税理士が知っておきたい
不動産鑑定評価の常識
【第24回】
「収益還元法といっても2通りの手法がある」
~直接還元法とDCF法~
不動産鑑定士 黒沢 泰
1 はじめに
前回は収益還元法をテーマに、計算例も交えながらその適用過程を解説しましたが、そこで前提とした純収益(総収益-総費用)は、収益期間についてみれば初年度のものでした。すなわち、収益価格の試算上、最初の1年間の純収益が同額で将来にわたり永続するという前提の基に、これを還元利回りで還元して(=割り戻して)元本である土地建物の価格を求めたことになります。このような手法を鑑定評価では「直接還元法」と呼んでいます。そして、直接還元法では年々の純収益の変動は価格に反映されない点に特徴があります。
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