平成30年3月期決算における会計処理の留意事項
【第2回】
仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋
-全体構成-
Ⅰ 税制改正
Ⅱ 公共施設等運営事業における運営権者の会計処理
【第2回】(本稿)
Ⅲ 有償ストック・オプションの会計処理
Ⅳ 在外子会社等の会計処理の改正
Ⅴ 仮想通貨の会計処理
【第3回】 3/8公開
Ⅵ マイナス金利
Ⅶ 事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組
Ⅷ 金融庁の平成28年度有価証券報告書レビューの審査結果
【第4回】 3/15公開
Ⅸ 収益認識
Ⅹ 税効果会計の改正
ⅩⅠ 監査報告書の透明化
Ⅲ 有償ストック・オプションの会計処理
平成30年1月12日に実務対応報告第36号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(以下、「有償新株予約権取扱い」という)」がASBJより公表された。
近年、企業がその従業員等に対して新株予約権を付与する場合に、当該新株予約権の付与に伴い当該従業員等が一定の額の金銭を企業に払い込む取引が見られる。当該取引は、企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準(以下、「ストック・オプション基準」という)の公表時には想定されていなかった。
そのため、当該取引が、ストック・オプション基準の適用範囲に含まれるのか、企業会計基準適用指針第17号「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理(以下、「複合金融商品適用指針」という)」の適用範囲に含まれるのかが必ずしも明確ではなかったことから、ASBJで審議が行われた(有償新株予約権取扱い12)。
審議の結果、従業員等に対して有償新株予約権取扱いの対象となる権利確定条件付き有償新株予約権を付与する場合、当該権利確定条件付き有償新株予約権はストック・オプション基準第2項(2)に定めるストック・オプションに該当するものとされた。
ただし、権利確定条件付き有償新株予約権が従業員等から受けた労働や業務執行等のサービスの対価(ストック・オプション基準第2項(4))として用いられていないことを立証できる場合、当該取引についての会計処理は、複合金融商品適用指針に従う(有償新株予約権取扱い4)。
有償新株予約権取扱いでは、以下の事項が定められている。
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