公開日: 2015/09/10 (掲載号:No.135)
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〔会計不正調査報告書を読む〕【第36回】株式会社東芝「過年度決算の修正,2014年度決算の概要(平成27年9月7日付)」

筆者: 米澤 勝

 

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第36回】

株式会社東芝

「過年度決算の修正,2014年度決算の概要(平成27年9月7日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

株式会社東芝(以下「東芝」という)は、平成27年9月7日「過年度決算の修正、2014年度決算の概要及び第176期有価証券報告書の提出並びに再発防止策の骨子等についてのお知らせ」と題するリリースその他を公表し、同日夕刻には、代表執行役社長室町正志氏による記者会見が行われた。

本稿では、東芝が、平成27年7月20日に第三者委員会調査報告書(以下「報告書」という)を受領した後、過年度決算の修正及び2014年度決算発表までの経緯を確認したうえで、報告書における指摘事項がどのように修正されたかを検討することとしたい。

また、同時に発表された「再発防止策の骨子」については、臨時株主総会での公表資料、今後、証券取引所により徴求が予想される改善報告書などを通じ、より具体的な施策が判明した段階で、報告書の提言がどの程度活かされているかを検証することとしたい。

なお、本件の第三者委員会調査報告書に関する検討内容については、本連載の下記2稿をご覧いただきたい。

 

【過年度決算の修正、2014年度決算発表に至るまでの経緯】

平成27年4月3日

「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」

同年5月8日

「第三者委員会設置のお知らせ」

「業績予想の修正に関するお知らせ」

「剰余金の配当(期末)に関するお知らせ」

同年5月13日

「現時点で判明している過年度修正額見込み及び第三者委員会設置に関する補足説明」

同年5月29日

「第176期有価証券報告書及び第177期第1四半期報告書の提出期限延長に関する承認申請書提出に関するお知らせ」

同年6月12日

「自主チェック結果、特別調査委員会の調査概要及び第三者委員会への委嘱事項との関係についてのお知らせ」

同年7月20日

「第三者委員会調査報告書の受領及び判明した過年度決算の修正における今後の当社の対応についてのお知らせ」

同年7月21日

「第三者委員会の調査報告書全文の公表及び当社の今後の対応並びに経営責任の明確化についての知らせ」

同年7月29日

「第三者委員会の調査報告の結果を受けた当社の対応等について」

同年8月18日

「新経営体制及びガバナンス体制改革策並びに過年度決算の修正概要及び業績予想についてのお知らせ」

同年8月31日

「第176期有価証券報告書の提出期限延長(再延長)申請に係る承認のお知らせ」

同年9月7日

「過年度決算の修正、2014年度決算の概要及び第176期有価証券報告書の提出並びに再発防止策の骨子についてのお知らせ」

「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」

「2014年度決算短信開示の遅延理由及び今後の決算短信開示に関するお知らせ」

 

【調査報告書公表後の東芝の対応】

1 経営刷新委員会の設置

調査報告書を受領した後、東芝が最初に公表したリリースは、「経営体制、ガバナンス体制及び再発防止策を検討する」ことを目的とする、経営刷新委員会の設置、委員の選任を伝えるものであった(7月29日付)。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第36回】

株式会社東芝

「過年度決算の修正,2014年度決算の概要(平成27年9月7日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

株式会社東芝(以下「東芝」という)は、平成27年9月7日「過年度決算の修正、2014年度決算の概要及び第176期有価証券報告書の提出並びに再発防止策の骨子等についてのお知らせ」と題するリリースその他を公表し、同日夕刻には、代表執行役社長室町正志氏による記者会見が行われた。

本稿では、東芝が、平成27年7月20日に第三者委員会調査報告書(以下「報告書」という)を受領した後、過年度決算の修正及び2014年度決算発表までの経緯を確認したうえで、報告書における指摘事項がどのように修正されたかを検討することとしたい。

また、同時に発表された「再発防止策の骨子」については、臨時株主総会での公表資料、今後、証券取引所により徴求が予想される改善報告書などを通じ、より具体的な施策が判明した段階で、報告書の提言がどの程度活かされているかを検証することとしたい。

なお、本件の第三者委員会調査報告書に関する検討内容については、本連載の下記2稿をご覧いただきたい。

 

【過年度決算の修正、2014年度決算発表に至るまでの経緯】

平成27年4月3日

「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」

同年5月8日

「第三者委員会設置のお知らせ」

「業績予想の修正に関するお知らせ」

「剰余金の配当(期末)に関するお知らせ」

同年5月13日

「現時点で判明している過年度修正額見込み及び第三者委員会設置に関する補足説明」

同年5月29日

「第176期有価証券報告書及び第177期第1四半期報告書の提出期限延長に関する承認申請書提出に関するお知らせ」

同年6月12日

「自主チェック結果、特別調査委員会の調査概要及び第三者委員会への委嘱事項との関係についてのお知らせ」

同年7月20日

「第三者委員会調査報告書の受領及び判明した過年度決算の修正における今後の当社の対応についてのお知らせ」

同年7月21日

「第三者委員会の調査報告書全文の公表及び当社の今後の対応並びに経営責任の明確化についての知らせ」

同年7月29日

「第三者委員会の調査報告の結果を受けた当社の対応等について」

同年8月18日

「新経営体制及びガバナンス体制改革策並びに過年度決算の修正概要及び業績予想についてのお知らせ」

同年8月31日

「第176期有価証券報告書の提出期限延長(再延長)申請に係る承認のお知らせ」

同年9月7日

「過年度決算の修正、2014年度決算の概要及び第176期有価証券報告書の提出並びに再発防止策の骨子についてのお知らせ」

「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」

「2014年度決算短信開示の遅延理由及び今後の決算短信開示に関するお知らせ」

 

【調査報告書公表後の東芝の対応】

1 経営刷新委員会の設置

調査報告書を受領した後、東芝が最初に公表したリリースは、「経営体制、ガバナンス体制及び再発防止策を検討する」ことを目的とする、経営刷新委員会の設置、委員の選任を伝えるものであった(7月29日付)。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第100回 ※クリックするとご覧いただけます。

第101回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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