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包括的租税回避防止規定の理論と解釈 【第21回】「実質主義②」

包括的租税回避防止規定の 理論と解釈 【第21回】 「実質主義②」   公認会計士 佐藤 信祐   前回では、実質主義の定義を示すとともに、東京高裁昭和47年4月25日判決について解説を行った。本判決以降は、経済的実質主義は認められない傾向が強くなったと言われているが、その後、どのような判決が下されていったのかについて解説を行うこととする。   3 東京高裁平成11年6月21日判決(TAINSコード:Z243-8431) (1) 事実の概要 本事件は、所得税関係においては、原告及び被相続人が所有していた土地等の譲渡所得の計算における譲渡収入金額の計算が、相続税関係においては、被相続人の相続財産のうち租税特別措置法69条の4に規定する相続開始前3年以内に取得した土地等に係る評価の特例が適用される土地等の取得価額がそれぞれ争われた事件である。 本事件の内容は複雑であるが、原告らから訴外法人に対して7億3,313万円で不動産を譲渡し、同日、訴外法人から原告らに対して4億3,400万円で譲渡し、差額の2億9913万円が訴外法人から原告らに対して支払われた。この点につき、課税当局が補足金付交換契約であるとして争った事件であると理解しておけば十分であろう。そのため、相続税関係においては、時価についての争いもなされているが、本稿においてはその部分についての解説を省略するものとする。 なお、平成15年6月13日にて、最高裁から上告不受理の決定がなされている(TAINSコード:Z253-9367)。 (2) 第一審(東京地裁平成10年5月13日判決・TAINSコード:Z232-8161) (3) 控訴審 (4) 評釈 このように、第一審では、経済的実質主義による補足金付交換契約であるという主張が認められたが、控訴審は認められなかった。さらに、控訴審では、 とまで認定している。 このように、税負担を軽減する意図があったとしても、経済的実質主義による修正は認められないとした点は注目に値する。無論、税負担の軽減の意図は、裁判所や課税庁に対して租税回避が行われたことを疑わせるに十分な心証を与えるものであるが、十分な証拠も無く、法形式を引き直すことは認められないというべきであろう。 これに対し、法的実質主義による法形式の引き直しは認められているという点には留意が必要である。すなわち、仮装取引、通謀虚偽表示に該当する事案であれば、課税庁の主張が認められた可能性が高いということが言える。ただし、本事件では、そのような事情が認められなかったことから、納税者の主張が認められる結果となっている。 次回では、大阪高裁平成14年10月10日判決について解説を行う予定である。 (了)

#No. 182(掲載号)
#佐藤 信祐
2016/08/25

〈業種別〉会計不正の傾向と防止策 【第1回】「自動車部品製造業」

〈業種別〉 会計不正の傾向と防止策 【第1回】 「自動車部品製造業」   公認会計士・税理士 中谷 敏久     どのような業種業態か? 自動車部品製造業は自動車産業の中では“サプライヤー”と呼ばれ、トヨタ、日産、ホンダなど日本を代表するメーカーに部品を供給している。 メーカーは国内外の競争に打ち勝つため徹底したコスト管理をしており、サプライヤーも当然のごとく毎年コスト削減が求められる。それに対応すべく生産設備の新規導入や生産体制の見直し改善が実施され、また、国外に安い労働力を求めて、東南アジア等に現地子会社を設立し、当該工場から現地のメーカーに部品を供給する体制を敷いているサプライヤーは多い。 ただし、このような生産効率が優先されるあまり、間接コストとしての経理事務作業は軽視され、対応が後手に回るケースが多いのも現状である。   どのような不正が起こりやすいか? メーカーから絶えず品質面及びコスト面で高いレベルを要求されるため、必然的に生産管理体制の構築は社内の優先目標のひとつとなる。また、計数管理手法として管理会計が重要視され、原価計算及び損益管理に関する会計情報には関心を持つが、逆に過去情報としての財務会計には無関心である経営者は少なくない。 そのため、業容拡大によって事務量が増加しているにもかかわらず、生産活動に支障をきたさないということでその対策を怠り、旧態依然として手作業によって会計情報を集計しているケースが見受けられる。 ここに会計不正が発生する原因がある。 不正が発生する項目は会社によってまちまちであるが、一般的に生産ラインと結びついた会計情報からは発生しにくい。なぜなら、これらの会計情報に不正情報が含まれるとすると、生産活動が混乱する可能性があるからである。 例えば、売上高、材料仕入高、外注加工費、棚卸資産といった項目は不正が発生しにくい。それに対して、固定資産の取得、移動、除却、売却に関する処理は不正リスクが高くなる。なぜなら、生産に必要な固定資産が実在し現実に稼働していれば、たとえそれらに関して不正な会計処理がなされていたとしても、生産活動には全く影響がないからである。   事例検証 平成21年3月10日に公表されたフタバ産業(株)(東証1部)の不正事例を紹介する。 社内調査委員会の調査報告書によると、下記に示すような固定資産に関する不正な会計処理が長期間にわたって行われていた。 ①については、量産開始後は国内生産用金型・設備等について建設仮勘定から本勘定へ振替すべきところ、量産開始後も建設仮勘定のまま計上し、減価償却を失念したというものである。 金型・設備等の製作については外製の場合と内製の場合とがあるが、どちらの場合においても発注段階でオーダーナンバーを設定し、そのナンバーをキーにして検収処理、建設仮勘定への計上、本勘定への振替を行うケースが実務上多い。 調査報告書によると、オーダーナンバーの付け方の要領書が難解で、誰にでも容易に間違いなく付番できるものではなかったとされている。 ②については、一見すると仕掛品の処理であり、固定資産に関するものではないように見られるが、そうではない。海外子会社に売却する金型・設備等ということで仕掛品勘定を用いただけであり、実態は金型・設備等という固定資産そのものである。 海外子会社に金型・設備等を輸出する場合、実務上は輸出手続としてパッキングリストが作成され、船積みされるまでの間、海運業者の倉庫に保管される。したがって、一般的には輸出売上に対応する売上原価の把握はそれほど難しいものではないが、調査報告書によると、仕掛品から売上原価に振り替えるために必要な作番(設備ごとの材料・部品の通し番号)の付け方の要領書が難解で、誰にでも容易に間違いなく付番できるものではなかったとされている。 ③の「据付調整費」とは、金型・設備等の性能確認・調整等の費用であり、機械装置の取得原価に加算するか、あるいは「生産能率の向上又は生産計画の変更等により、設備の大規模な配置替を行った場合等の費用」(財務諸表等規則ガイドライン36項5号)として、繰延資産である開発費に計上する。 しかし、今回のケースは、その処理を裏付ける会計証憑が保存されていないにもかかわらず、建設仮勘定に計上するという不正な会計処理がなされたものである。 *  *  * これらの不正会計が発生した原因として、調査報告書では、国内需要の急速な拡大、海外への急速な進出、工場改革計画の遂行による急速な投資の実行により、従来の業務フローでは対応できないほど業務量が拡大したにもかかわらず、経理部等の管理部門の効率化が思うように進まず、金型製造部門及び購買部門との連絡体制に不備が生じたためとしており、今回の不正な会計処理が意図的に行われたものではないとしている。 ただし、意図的でないにしても、総額700億円を超える不正会計が長い間修正されることなく放置されてきたことは不思議でならない。   不正の防止策 前半で述べたように、この業種では、業容拡大によって事務量が増加しているにもかかわらず、生産活動に支障をきたさないということでその対策を怠り、旧態依然として手作業によって会計情報を集計している場合に、会計不正が発生しやすい。固定資産の取得、移動、除却、売却に関する会計情報の集計には、システム化されてはいるものの、売上高等の生産ラインと結びついた会計情報のそれと比べると、手作業の感が否めないケースが少なくない。 このような手作業に起因する会計不正を防止するためには、内部統制を強化することが必要である。ただし、単にチェック人員を増加させるだけでは不十分であり、社内でどのような取引が発生しているのか、実務担当者が取引実態を正確に把握すべきであろう。 そして、その取引実態の把握に基づいて会計情報の集計手続を標準化することが求められる。   同様の不正が起こりうる業種業態は? 製造業は、製品を生産するために金型・設備等に多額の投資を必要とする。特に、需要の変化に対応するために絶えず生産体制の見直しを求められる業界にあっては、金型・設備等の動きが激しい。ある意味で固定資産が流動資産化しており、同様の不正が起こりうる可能性が高いと言える。 (了)

#No. 182(掲載号)
#中谷 敏久
2016/08/25

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第29回】「金利スワップの特例処理」

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第29回】 「金利スワップの特例処理」   仰星監査法人 公認会計士 西田 友洋   【はじめに】 今回は、金利スワップの特例処理について解説する。 一般事業会社において、金利スワップは、変動金利の借り入れに対して、金利を固定化するために、利用するケースが多い。 金利スワップの特例処理とは、「資産又は負債に係る金利の受払条件を変換することを目的として利用されている金利スワップが金利変換の対象となる資産又は負債とヘッジ会計の要件を充たしており、かつ、その想定元本、利息の受払条件(利率、利息の受払日等)及び契約期間が当該資産又は負債とほぼ同一である場合には、金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等を当該資産又は負債に係る利息に加減して処理することができる」会計処理をいう(会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針(以下、「実務指針」という)」177)。 金利スワップの特例処理は、金融商品会計基準の基本原則であるデリバティブの時価評価に例外を設けるものであることから、拡張解釈を避け、金利スワップがヘッジ対象たる資産又は負債とほとんど一体とみなせる場合に限られている(実務指針346)。なお、売買目的有価証券及びその他有価証券は特例処理の対象としない(実務指針178)。 ※各ステップをクリックすると、それぞれのページに移動します。 ※画像をクリックすると、別ページでPDFが開きます。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 金利スワップの特例処理を適用するには、ヘッジ会計の要件を充たしている必要がある。具体的には、本連載の【第27回】「デリバティブ」の【STEP3】で解説した、以下の要件を充たす必要がある。 これらの要件を充たす場合、【STEP2】を検討する。充たさない場合、金利スワップを時価評価し、評価差額は、当期の純損益として処理する(【第27回】【STEP2】参照。実務指針101)。 なお、ヘッジ会計の要件としては、他にもヘッジ有効性の評価方法の明確化(【第27回】【STEP3】(1)③参照)、事後テスト(【第27回】【STEP3】(2)参照)の要件があるが、以下の【STEP2】から【STEP7】の要件を充たせば、ヘッジ有効性の判定の要件は自動的に充たされることから、以下の【STEP2】から【STEP7】の要件を充たすものについては、改めて有効性判定を行う必要はない(実務指針346)。そのため、ヘッジ有効性の判定の要件は、上記の(1)から(3)の要件には含めない。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 【STEP2】から【STEP7】では、金利スワップ特例処理の特有の要件を検討する。 まず、金利スワップの想定元本と貸借対照表上の対象資産又は負債の元本金額がほぼ一致しているか(実務指針178)、検討する。 金利スワップの想定元本と対象となる資産又は負債の元本については、いずれかの5%以内の差異であれば、ほぼ同一であると考えることができる(実務指針178)。 ほぼ一致している場合、【STEP3】を検討する。ほぼ一致していない場合、ヘッジ有効性の判定(【第27回】【STEP3】(1)③及び(2)参照)の要件を充たせば、ヘッジ会計を適用する。充たさない場合、時価評価し、評価差額は、当期の純損益として処理する(実務指針101)。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 金利スワップの契約期間とヘッジ対象資産又は負債の満期がほぼ一致しているか(実務指針178)、検討する。 契約期間と満期の差異日数が金利スワップの契約期間とヘッジ対象資産又は負債の満期のいずれかの5%以内であればほぼ一致していると考えられる。したがって、10年の金利スワップであれば6ヶ月、5年の金利スワップであれば3ヶ月の差異まではほぼ一致と考えてよい(金融商品会計に関するQ&A(以下、「Q&A」という)Q58)。 ほぼ一致している場合、【STEP4】を検討する。ほぼ一致していない場合、ヘッジ有効性の判定(【第27回】【STEP3】(1)③及び(2)参照)の要件を充たせば、ヘッジ会計を適用する。充たさない場合、時価評価し、評価差額は、当期の純損益として処理する(実務指針101)。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 対象となる資産又は負債の金利が変動金利である場合には、その基礎となっているインデックスが金利スワップで受払される変動金利の基礎となっているインデックスとほぼ一致しているか(実務指針178)、検討する。 例えば、3ヶ月TIBORと3ヶ月LIBORは比較的高い相関関係を示すことが多いと考えられるが、自動的に「ほぼ一致」とするのではなく、ヘッジ取引開始時の直近の状況により「ほぼ一致」かどうかを判定すべきものと考えられる。直近の一定期間について両者が高い相関関係を示していることが確認されている場合には、ほぼ一致しているものとして扱うことができる。 なお、プライムレートとTIBOR又はLIBORの関係については、TIBORやLIBORが時々刻々と変化するのに対して、プライムレートは一定期間変化しないのが通常であり、事前にほぼ一致と判定することはできないものと考えられるので、特例処理の対象とはならない(Q&A Q58)。 ほぼ一致している場合、【STEP5】を検討する。ほぼ一致していない場合、ヘッジ有効性の判定(【第27回】【STEP3】(1)③及び(2)参照)の要件を充たせば、ヘッジ会計を適用する。充たさない場合、時価評価し、評価差額は、当期の純損益として処理する(実務指針101)。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 金利スワップの金利改定のインターバル及び金利改定日がヘッジ対象の資産又は負債とほぼ一致しているか(実務指針178)、検討する。 金利取引は3ヶ月を単位として行われることが比較的多いため、金利改定日及びインターバルの差異は最大でも3ヶ月以内でなければ、ほぼ一致しているとは言えないと考えられる(Q&A Q58)。 ほぼ一致している場合、【STEP6】を検討する。ほぼ一致していない場合、ヘッジ有効性の判定(【第27回】【STEP3】(1)③及び(2)参照)の要件を充たせば、ヘッジ会計を適用する。充たさない場合、時価評価し、評価差額は、当期の純損益として処理する(実務指針101)。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 金利スワップの受払条件がスワップ期間を通して一定である(同一の固定金利及び変動金利のインデックスがスワップ期間を通して使用されている)か(実務指針178)、検討する。 一定である場合、【STEP7】を検討する。一定でない場合、ヘッジ有効性の判定(【第27回】【STEP3】(1)③及び(2)参照)の要件を充たせば、ヘッジ会計を適用する。充たさない場合、時価評価し、評価差額は、当期の純損益として処理する(実務指針101)。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 金利スワップに期限前解約オプション、支払金利のフロアー又は受取金利のキャップが存在する場合、以下を検討する。存在しない場合には、【STEP8】を検討する。 金利スワップに期限前解約オプション、支払金利のフロアー又は受取金利のキャップが存在する場合、ヘッジ対象の資産又は負債に含まれた同等の条件を相殺するためのものであるか(実務指針178)、検討する。 同等の条件を相殺するためのものである場合、【STEP8】を検討する。同等の条件を相殺するためのものでない場合、ヘッジ有効性の判定(【第27回】【STEP3】(1)③及び(2)参照)の要件を充たせば、ヘッジ会計を適用する。充たさない場合、時価評価し、評価差額は、当期の純損益として処理する(実務指針101)。 金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等をヘッジ対象の資産又は負債に係る利息に加減して処理することができる(実務指針177)。 《設例》 X2年3月期の会計処理は、以下のとおりである。 【X1年4月1日(借り入れ及び金利スワップ契約締結日)】 【X1年9月30日(利払日)】 (※1) 10,000×(6ヶ月TIBOR1%+0.2%)×1/2=60 (※2) 10,000×(6ヶ月TIBOR1%+0.2%)×1/2=60 (※3) 10,000×1%×1/2=50 【X2年3月31日(利払日及び決算日)】 (※1) 10,000×(6ヶ月TIBOR0.7%+0.2%)×1/2=45 (※2) 10,000×(6ヶ月TIBOR0.7%+0.2%)×1/2=45 (※3) 10,000×1%×1/2=50 ※金利スワップの時価評価は行わない。 *   *   * 以上、8つのステップをまとめたフロー・チャートを再掲する。 ※画像をクリックすると、別ページでPDFが開きます。 (了)

#No. 182(掲載号)
#西田 友洋
2016/08/25

被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔会計面のアドバイス〕 【第6回】「繰延税金資産の回収可能性への影響」

被災したクライアント企業への 実務支援のポイント 〔会計面のアドバイス〕 【第6回】 「繰延税金資産の回収可能性への影響」   公認会計士 深谷 玲子   1 災害が繰延税金資産の回収可能性に及ぼす影響 棚卸資産や有形固定資産等と異なり、繰延税金資産については実体がない。したがって、大地震や集中豪雨などの災害により法人が被災しても、繰延税金資産については物理的な損壊は生じない。 しかしながら、繰延税金資産は回収可能性に応じて計上されるものであるため、災害がその回収可能性に影響を与える場合には、繰延税金資産の計上額にも影響が及ぶことになる。 災害が「繰延税金資産の回収可能性」に与える影響を考えるにあたり、留意すべき主なポイントは、以下の3点である。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 以下、この3つのポイントに絞って、 について見ていくこととする。 《ポイント1》 税効果会計における「企業分類」の見直しが必要かどうか検討 法人は、災害の程度を踏まえ、企業分類を見直す必要があるか検討する必要がある。 平常時においても各法人は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づいた企業分類により繰延税金資産の回収可能性を判断していることであろう。災害時においては、より慎重に判断しなければならない。 (1) 企業分類の見直しが繰延税金資産の回収可能性に影響を及ぼすのはなぜか まず、企業分類の見直しが繰延税金資産の回収可能性に影響する流れを、ごく単純にしたモデルで示す。単純化モデルのため、企業分類以外の諸要因はすべて考慮外として見てもらいたい。 〈企業分類と回収可能性のイメージ図〉 企業分類が変更されると、繰延税金資産の回収可能性があると認められる年度の範囲が変化する。そのため、企業分類の変更は、繰延税金資産の回収可能性に重大な影響を及ぼす。 (2) 災害時において特に留意すべき点 災害による損失は、一般に「臨時的な原因により生じたもの」と判断され、企業分類上考慮外とされる。しかし、災害自体は臨時的であっても、その影響は将来にわたる可能性が高い。したがって、適用指針で考慮することが求められている「経営環境に著しい変化」が見込まれる可能性を考えなければならない(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針第15項から32項)。 企業分類は、過去及び当期の課税所得により機械的に変更するのではなく、過去・現在・将来を総合的に勘案して決定する必要がある。 《ポイント2》 被災状況に応じて将来の業績予測を変更する必要性 災害という環境の変化を受け、災害の程度に応じて、法人は将来の業績予測を変更する必要がある。 (1) 将来の業績予測の変更が繰延税金資産の回収可能性に影響を及ぼすのはなぜか まず、将来の業績予測の変更が繰延税金資産の回収可能性に影響する流れを、ごく単純にしたモデルで示す。単純化モデルのため極端な設定となっているが、将来の業績予測の変更以外の諸要因はすべて考慮外として見てもらいたい。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 繰延税金資産は、将来の税金負担額を軽減する効果を有しているものである。その軽減効果に応じて、将来の回収可能性が検討され、その計上額が決定される。そこには、将来についての見通しがなされた上での回収可能性の判断であり、将来の業績予測が変化すれば繰延税金資産の回収可能性も変化する。そのため、将来業績予測の変更は、繰延税金資産の回収可能性に重大な影響を及ぼす。 (2) 災害時において特に留意すべき点 災害時には、平常時よりも、将来の業績予測が非常に困難となる。災害により直接的に大きな損害を受けている場合はもちろんのこと、取引先の被災状況により間接的に影響を受ける場合もある。より大きな経営環境として「災害後の経済社会」という影響も考慮しなければならない。 そのような中でも、災害という特殊な外部要因と、過去、現在及び将来の企業内部データを踏まえて整合的に、実現可能であると合理的な根拠をもって示すことのできる将来の業績予測を作成することが必要である。 繰り返しになるが、この将来の業績予測は企業分類を見直す際に考慮すべきポイントでもある。 《ポイント3》 災害に関する特別な税制の施行への対応 大規模な災害になると、国税庁からの個別通達や、特例的な税制を定めた特例法が施行される可能性が高い。 (1) 災害に関する特別な税制の施行が繰延税金資産の回収可能性に影響を及ぼすのはなぜか 例えば、2011年3月の東日本大震災においては、翌4月に震災特例法(東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律)が施行されている。これにより、災害損失特別勘定への繰入額の損金算入が認められ、これに係る将来減算一時差異が発生しないこととなった。また、震災損失の繰戻しによる法人税額の還付も中小企業に限らず認められたため、適用する場合には繰延税金資産の回収可能性の判断時において考慮が必要であった。 その後2011年12月には、「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」及び「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」(以下、あわせて「改正法人税法等」という)が公布されている。その結果、法定実効税率が変更になったため、直接的に被災した企業のみならず、税効果会計を適用するすべての企業に影響が及んだ。 (2) 災害時において特に留意すべき点 税効果会計では、その対象となる税制の変更に対し会計上適切に対応する必要がある。企業を取り巻く税制の動きに対して、その都度、適切に会計上の対応をしていく必要があるため、常に情報収集に努められたい。   2 翌期以降の対応 繰延税金資産については、将来の回収の見込みについて毎期見直しを行わなければならない(税効果会計に係る会計基準第二 二1項)。 よって、災害の翌期以降においても当然に、繰延税金資産の回収可能性についての見直しを行う。 この時、当該災害が、「臨時的な原因により生じたもの」で終わると判断される場合もあれば、将来にわたり続くと判断される場合もあるだろう。災害後1年を経れば法人の将来の業績予測も変更される。仮に災害直後の期における将来の業績予測とは大きく異なる業績予測になったとしても、予測時点で入手可能な最新の情報に基づき、その都度判断していくことになる。 (了)

#No. 182(掲載号)
#深谷 玲子
2016/08/25

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第48回】株式会社テクノメディカ「第三者委員会調査報告書(平成28年6月23日付)」

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第48回】 株式会社テクノメディカ 「第三者委員会調査報告書(平成28年6月23日付)」   税理士・公認不正検査士(CFE) 米澤 勝   【第三者委員会の概要】   【株式会社テクノメディカの概要】 株式会社テクノメディカ(以下「TMC」と略称する)は、1987(昭和62)年設立。臨床検査用分析装置及び医療機器の研究開発、製造、販売を主たる業務としている。売上高9,519百万円、経常利益2,323百万円。従業員数189名(数字はいずれも平成27年3月期)。本店所在地は神奈川県横浜市都筑区。東京証券取引所一部上場。   【調査委員会報告書の概要】 1 不適切な会計処理が発覚した経緯 TMCの平成28年3月期に係る会計監査において、TMCの会計監査人である有限責任監査法人トーマツは、TMCの主力製品である採血管準備装置に係る売上取引に関し、従前からの説明と異なる取引の実態の可能性を把握したため、TMCに対して当該売上取引に係る実態の説明を求めたが、これに対する回答を踏まえても、不適切な会計処理がなされている疑いが払拭できなかったため、平成28年4月23日に、TMCに対して、第三者委員会による当該売上取引の実態に関する調査の実施を求めたものである。 なお、採血管準備装置の売上高は4,535百万円で、TMCの売上高全体に占める比率は47.6%となっている(平成27年3月期実績)。   2 不適切な会計処理の概要 第三者委員会による調査の結果、判明した不適切な会計処理は、大別して、売上高の前倒し計上、売上高の架空計上及び売掛金の回収偽装の3種類であった。 (1) 売上高の前倒し計上 TMCでは売上計上基準として「出荷基準」を採用しているところ、採血管準備装置の売上取引の一部に関して、実際にはエンドユーザーである病院等に納品していないにもかかわらず、TMCの直接の販売先である顧客(仲介業者)の検収を受けたかのような外観を作出することにより、売上高の前倒し計上を行っていた。 また、ITソリューション部における売上計上の一部に、検収書を偽造して売上計上を行い、あるいは、顧客との合意に基づき、検収書等を取得して前倒しで売上計上していたケースが発見されている。 さらに、海外取引においても、船荷証券等を偽造して、売上の前倒し計上及び架空計上が行われていた。 (2) 売上高の架空計上 売上高の架空計上としては、上記(1)の海外取引以外にも、TMCの発行済み株式の3.12%を所有している関連当事者である株式会社オートニクス(調査報告書における表記は「A社」。以下、「A社」で統一する)との取引に関する不適切な会計処理が指摘されている。 A社との取引は、TMCにおいて破談となった取引に係る製品等をA社に販売したこととし(架空売上の計上)、一方、A社に対して研究開発などの業務委託を行うことによって債務を生じさせ、これを架空売上による売掛金を相殺する(売掛金の回収偽装)ことにより、不正な売上計上を隠蔽したものである。   3 不適切な会計処理に至った背景と目的 (1) 東証2部への上場と会長による経営方針 第三者委員会は、売上の前倒し計上の始期として平成19年3月期以前と認定し、これは、TMCが東京証券取引所第2部への上場準備と時期と同じくしていることから、「計画した予算の達成が強く意識されるようになった」ことを挙げている。 また、創業者である代表取締役会長の實吉繁幸氏(以下「会長」と略称する)による経営方針の一つとして、「会社が存続するためには、毎期、増収増益でなければならない」という考えがあり、会議における会長の発言により、こうした方針は全社的に共有されていたことを、多くのヒアリング対象者が供述している。 (2) 野田哲常務取締役の役割 こうした会長の経営方針を受け、不適切な会計処理指揮したのは、発覚当時、常務取締役経営管理部長兼経営企画室長の要職にあった野田哲氏(以下「野田常務」と略称する)であった。 略歴によれば、野田常務は、平成15年1月、メインバンクからTMCに入社し、TMCが株式を店頭登録から上場へ、東証一部への指定替えを果たす中、経営企画室長としてその中心的な役割を担ってきたことがうかがえる。 野田常務は、売上の前倒し計上の根拠である「検収確認書兼受領書」を制度化し、前倒し売上計上に伴い簿外となった製品等を外部倉庫に移動させたうえで、当該外部倉庫の存在を監査法人に知らせないなどの隠蔽工作を主導していた。 また、A社との売上取引の取消しという事態を回避するために、会長とともに、TMCからA社に資金を還流して回収を偽装することを考え、これを実行した。 (3) 田口薫常務取締役の役割 営業本部長でもある田口薫常務取締役(以下「田口常務」と略称する)について、第三者委員会は、売上の前倒し計上が「不適切な会計処理であったとの認識があるとまでは認められない」と評価しているが、「その地位及び職責並びに保有する情報量に鑑みれば、不適切な会計処理が行われていたことを認識するべき立場にあった」としている。 (4) 村元和夫元取締役の役割 平成24年6月まで、取締役経営管理部長の職にあった村元和夫氏(報告書の表記では「a氏」。以下「a氏」で統一する)は、取締役退任後も、TMCの経理部顧問として、会長と野田常務による不適切な会計処理に関与し、監査法人に対して虚偽の説明を行っていたことが判明している。 今回の第三者委員会によるヒアリングに対しても、野田常務とともに、監査法人に対して行ったのと同様の虚偽の説明を行った。 (5) 小山維久元取締役の役割 元取締役で輸出管理室長の小山維久氏(報告書の表記では「b氏」。以下「b氏」で統一する)は、平成10年9月の入社以来、TMCの海外取引の責任者として業務にあたり、平成21年6月からは取締役の職にあった。その後、売上高の前倒し計上及び架空計上の責任をとる形で、平成26年6月における定時株主総会で取締役候補者に選任されず、現在に至っている。 会長及び野田常務は、b氏による架空売上計上の事実を知りながら、これを隠蔽し、売上の取消しなどの会計処理の修正を一切行わなかった。   4 再発防止策 第三者委員会が指摘した問題点とその改善のために提言した再発防止策は4つに大別されている。 (1) 役職員のコンプライアンス意識の醸成 第三者委員会は、会長、野田常務その他不正に関与した者の「規範意識の鈍麻」を最初の問題点として指摘し、「適正な開示を行うことの責務についての認識が完全欠如していた」としたうえで、再発防止策としては、上場会社の取締役として、「証券市場に上場する会社として享受する権利と併せて果たすべき義務」を学び続ける必要がある、としている。 (2) ガバナンス体制の再構築の必要性 次いで、第三者委員会は、創業以来、会長の強いリーダーシップで経営が行われてきたTMCにおいて醸成されてきた企業風土を変革し、組織内常識に対する一定の牽制効果と歪んだ価値観の是正が期待できる社外取締役による監視が必要であるとして、「執行部門を監督できる人材を真摯に選定し、複数の適切な社外取締役を選任すること」をガバナンス体制の再構築として指摘している。 (3) 内部統制制度の再構築の必要性 また、TMCでは、採血管準備装置に係る売上のみならず、他の取引についても、収益認識の時期について、会計記録に関する証憑書類の整備がなされていなかったため、適切な会計処理が行えるような体制の整備・運用が必要である、としている。 (4) 会計制度の意義に係る希薄な意識 不適切な会計処理について、第三者委員会は、「実務上の弊害を生じさせ、企業価値を棄損することになるという意味で、百害あって一利なし」と断じたうえで、TMCの役職員について、「正しい目的を認識し、正しい業務を行うことが企業価値の向上に資する企業活動の大前提であり、また、その結果、不正の予防・早期発見が可能となる」ことから、早急な業務の見直しを行う必要性を指摘している。   【調査報告書の特徴】 過年度における会計監査人による監査を何とかやり過ごしてきたTMCであったが、頻出する会計不正事件の影響もあって、監査法人の監査も厳しさを増している中で、第三者委員会による調査を余儀なくされ、過去における不適切な会計処理が続々と明らかにされた事件であった。   1 「上場会社における不祥事対応のプリンシプル」からの批判 本調査報告書の最大の特徴としては、平成28年2月14日、日本取引所自主規制法人が公表した「上場会社における不祥事対応のプリンシプル」(以下「プリンシプル」と略称する)の趣旨から、第三者委員会が、TMCの調査対応を厳しく批判している点にあろう。 プリンシプルは、「不祥事の根本的な原因の解明」として、以下のような行動・対処を期待している。 ところが、第三者委員会の調査に対するTMCの対応は、以下の点で、このプリンシプルの趣旨からはほど遠いものであった。 TMCは、第三者委員会の連絡担当者として野田常務を選任したが、同氏は調査の過程で、調査委員会に対し虚偽の説明を行っていただけでなく、本件不正行為で中心的な役割を担っていたことが判明している。また、野田常務以外にも、ヒアリングに対して虚偽の説明を行っていた者が存在し、データ保全を行うべき野田常務のPC台数につき、事実と異なる回答がされたことなどについて、第三者委員会は、「調査に対する真摯な協力が得られたものとは認めがたく、調査は困難を極めた」と評したうえで、最後にこう締め括っている。   2 ヒアリング対象者による虚偽の説明 報告書では、第三者委員会は、ヒアリング対象者である、会長、野田常務、a氏及びb氏による虚偽の説明を受け、これを証憑書類や他の関係者に対するヒアリングに基づき解明した事実関係により否定する記述が多くみられる。 依頼者である企業との間の独立性や調査範囲の選定などにおいて不十分さが指摘されることも少なくない第三者委員会による調査であるが、TMCが委嘱した第三者委員は、存分にその職責を果たし、調査依頼を行ったTMC経営陣にとっては大変厳しいものとなっている。   3 研究開発費名目での債務認識に基づく売掛金回収の偽装 A社との架空取引を隠蔽するために、研究開発費名目での債務計上が行われ、これを売掛金と相殺する不適切な会計処理が行われていたという第三者委員会の指摘については、税務上も大きな問題が生じうることを述べておきたい。 研究開発費が計上された会計期間において損金経理をされているかどうかまで、報告書には記述がないが、損金の額に算入して法人税の申告を行っているのであるとすれば、架空の費用であるから損金算入は否認され、追徴課税を受けるとともに、重加算税が賦課されることが予想される。 また、消費税の申告においても、この研究開発費に係る消費税額等は、課税仕入れに係る消費税額等であることが否認されることになるため、消費税額等についても過少申告が指摘され、事実の仮装・隠蔽であることから、こちらも重加算税の賦課が予想されるところである。   4 会計不正による経営陣の一掃と会計監査人の交代 調査報告書の公表から1ヶ月余り経過した8月3日になって、会長、田口常務、野田常務の3名の取締役の辞任が公表された。そこでは、「経営責任の明確化を図るため、及びコーポレートガバナンスを再構築するため」に3名の取締役が辞任に至ったこと、辞任する役員への役員退職慰労金の支給を行わない旨決議したこと、また、9月15日開催予定の定時株主総会において、新任取締役の選任を行うことが公表された。 また、同日、有限責任監査法人トーマツが、契約の満了を待たずに平成28年3月期の監査が終了次第、契約を解除すること、後任の会計監査人として監査法人シドーを定時株主総会で選任するための議案を上程することも発表されている。 (了)

#No. 182(掲載号)
#米澤 勝
2016/08/25

金融商品会計を学ぶ 【第27回】「ヘッジ会計⑧」

金融商品会計を学ぶ 【第27回】 「ヘッジ会計⑧」   公認会計士 阿部 光成   引き続き、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)におけるヘッジ会計について述べる。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅰ 予定取引実行時の処理 予定取引にヘッジ会計を適用したことにより繰り延べられたヘッジ手段に係る損益(繰延ヘッジ損益)は、当該予定取引の実行時において、次のように処理する(金融商品実務指針170項、338項)。   Ⅱ オプションの時間的価値及びプレミアム・ディスカウント ヘッジ手段として用いられるオプションの時間的価値及び先渡契約に係るプレミアム・ディスカウント(以下「時間的価値等」という)については、次の2つの処理方法が考えられ、いずれの方法も認められる(金融商品実務指針171項、339項)。 いずれの方法を採用する場合においても、ヘッジの有効性判定においては時間的価値等の変動を除外して判定することができる(金融商品実務指針171項、341項)。 時間的価値等を区分処理する場合において、時価評価を行わずに、一定の方法で規則的に償却するという考え方もある。しかしながら、金融商品会計基準では、デリバティブは時価をもって貸借対照表価額とすることが定められており、繰延ヘッジ会計はヘッジ手段に係る損益又は評価差額の処理の例外規定であって評価に関する例外規定ではないと解されるので、ヘッジ手段の貸借対照表価額は時価評価によることとなる(金融商品実務指針340項)。   Ⅲ ヘッジ非有効部分の処理 金融商品実務指針172項は次のように規定している。 ヘッジ取引の開始時点において、ヘッジ対象に係る相場変動又はキャッシュ・フロー変動の100%をヘッジすることを意図したヘッジ取引について、ヘッジ手段の有効性の限界のために、ヘッジ手段に係る相場変動又はキャッシュ・フロー変動がヘッジ対象に生じた変動を超え、結果として非有効部分が生じる場合がある(金融商品実務指針342項)。 このような場合に、非有効部分の区分を要求することとすると、多数のヘッジ取引を行っている企業では実務上の処理が非常に煩雑となるおそれがあることを考慮し、ヘッジ会計の要件が満たされている限りにおいては、非有効部分の区分を要求しないこととされた(金融商品実務指針342項)。 ただし、有効性判定の結果に基づいて、合理的に区分された非有効部分を繰延処理の対象とせずに純損益に計上することは、合理的な会計処理と考えられるので、方針として一貫して適用する限りは、妨げられるものではない(金融商品実務指針342項)。 なお、非有効部分を繰延処理することを認めるのは、当該ヘッジ取引全体がヘッジ会計の要件を満たしている場合だけであり、事後テストにより有効性が認められないこととなった場合には、金融商品会計基準上、ヘッジ会計の適用は認められておらず、このような場合には、ヘッジ手段に係る損益又は評価差額(有効性が認められた期間に係るものを除く)はすべて当期の純損益に計上することとなる(金融商品実務指針342項)。 (了)

#No. 182(掲載号)
#阿部 光成
2016/08/25

商業登記申請時の株主リスト添付義務化について 【追補】「法務省の書式例公開を受けて」

商業登記申請時の株主リスト添付義務化について 【追補】 「法務省の書式例公開を受けて」   司法書士法人F&Partners 司法書士 本橋 寛樹   【はじめに】 平成28年7月21日、法務省より、平成28年10月1日以降に株式会社等が商業登記の申請を行う場合に新たな添付書面となる「株主リスト」の書式例等が公表された。 本改正については、7月に本誌掲載の下記拙稿で解説したところだが、法務省から公表された内容をふまえて、さらに留意すべき事項を整理していく。   【「株主リスト」が求められる法人】 株式会社では「株主リスト」、投資法人、特定目的会社では「社員のリスト」の添付が必要となる場合がある。上記以外の法人では、「株主リスト」や「社員のリスト」の添付は求められない。 本改正の理由の1つに、登記所において法人の所有者情報を把握して、法人の透明性を確保することにより法人格の悪用を防止すべきであるとの要請がある。株主リストや社員のリストが要求されるのは、株式会社、投資法人、特定目的会社といった、「出資者=会社の所有者」の関係が成り立つ、法人の所有者の概念が存在する法人に限定されるものと考えられる。 以下、本稿では、対象の多い株式会社に着目して記述していくこととする。   【「株主リスト」が求められる時期】 施行日:平成28年10月1日 登記すべき事項で株主総会の決議を要する場面で、本改正の施行日である平成28年10月1日以降に登記申請する場合に、株主リストを添付する必要がある。 株主総会の開催日が施行日前である平成28年9月30日以前であったとしても、登記申請日が平成28年10月1日以降であれば、株主リストを添付する必要がある。 つまり、株主総会の開催日は株主リストの要否に影響せず、登記申請日が施行日以後であるかをもって形式的に判断される。 例えば、平成28年9月20日に株主総会にて取締役の選任決議を行い、その登記手続を施行日後の平成28年10月3日に申請する場合、平成28年9月20日の決議に関する株主リストを添付する必要がある。   【「株主リスト」が求められる場面】 株主リストが求められる場面として、大きく分けて以下の2つがある。 株主全員の同意を要する場合は、議決権を行使することができる割合が当然に100%となるため、②の株主総会の決議を要する場合と異なり、法務省の書式例では議決権数の割合の欄が設けられていない。 一方、株主総会の決議を要する場合では、株主全員の同意を要する場合以外となる。株主総会の決議を大きく分類すると、普通決議(会社法309条1項、341条)、特別決議(会社法309条2項)、特殊決議(会社法309条3項、4項)がある。各決議の要件に差が設けられているところ、株主リストでの記載事項に違いはない。   【「株主リスト」作成の着目ポイント】 株主全員の同意を要する場合は、株主全員分を記載すれば漏れがなくなるところ、登記すべき事項につき株主総会の決議を要する場合には、必ずしも株主全員を記載しないため、どの情報を記載すれば株主リストの要件を満たすのか検討する必要がある。 以下、登記すべき事項につき株主総会の決議を要する場合の株主リストの記載事項について考察する。  〈ポイント1〉 登記すべき事項につき株主総会の決議を要する場合の株主リストの記載事項 株主数が10名以上の場合、次の①又は②のどちらか少ない株主で満たす株主リストを添付することとなる。一方で、株主数が10名に満たない場合、当然に②の要件を満たす株主リストを添付することとなる。  〈ポイント2〉 同順位の株主の記載の有無 上記①又は②の要件を満たす時点で同順位の株主がいる場合、同順位の株主を全て記載することとなる。 以下の事例では、表の上から順にみていくとGの時点で議決権数の3分の2の要件を満たしているが、満たす時点で同順位であるH、I、Jがいるため、結果的にAからJまで株主リストに記載することとなる。 〔例〕 発行済株式100株 総議決権100個 株主10名が各10株保有の場合    〈ポイント3〉 株主総会にて議決権を行使することができる株主であるかの確認 株主総会にて議決権を行使することができる株主であれば、株主総会に欠席したり、決議で議決権を行使しなかったりしたとしても、上記①又は②の株主に該当する場合、株主リストに記載する必要がある。 他方で、単元未満株式の株主(会社法308条1項ただし書)、相互保有株式(会社法308条1項かっこ書)、自己株式(会社法308条2項)、議決権制限株式の株主(会社法108条2項3号)等、株主総会において議決権を行使することができない株主については、株主リストの記載の対象とはならない。これは、所有株式数ではなく、議決権数の割合をもって記載の有無が決まるからである。 この場合、所有株式数では下位でも議決権数が高い株主が株主リストに記載されることとなろう。  〈ポイント4〉 定時株主総会と臨時株主総会の区別 定時株主総会又は臨時株主総会で、議決権を行使することができる株主の判定時期が異なる場合がある(会社法124条)。 上記のとおり、定款に基準日の規定がある場合には、定時株主総会で議決権を行使することができる株主は、毎事業年度末日の最終の株主名簿に記載された者となる。 一方、臨時株主総会では、特段の定めがなければ、株主総会の日に株主である者が議決権を行使することができる者となる。  〈ポイント5〉 登記すべき事項につき複数の議案がある場合 株主総会の中で、登記すべき議案が複数ある場合、議案ごとに株主リストを作成する。ただし、複数の議案で議決権を行使することのできる株主が同一の場合は、各議案をまとめて株主リスト1通を作成すれば足りる。   【事例考察】 これまでみてきた着目ポイントをもとに、以下、事例に当てはめて考察することとする。 (※1) 「定時」株主総会の場合、基準日時点の株主が議決権を行使することができるかを検討する。本事例では、最終事業年度の末日に株主である者が議決権を行使することができる旨の定款の定めがあるため、最終事業年度の末日である平成28年6月30日時点の株主を記載する。 (※2) 株主総会決議を要する登記事項ごとに株主リストを作成するところ、議案ごとに議決権を行使することができる者が同一であれば、まとめて1通の株主リストで足りる。第1号議案は、登記事項ではないため、記載不要。 (※3) 株主リスト以外の株主も含んだ議決権数の合計数を記載する。1株1議決権であれば、登記記録上の株式数と一致することが多い。 (※4) 欠席や議決権不行使の者を含む。自己株式等の議決権を行使することができない者は含まない。 (※5) 株主が会社に届出している住所を記載する。株主名簿や同族会社等の判定に関する明細書等をもとに記載する。   【むすび】 法務省から株主リストの書式例が公開されたことで、実際にどのような情報を記載すればよいのかという点が明らかになった。株主リストの情報を整理する段階で、登記申請の事前準備に工程が1つ追加されることとなった。 施行日以後に、過去に遡って株主総会議事録を添付する必要がある場合には、時間が経過すればするほど当時の株主総会で議決権を行使することができる株主の把握が難しくなり、適切な株主リストを添付することが困難になると予想される。会社側が株主の変動を把握すること、登記申請期間を遵守することを間接的に要求されることになるものと考える。 株主リストの添付をきっかけに、法令遵守が浸透し、より忠実な商業登記実務の運営に結びつくことを願ってやまない。 (了)

#No. 182(掲載号)
#本橋 寛樹
2016/08/25

〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例8】ソフトバンクグループ株式会社「代表取締役の異動(退任)に関するお知らせ(2016.6.21)」

〔検証〕 適時開示からみた企業実態 【事例8】 ソフトバンクグループ株式会社 「代表取締役の異動(退任)に関するお知らせ」 (2016.6.21)   事業創造大学院大学 准教授 鈴木 広樹   1 今回の適時開示 今回取り上げる適時開示は、ソフトバンクグループ株式会社(以下「ソフトバンク」という)が平成28年6月21日に開示した「代表取締役の異動(退任)に関するお知らせ」である。本連載では、これまでも代表取締役や代表執行役の異動に関する開示を取り上げてきた。この開示も、一見したところ、何の変哲も無い極めて平凡なもののようである。 しかし、よく見ると、これまで取り上げた開示とは異なるところがある。代表取締役は取締役会で選定されるため、代表取締役の異動に関する開示は、取締役会がそれを決議した時点で行われる。そのため、その開示の主文は、通常、本連載の【事例2】で取り上げたセーラー万年筆株式会社の「代表取締役および役員の異動に関するお知らせ」の主文「当社は、平成27年12月12日開催の取締役会において、下記のとおり代表取締役および役員の異動について決議いたしましたので、お知らせいたします。」のようになる。 それに対して、このソフトバンクの開示の主文は、「当社の代表取締役副社長であるニケシュ・アローラが、明日午前10時より開催される第36回定時株主総会終結のときをもって任期満了に伴い代表取締役及び取締役を退任することとなりましたので、下記のとおりお知らせいたします。」というものである。   2 そもそも取締役に再任されないことに ニケシュ・アローラ氏(以下「アローラ氏」)の取締役としての任期は、もともと平成28年の定時株主総会の終結のときまでとされており、平成28年の定時株主総会の終結のときをもって、いったん取締役ではなくなり、代表取締役でもなくなる。したがって、このソフトバンクの開示の主文は、文字どおり読むと、当たり前のことを言っているに過ぎず、これだけでは開示の目的がわからない。 この開示の目的は、「4.備考」を併せて読むことで正確に理解できる。そこには、「当社は、明日午前10時より開催される第36回定時株主総会に先立って、取締役会を開催し、同定時株主総会に付議予定の「第2号議案 取締役8名選任の件」について、ニケシュ・アローラの選任に係る部分を取り下げ、内容を一部変更する予定です。」と記載されている。 つまり、定時株主総会で取締役に再任され、その後、代表取締役にも再任される予定だったアローラ氏が、定時株主総会で取締役に再任されず、したがって、当然、代表取締役にも再任されないこととなったのである。   3 定時株主総会開催直前の開示 そして、ソフトバンクは、翌日の平成28年6月22日、定時株主総会開催直前の午前9時に、アローラ氏の取締役選任の取り下げを内容とする「第36回定時株主総会付議議案の一部取り下げに関するお知らせ」を開示した。 株主総会の付議議案は取締役会が決定するため、その開示の主文には、「当社は、本日開催の取締役会にて、本日午前10時より開催される第36回定時株主総会に付議予定の「第2号議案 取締役8名選任の件」の一部を取り下げ、内容を一部変更することを決議しましたので、下記のとおりお知らせいたします。」と記載されている。定時株主総会が午前10時からの開催であるため、その前に取締役会で決議して、午前9時に開示を行ったのである。   4 なぜ取締役に再任されないことになったのか? なぜアローラ氏は、定時株主総会の前日になって急に取締役に再任されないこととなったのだろうか。「代表取締役の異動(退任)に関するお知らせ」の「1.退任の理由」には、次のように記載されている。 要するに、近いうちにアローラ氏にソフトバンクのトップの座を譲ろうと思っていた孫正義氏(以下「孫氏」)は、気持ちが変わり、しばらくトップを続けたくなったのだが、アローラ氏の方は、しばらく待つのは嫌なので、同社を去ることにした、ということが定時株主総会の前日になって急に決まったというのである。 この理由が果たして本当なのかどうかはわからないが、これまで取り上げた代表取締役や代表執行役の異動に関する開示における異動の理由に関する記載と比べて、明確ではある。   5 トップの選び方 会社のトップは取締役会が選ぶ。少なくとも上場会社ならば、表向きでなく本当にそうでなければならないはずである。コーポレートガバナンス・コードの補充原則4-1③でも、次のように定められている。 しかし、今回の開示を見るまでもなくわかっていることなのだが、ソフトバンクでは誰がトップであるべきかについて孫氏個人で決めていることが、今回の開示で明らかにされている。「1.退任の理由」が事実と異なるとしても、同社においてこうした重要事項を孫氏個人が決めていることは事実だろう。その是非について、ここでは論じないこととする。 ただ、コーポレートガバナンス・コードを実施しない場合、コーポレートガバナンス報告書にその理由を記載することとされている。ソフトバンクは補充原則4-1③を実施していないことが明らかだと思われるのだが、平成28年6月22日に更新された同社のコーポレートガバナンス報告書には、それを実施しない理由が記載されていない。今回の開示で実施しないことを明らかにしたのだから、記載すべきではないかと思われるのだが。 (了)

#No. 182(掲載号)
#鈴木 広樹
2016/08/25

《速報解説》 譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)割当に関する改正開示府令が公布・施行~有価証券届出書における「第三者割当の場合の特記事項」の記載を不要とする改正等、普及促進を図る~

《速報解説》 譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)割当に関する 改正開示府令が公布・施行 ~有価証券届出書における「第三者割当の場合の特記事項」の記載を不要とする改正等、普及促進を図る~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成28年8月19日、「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」が公布され、金融庁は「企業内容等開示ガイドライン」の改正を公表した。これにより、平成28年6月24日から意見募集していた公開草案が確定することとなる。内閣府令等の改正に際して、「コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方」も公表されている。 これは、株式報酬として一定期間の譲渡制限が付された現物株式(いわゆるリストリクテッド・ストック)の割り当てをする場合に、役員等に対する報酬の支給の一種であることに鑑み、ストックオプションの付与と同様に、第三者割当の定義から除外し、有価証券届出書における「第三者割当の場合の特記事項」の記載を不要とする改正等を行うものである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な改正内容 「企業内容等の開示に関する内閣府令」19条2項1号ヲに次の規定を設ける。 「企業内容等開示ガイドライン」5-7では次のように規定する。   Ⅲ 適用時期等 改正後の規定は、公布の日(平成28年8月19日)から施行する。 (了)

#No. 181(掲載号)
#阿部 光成
2016/08/22

《速報解説》 「税制上の措置」による地方法人課税の税率改正延期に伴う税効果会計への影響について~法定実効税率は変わらずも今後の法令等成立時期に留意~

《速報解説》 「税制上の措置」による地方法人課税の税率改正延期に伴う 税効果会計への影響について ~法定実効税率は変わらずも今後の法令等成立時期に留意~   公認会計士・税理士 八代醍 和也   Ⅰ はじめに 自由民主党・公明党は平成28年8月2日に「消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置」(以下、「税制上の措置」)を公表し、消費税率引上げ延長に関連した資産課税、地方法人課税、個人所得課税等関連税制の改正方針についてその概要を示したのは既報のとおりである。 本稿では、これら関連税制のうち、地方法人課税の部分に関し、税率改正の延期についての詳細及びそれが税効果会計に与える影響について解説を行う。 なお、文中の意見に関する部分は、筆者の私見であることを申し添える。   Ⅱ 地方法人課税の改正の延期 (1) 法人住民税法人税割の税率改正の実施時期の変更 先の平成28年度改正税法において、税率を以下のとおりとする法人住民税法人税割に関する改正について、平成29年4月1日以後開始事業年度から適用されることになっていたが、これが2年半延期され、平成31年10月1日以後開始事業年度から適用されることになる。 (2) 地方法人税の税率改正の実施時期の変更 先の平成28年度改正税法において、税率を以下のとおりとする地方法人税の改正について、平成29年4月1日以後開始事業年度から適用されることになっていたが、これが2年半延期され、平成31年10月1日以後開始事業年度から適用されることになる。 (3) 地方法人特別税の廃止時期の変更 地方法人特別税の廃止及びそれに伴う法人事業税への復元について、平成29年4月1日以後開始事業年度から適用されることになっていたが、これが2年半延期され、平成31年10月1日以後開始事業年度から適用されることになる。   Ⅲ 税効果会計への影響 上記の地方法人課税の税率変更が2年半延期されることによる実務面の対応として、税効果会計に適用する各年度の法定実効税率に与える影響が気になるところである。 この点、基本的には平成28年度の改正税法において、地方法人税の増税分と法人住民税の減税分とが相殺され、法定実効税率に影響がないように措置されていたところ、「税制上の措置」に基づく改正地方税法が成立したとしても、法定実効税率に大きな影響はないものと考えられる。 以下、3月決算法人を例に、「税制上の措置」を受けた改正地方税法が成立した場合の各年度の法定実効税率の計算例を示したので、計算結果に影響がないことを確かめられたい。 なお、税率変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の修正額は、財務諸表の注記事項とされているが、下記計算結果より、法定実効税率に影響がなく修正額がないことになるため、現段階の「税制上の措置」の公表内容からは、当該注記は不要になるものと考えられる。 しかしながら、今般の「税制上の措置」公表による、実際の各自治体の条例改正に向けた動きは未定となっている部分も多く、今後の地方税法改正やそれを受けた条例改正によっては、異なる結果となる可能性があることに十分留意されたい。   - 設 例 - 【前提となる税率】 ■平成28年度改正税法及び改正地方税法 ■消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置  [変更が生じる箇所をアミカケで示した] (※1) 都道府県民税と市町村民税の法人税割の税率を合算している。また、超過課税による制限税率が適用されていることを前提としている。 (※2) 事業税(所得割)の上段は、地方法人特別税の税率を含めた事業税率を示す。下段は、地方法人特別税等に関する暫定措置法において、当該措置法が適用されることにより読み替えられている地方税法の税率を示す(【補足】なお、当該税率の0.7%は地方法人特別税の税率を含めた3.6%から、事業税の標準税率に地方法人特別税等に関する暫定措置法に規定されている税率を乗じた数値(2.9%=0.7%×414.2%)を控除して算定した数値と一致する)。 (※3) 超過課税税率の0.9%、3.8%はそれぞれ仮定の数値である。 (※4) 地方法人特別税が法人事業税に復元された後の超過課税税率が、復元前の地方法人特別税の税率と超過課税税率の合計と等しくなるものと仮定している。 【法定実効税率の算定】 「税制上の措置」において税率の変更が生じる平成30年3月期、平成31年3月期及び平成32年3月期について、以下の算式に基づいて、変更前、変更後の法定実効税率を計算すると以下のようになる。 ■平成30年3月期 (変更前) (変更後) ■平成31年3月期及び平成32年3月期 (変更前) (変更後) (了)

#No. 181(掲載号)
#八代醍 和也
2016/08/22
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