税理士が知っておきたい
不動産鑑定評価の常識
【第37回】
「鑑定評価書(取引事例比較法)に登場する「標準化補正」の意味」
不動産鑑定士 黒沢 泰
1 はじめに
日常業務で不動産の鑑定評価書を目にする機会のある税理士の方も少なからずおられると思います。土地(又は建物及びその敷地)が対象となっている鑑定評価書のなかに必ずといってよいほど登場するのが「取引事例比較法」です。この手法は、土地の利用状況が類似する地域のなかで実際に成立した売買事例を基に評価する方法であり、規範的な事例がいくつか収集できれば実証的で説得力に富むものとなります。
ただ、その計算過程(しばしば比準作業と呼ばれます)に「標準化補正」という専門用語が登場し、それがどのようなことを意味するのか迷われた経験をもつ方もおられるのではないでしょうか。今回はこの「標準化補正」について解説し、取引事例比較法についての理解を深めるための一助としたいと思います。
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