税務判例を読むための税法の学び方【85】 〔第9章〕代表的な税務判例を読む(その13:「一時所得の計算における所得税法34条2項の「その収入を得るために支出した金額」の範囲③」(最判平24.1.13))
第一審及び控訴審と最高裁で判断が最も大きく異なったのは、所得税法34条2項の「その収入を得るために支出した金額」の「支出」の主体が、明記されていなくとも当然の前提として、所得者本人とされているか否かという点であろう。
ストーリーで学ぶIFRS入門 【第5話】「概念フレームワークの改訂と公正価値」
株主総会も終わり、仕事がひと段落した6月下旬。桜井はいつも通り7時半にオフィスに着いた。
今月は毎週木曜日の始業前に、同じ経理部の先輩である藤原からIFRSの前提となる基礎を教えてもらうことになっている。今日がその最終回だ。
桜井の勤める会社は機械部品を製造する上場会社である。
と言っても、規模はそれほど大きくはなく、「中堅」という言葉がピッタリだ。社長の意向によりIFRSの導入を検討することになったため、数年後の導入時を見据えて入社3年目の桜井も今のうちからIFRSを勉強することになったのだ。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第27回】「デリバティブ」
今回は、デリバティブの会計処理について解説する。デリバティブとは、以下のような特徴を有する金融商品をいう(会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針(以下、「実務指針」という)6」)。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第24回】「租税法の解釈①」-租税法律主義とその問題点ー
租税の賦課、徴収は、必ず法律の根拠に基づいて行われなければなりません。
これを租税法律主義といいます。近代法治主義では、権力の分立を前提とし、公権力の行使は法律の根拠に基づいてこれを認め、それによって国民の自由と財産の保護を保障する政治及び憲法原理ですから、国民の富の一部を国家の手に移す租税の賦課、徴収は法律の根拠なくしてこれをなし得ないのです。
空き家(被相続人の居住用家屋)に係る譲渡所得の特別控除の特例のポイント 【第1回】「適用に当たっての留意事項」
平成28年度税制改正により、近年増加する空き家について、地域住民の生活環境への悪影響を未然に防ぎ、より住みやすい環境を確保する観点から、相続によって適切な管理が行われない空き家の増加を抑制するため、相続により取得した一定の家屋で旧耐震基準しか満たしていないものを耐震改修して売却した場合や、家屋を取り壊して敷地を売却した場合の譲渡所得について、3,000万円特別控除を適用できる制度が導入された。
平成28年度税制改正における役員給与税制の見直し 【第2回】「特定譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)及び利益連動給与に係る改正事項」
前回紹介した役員給与をめぐる状況を踏まえ、平成28年度の税制改正では、わが国経済の「稼ぐ力」向上に向けた「攻めの経営」を促すべく、企業経営者に適切なインセンティブを付与するため、役員給与における多様な株式報酬や業績連動報酬の導入促進等を図る観点から、事前確定届出給与及び利益連動給与の取扱いについて、下表の通り2点の改正が行われた。
連結納税適用法人のための平成28年度税制改正 【第1回】「法人税率等の改正」
前年に引き続いて、連結納税適用法人を対象に平成28年度税制改正の概要を解説したい。
連結納税適用法人にとって、税制改正とは次の4種類に分類される。
そして、平成28年度税制改正については、連結法人税率の引下げ(②)、連結欠損金の繰越控除制度の見直し(①)、雇用促進税制の見直しや企業版ふるさと納税の創設(②)、減価償却制度の見直しや事業税の見直し(④)などがあり、今年度も連結納税適用法人にとって税負担及び実務への影響が大きい改正となっている。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例39(所得税)】 「遺産分割につき誤った説明をしたため「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の適用が受けられなくなってしまった事例」
依頼者の実父の相続税の申告及び被相続人の居住用財産の譲渡につき税務相談を受けた際、相続税については、基礎控除以下であるため申告は不要であること、及び、遺産分割に際し、実父の居住用財産を依頼者が相続し、譲渡しても、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」(以下単に「3,000万円の特別控除」という)の適用は受けられると説明していた。
包括的租税回避防止規定の理論と解釈 【第17回】「同族非同族対比基準」
前回は、争点9(不当の意味と課税要件明確主義)として紹介されている最高裁昭和53年4月21日判決について解説を行った。
本稿では、争点10(同族非同族対比基準)として紹介されている東京高裁昭和49年6月17日判決について解説を行うこととする。
