〔会計不正調査報告書を読む〕 【第30回】株式会社かわでん「第三者委員会調査報告書(平成27年3月13日付)」
平成26年秋ころ、山形工場購買外注グループの担当者は、別の担当者に対し、平成24年9月に退職した元従業員X1から発注依頼の電話がかかってくることに疑問を抱き、チームリーダーに相談したものの、チームリーダーは問題ないとの認識を示すのみであった。その後、12月になって、グループマネージャーが、X1からの依頼に基づく発注が多額であることを知り、社内の職制上の上位者である工場長を通じ、情報を経営トップに報告する。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第80回】減損会計④「減損会計の対象資産」
Q 当社は外食事業を営んでいます。A外食事業に関して継続して赤字が続いており、今後も回復が見込まれておりません。A外食事業に関連する固定資産は以下のとおりです。これらすべての固定資産が減損会計の対象となるのでしょうか。
《速報解説》 意見募集を経て「工事進行基準等の適用に関する監査上の取扱い」が公表~発生しうる不正事例とその対応を示す~
工事契約については、「工事契約に関する会計基準」(企業会計基準第15号)及び「工事契約に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第18号)が適用されている。
実務指針91号は、その適用に際して、一般的に会計上の見積りの不確実性の程度が大きく、会計上の見積りに関する重要な虚偽表示リスクが高くなることがあることや、後述する「原価の付替え」を用いて決算日における工事進捗度の調整を通じた工事収益の操作などの不正が行われる可能性があることについて述べている。
『IFRS適用レポート』を受けて「IFRSの適用と会計システムの影響」を再考する
2014年6月24日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014」において、「IFRSの任意適用企業がIFRS移行時の課題をどのように乗り越えたのか、また、移行によるメリットにどのようなものがあったのか、等について、実態調査・ヒアリングを行い、IFRSへの移行を検討している企業の参考とするため、『IFRS適用レポート(仮称)』として公表するなどの対応を進める。」とされたことを受けて、2015年4月15日に金融庁より「IFRS適用レポート」が公表されました。
海外先進事例で学ぶ「統合報告」~「情報の結合性」と「簡潔性」を達成するために~ 【紹介事例①】「ユニリーバ社」(UNILEVER 「Annual Report and Accounts 2013」)
ユニリーバ社の2013年度アニュアル・レポートでは、このUSLP に沿った形で同社のサステナビリティに係る実績等を報告し、かつUSLPに基づく活動が社会的に有用なインパクトをもたらすと同時に、同社の持続的な利益成長を促し、企業価値の好循環を形成していることも報告している。
なお、IIRCの統合報告データベースは、同レポート22ページから25ページにおける内容要素【ビジネスモデル】に関する記載を、【戦略的焦点と将来志向】、【簡潔性】、【情報の結合性】の3つの指導原則に沿った最新事例として掲載している。
みなさんの理解を助けるため、該当ページに注釈を付したものが以下である。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第16回】「セグメント情報等の開示」
今回は、セグメント情報等の開示について解説する。
セグメント情報等とは、以下の4つの情報をいう(企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関する会計基準(以下、「基準」という)」1。
《速報解説》 会社法及びコーポレートガバナンス・コードを踏まえた「監査役監査基準」及び「内部統制システムに係る監査の実施基準」の改定案が公表~「監査報告のひな型」の対応及び改定スケジュールも明らかに~
平成27年4月28日付で、日本監査役協会は「監査役監査基準」及び「内部統制システムに係る監査の実施基準」の改定案を公表し、意見募集を行っている。
これは、コーポレートガバナンス・コード原案の公表、会社法及び法務省令の改正などを踏まえたものである。
《速報解説》 改正「中小企業の会計に関する指針」が関係4団体より公表~退職給付会計基準等の改正に対応~
平成27年4月21日(ホームページ掲載日は4月27日)、「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」という)の改正が行われ、関係4団体(日本税理士会連合会、日本公認会計士協会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会)より公表された。これにより、平成27年1月14日付で意見募集されていた公開草案が確定することとなる。
《速報解説》 経済産業省が「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」報告書を公表~企業情報開示や監査、株主総会の日程や付議事項などを総合的に検討~
平成27年4月23日付で、経済産業省は、「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」報告書を公表した。
「日本再興戦略」改訂2014では、「持続的な企業価値の創造に向けた企業と投資家との対話の促進」を取り組むべき施策として掲げられている。
「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」は、平成26年9月に設置され、さらに研究会の下に「企業情報開示検討分科会」と「株主総会のあり方検討分科会」が設置されている。
会計上の『重要性』判断基準を身につける~目指そう!決算効率化~ 【第1回】「『重要性の基準値』はメタボ診断の『ウエスト85cm』と同じ」
経理実務ではよく、「重要性がある」「重要性がない」という会話を耳にします。
ところが、この「重要性」という概念を正確に理解している人は多くはありません。
その一番の理由は、「重要性」という概念を体系的にまとめた会計基準が存在しないからです。
「重要性」に関する話は、会計基準のあちらこちらに顔を出します。どれも似かよった内容で、相互に矛盾している点もないのですが、体系的に整理されていないため、正確な知識が定着しにくいのです。