効果の比率を参考にすると、2022年度の全国の市民マラソンの経済効果は約3,968億円になりました。 2022年度の市民マラソンの経済効果は新型コロナ前と比べると、かなり少ない約3,968億円になりましたが、市民マラソンは地域の活性化、知名度の向上に貢献するスポーツイベントですので、来年度は新型コロナ前の水準に戻り、開催地が活性化することを期待しています。 (了)

#No. 496(掲載号)
#宮本 勝浩
2022/11/24

《速報解説》 国税庁からグループ通算制度適用法人用の申告書別表等の記載例が公表される~同日、令和4年度税制改正に係る法基通等の一部改正についての趣旨説明も明らかに~

 《速報解説》 国税庁からグループ通算制度適用法人用の申告書別表等の記載例が公表される ~同日、令和4年度税制改正に係る法基通等の一部改正についての趣旨説明も明らかに~   公認会計士・税理士 税理士法人トラスト 足立 好幸   令和4年11月11日に、国税庁から「申告書別表の記載例(グループ通算制度適用法人用)」、「「欠損金の繰戻しによる還付請求書」及び「災害損失の繰戻しによる還付請求書」の記載例(グループ通算制度適用法人用)」が公表された。 グループ通算制度は、通算グループ内の各法人を納税単位として、各法人が個別に法人税額等の計算及び申告を行い、その中で、損益通算等の調整を行う制度であるため、通算法人(通算グループ内の各法人)が申告に当たって作成する法人税申告書別表のうち一定のものについては、通算グループ内の他の法人の法人税申告書別表に記載する金額を集計等する必要がある。 そのため、この記載例は、通算法人が作成する法人税申告書別表に記載すべき各金額について、そのつながりや対応関係を明らかにして、グループ通算制度への理解や適正申告の一助となることを目的に公表されている。 また、それとは別に、令和4年度税制改正に伴って改正された法人税基本通達について「令和4年6月24日付課法2-14ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明」が公表された。 以下、公表されたそれぞれの情報のポイントを紹介する。   1 申告書別表の記載例(グループ通算制度適用法人用) 「申告書別表の記載例(グループ通算制度適用法人用)」(以下「別表記載例」という)は、次の通算制度特有の取扱いに係る別表の記載例を示している。 各項目の構成については、記載例の解説の前段として、制度の仕組み、主要別表の作成の目的と使用イメージの解説も行われている。 ここでは、損益通算に係る別表の記載例を紹介することとする。 ※画像をクリックすると出典元である国税庁ホームページに遷移します(以降の画像も同様)。 (出典) 国税庁ホームページ(以降の画像も同様)   2 「欠損金の繰戻しによる還付請求書」及び「災害損失の繰戻しによる還付請求書」の記載例(グループ通算制度適用法人用) 「「欠損金の繰戻しによる還付請求書」及び「災害損失の繰戻しによる還付請求書」の記載例(グループ通算制度適用法人用)」(以下「還付請求書記載例」という)は、次の3つの事例について、「欠損金の繰戻しによる還付請求書」「通算法人の繰戻しの対象となる欠損金額とされる金額に関する明細書」「災害損失の繰戻しによる還付請求書」「通算法人の繰戻しの対象となる災害損失欠損金額とされる金額に関する明細書」「令和2年改正法附則第35条第2項の適用を受ける場合の還付所得事業年度の所得金額とされる金額及び法人税額とされる金額に関する明細書」の記載例を示している。また、別表1、別表4、別表7関係、別表7の3など関連する別表の記載例を示している。   3 令和4年6月24日付課法2-14ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明 「令和4年6月24日付課法2-14ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明」(以下「趣旨説明」という)では、次の新設された通達について趣旨説明が行われている。 (1) グループ通算制度における投資簿価修正制度 このうち注目しておきたい点について紹介しておきたい。 ◎ 【新設】2-3-21の4(資産調整勘定対応金額等の計算が困難な場合の取扱い) 本通達では、投資簿価修正における資産調整勘定対応金額等の加算措置を適用する場合において、資産調整勘定対応金額又は負債調整勘定対応金額の計算が困難なときは、課税上弊害がない場合に限って、その取得の時において計算される資産調整勘定対応金額又は負債調整勘定対応金額を零とし、その取得後に追加取得した当該他の通算法人の対象株式で資産調整勘定対応金額又は負債調整勘定対応金額の計算が困難であると認められる場合以外のものについて各追加取得の時における資産調整勘定対応金額又は負債調整勘定対応金額を計算して加算措置の適用を受けることができる取扱いを定めている。 趣旨説明では「当該他の通算法人の対象株式は、通算完全支配関係発生日までに段階的に取得される場合があり、取得の初期段階における株式の保有割合が低い又は株式の取得時期が古いなどの理由により、対象株式の取得時における調整勘定対応金額の計算が困難な場合がある。例えば、当該他の通算法人の対象株式の取得時において当該他の通算法人が有する資産若しくは負債の内訳が不明である場合、その取得時に当該資産若しくは負債の時価評価をしておらず改めて時価評価をするための基礎資料もない場合又はその取得時における対象株式の取得価額若しくは当該他の通算法人の発行済株式総数を把握できない場合などが考えられる。」としている。 また「本通達は、上記4のような事情を考慮した取扱いであるから、意図的に調整勘定対応金額を零とすることにより課税上の弊害が認められるような場合には、本通達の取扱いの適用はないこととなる。例えば、本通達の注書1に定めるように、対象株式の取得時に調整勘定対応金額を計算した場合には負債調整勘定対応金額が計算される(つまり、簿価純資産価額に加算できる調整勘定対応金額の合計額が減少する)ことが見込まれるため、これを零としているような場合には、課税上の弊害が認められるため本通達の取扱いの適用はないこととなる。」ことを改めて説明している。 ◎ 【新設】2-3-21の6(資産調整勘定対応金額等の計算における負債調整勘定の金額の取扱い) 本通達の定めである「資産調整勘定対応金額又は負債調整勘定対応金額の計算上、時価純資産価額の計算の基礎となる負債の額には退職給与債務引受額及び短期重要債務見込額の金額を含まないこと」について、図表を交えて趣旨を説明している。 また、「時価純資産価額の計算の基礎となる当該他の通算法人の有する負債の額とは、税務上の負債の額をいうのであるから、例えば、賞与引当金など繰入額の損金算入が認められない引当金の額は含まない」ことが説明されている。 ◎ 【新設】2-3-21の7(資産調整勘定対応金額等の計算の基礎となる資産及び負債) 本通達では、資産調整勘定対応金額又は負債調整勘定対応金額について、例えば、その取得した時の直前の月次決算期間又は会計期間の終了の日に当該他の通算法人が有する資産及び負債の同日における価額を基礎として計算している場合には、同日に有する資産及び負債の内訳とその対象株式の取得時に有する資産及び負債の内訳に著しい差異があるなどの課税上弊害がない限り、これを認める」ことを定めている。 この点について、次の趣旨説明がなされている(以下、抜粋したものを一部加工)。 (2) グループ通算制度における外国税額控除制度 このうち注目しておきたい点について紹介しておきたい。 ◎ 【新設】16-3-50(隠蔽又は仮装により当初申告税額控除額固定措置が適用されない場合) 本通達では、法人税法第 69 条第 16 項の当初申告税額控除額固定解除措置が適用される場合のうち、通算法人又は他の通算法人が、適用事業年度における税額控除額の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装して税額控除額を増加させることによりその法人税の負担を減少させ、又は減少させようとする場合(法 69⑯一)について、例示的に明らかにしている。 この点について、次の趣旨説明がなされている(以下、抜粋したものを一部加工)。 ◎ 【新設】16-3-51(進行年度調整規定の適用に係る対象事業年度の意義等) 本通達の(1)では、法人税法第 69 条第 18 項又は第 19 項の進行年度調整措置が適用される対象事業年度とはいかなる事業年度をいうのかを明らかにしている。また、(2)においては、国税通則法における除斥期間との関係を踏まえて進行年度調整措置が適用される期限について明らかにしている。 趣旨説明では『本通達(1)では、その異なること(以下「相違事実」という)が判明した日(以下「判明日」という)の属する事業年度を対象事業年度として進行年度調整措置を適用するのが相当であることを原則として定めているが、他方で、「相違事実が判明した日」とするのみでは、客観性に欠け、進行年度調整措置の適用関係が不安定となるため、本通達の(1)では、具体的な判明日を明らかにしている。』(趣旨説明を一部加工)とし、相違事実がある場合の処分等の区分に応じた各手続と判明日の例をまとめた次の図表を示している。 また、本文(1)の注書について、「例えば、3月決算である通算法人が、X年3月期の税額控除額について、X1年4月1日からX1年3月期の法定申告期限(申告期限が2月延長されている場合はX1年7月末日)までの間に誤りがあることが判明した場合には、判明日の属する事業年度であるX2年3月期ではなく、X1年3月期を対象事業年度として早期に進行年度調整を行うことを望む法人もあると考えられるところ、過去適用事業年度の誤りを可及的速やかに是正することに特段の弊害もないことから、法人がこのような処理を行う場合には、そのような処理も可能であることを明らかにしている。」としてその例示と趣旨を説明している。 (了) ↓お勧め連載記事↓

#足立 好幸
2022/11/18
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