[子会社不祥事を未然に防ぐ]グループ企業における内部統制システムの再構築とリスクアプローチ 【第9回】「グループ企業への具体的な関与(その3)」~監査機能の課題と重要性①~
不正や不祥事はいつかは発覚するとも言えるが、発覚せずに断続的に再発したり、現在も継続している可能性がある。アンケート調査(有限責任監査法人トーマツ グループ「Japan Fraud Survey2014」)によると、回答企業の約25%で不正が発覚しているが、全ての企業にとって隠れた不正は知る由がなく、「当社ではそのようなことはない」という認識ではなく、「いつかは当社でも発覚する、すでに発生している恐れがある」との前提に立ち、不正リスクをどの程度削減できるか、起こった場合の対処を誤らないことが肝要である。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第108回】連結会計⑩「関連会社の債務超過」
持分法適用関連会社において、債務超過となりました。当社は投資有価証券のほかに、同社に対する貸付金を計上しています。
このような場合に留意すべき連結上の会計処理について教えてください。
monthly TAX views -No.37-「国会での消費税議論-「益税」「減収額」「簡易課税」」
甘利大臣問題に隠れがちだが、予算委員会・財政金融委員会で軽減税率についての議論が盛り上がると思われる。背景には、軽減税率に対する国民の見方が変化しており、NHKの世論調査などでも、反対が賛成を上回っているという状況がある。民主党としては、ここで給付付き税額控除の代替案を出して、国民にアピールしたいところであろう。
平成27年分 確定申告実務の留意点 【第4回】「誤りやすい『国外転出時課税』に関するQ&A」
シリーズ最終回は、今年から適用となる国外転出時課税制度について、平成27年分の確定申告実務で留意すべき事項をQ&A形式でまとめることとする。なお、この制度の概要については【第2回】を参照されたい。
〔平成28年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第2回】「法人事業税及び地方法人特別税の見直し・欠損金の繰越控除限度額の見直し」
平成27年度税制改正における改正事項を中心として、平成28年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。【第1回】は、「法人税率の引下げ」「地方法人税の創設」及び「法人住民税均等割の資本金等の見直し」について解説した。
【第2回】は、「法人事業税及び地方法人特別税の見直し」と「欠損金の繰越控除限度額の見直し」について、平成28年3月期決算において留意すべき点を解説する。
財産債務調書の実務における留意点 【第2回】「財産債務調書に記載する財産等の価額」
財産債務調書に記載する財産の価額は、その年の12月31日における「時価」又は時価に準ずるものとして「見積価額」による(国外送金等調書令12の2②、国外送金等調書規則12⑤、15④)こととされており、国外財産調書の規定が準用されている。
理由付記の不備をめぐる事例研究 【第5回】「雑収入(従業員の横領による損害賠償請求権の収益計上)」~従業員の横領による損害賠償請求権を収益に計上しなければならないと判断した理由は?~
本件更正処分の理由は、損害賠償請求権の雑収入計上漏れである。したがって、課税庁は、X社が帳簿書類に損害賠償請求権として雑収入計上していない100万円を、雑収入に計上すべきであるとして更正処分を行ったことになる。
そうであれば、損害賠償請求権(雑収入)として計上していないことの否認という広い意味において、X社の帳簿書類の記載自体を否認して更正する場合に該当するものと考える(この点については、最高裁昭和38年12月27日第二小法廷判決・民集17巻12号1871頁、最高裁昭和54年4月19日第一小法廷判決・民集33巻3号379頁など参照)。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第44回】「日本IBM事件」
平成27年3月25日に日本IBM事件の控訴審判決が下された。
日本IBM事件の第一審判決は、本連載の【第16回】から【第18回】で解説したが、控訴審判決の内容は、やや第一審判決と異なるものとなっている。
税務判例を読むための税法の学び方【75】 〔第9章〕代表的な税務判例を読む(その3:「生計を一にする親族」の範囲~最判昭51.3.18①)
税法の条文には、明確な定義がなされていないにもかかわらず、「生計を一にする親族」や「生計を一にするもの」というものが多く出てきており、様々な規定の適用に「生計を一にする」という要件が重要なものとなっている。
適用条文は、所得税法では大きく次の2つに区分することができる。