税理士が知っておきたい
不動産鑑定評価の常識
【第31回】
「評価の難しい「心理的瑕疵」のある不動産」
~ガイドラインと減価の必要性~
不動産鑑定士 黒沢 泰
1 はじめに
心理的瑕疵とは、「対象物件自体や周辺環境にも問題ないが、その目的物を使用するにあたって心理的嫌悪感のある瑕疵」をいうとされ(※1)、具体的には過去の自殺、殺人、遺体発見までに時間を要した孤独死、事故死等がその対象とされています。いわゆる「事故物件」に該当する場合に問題となります。
(※1) 国土交通省「不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会」第1回検討会(2020年2月5日)の資料5(公社)全国宅地建物取引業協会連合会「心理的瑕疵に係る現状と課題について」によります。
このような心理的瑕疵のある物件の評価に関しては、まだ評価手法が確立されておらず、不動産鑑定に当たっても判断に迷う点が多いといえます。加えて、物件の特性(集合住宅、戸建住宅、事務所等が入居するビル、ホテル、その他の施設)によっても心理的な影響度は異なるでしょうし、同じ集合住宅の場合でも自殺のあった場所が専有部分なのか、共用部分なのかによっても異なると思われます。さらに、取引の形態(売買か賃貸借か等)、事故発生からの経過期間の長短も影響すると考えられます。今回はこのような物件の評価について取り上げます。
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