〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第24回】 「小規模宅地特例の要件のうち特に注意すべき事項」
前回に引き続き、小規模宅地特例(「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」(租税特別措置法69条の4))について、特に適用要件における検討を行う。
なお前回と同様に、企業オーナーや個人事業主以外の、一般の方の相続税申告業務という観点から、本稿では「特定居住用宅地等及」び「貸付事業用宅地等」に限定して検討を行う。
基礎から学ぶ統合報告 ―IIRC「国際統合報告フレームワーク」を中心に― 【第1回】「「統合報告」とは何だろうか?」
私は上場企業を中心に会計監査を長年経験し、有価証券報告書のチェックも数多くこなしてきました。IFRSへのコンバージェンスの流れの中で年々、会計基準の複雑化や注記情報の拡充が行われ、10年ほど前は100ページに満たない有価証券報告書は、いまや200ページを超えるものも珍しくない状況になっています。正直にいうと私も、金融商品や退職給付関連の高度で複雑な注記を正確に理解して財務分析に活かせる人は何%くらいいるのだろうかと考えながら業務に臨んでいました。
〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《退職給付債務・退職給付引当金》編 【第1回】「確定拠出型年金制度のみを採用する場合」
「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小企業会計指針」とします)は、中小企業が計算書類の作成に当たり拠ることが望ましい会計処理等を示すもので、一定の水準を保ったものとされています。これに比べ簡単な会計処理をすることが適切と考えられる中小企業を対象に「中小企業の会計に関する基本要領」も公表されました。
しかし、これらは簡潔に文章で記載されており、概念的には理解できても、実際にはどのように会計処理するのかがわからないため、やむを得ず法人税法の規定による決算処理を続けている中小企業が散見されます。
企業結合会計基準に対応した改正連結実務指針等の解説 【第5回】「支配獲得後の親会社の持分変動に係る連結上の税金費用の会計処理」
Q 平成25年改正の連結会計基準では、支配獲得後に親会社が子会社株式を追加取得したり一部売却したときに生じた差額は資本剰余金で処理することとされました。この結果、これまでの税金費用の会計処理と異なる部分が生じるものと思いますが、支配獲得後の子会社に対する持分変動に係る連結上の税金費用の会計処理を教えてください。
〔会計不正調査報告書を読む〕【第17回】日本交通技術株式会社・「外国政府関係者に対するリベート問題に関する第三者委員会調査報告書」
2013年4月16日から、JTCに対し、東京国税局による税務調査が行われ、担当調査官から、海外でのリベート提供は「使途秘匿金」という税務処理があることを示され、これに沿った税務処理を行ったため、約1億円の追徴課税を受けることとなった。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第47回】資産除去債務③「見積りの変更」
Q 当社は小売業を営んでおり、X1年4月1日に店舗Aを取得し、使用を開始しました。
この店舗Aは定期借地権付きの土地の上に建設されており、店舗Aを閉鎖する際には定期借地権契約に基づく原状回復義務があります。
この場合には会計上、何らかの検討が必要となるでしょうか。
IT業界の労務問題と対応策 【第3回】「IT業界でありがちな労務トラブル(その2)」
昨今、管理職の処遇については「偽装管理職」として世間で注目されてきたように、法令で定められている管理職の概念に当てはまっているかどうかを労働基準監督署では厳しく判断するようになっている。しかし実際には、「リーダー」・「マネージャー」などの役職が付いたら、役職手当を支給し、残業代を支給しないというのが現実である。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第18回】「建替え建築は『新築』か『改築』か? (その3)」~住宅借入金等特別控除と借用概念~
建替え建築が住宅ローン控除の対象となる「改築」に該当するか、あるいは対象とならない「新築」に該当するかが争点とされた事例において、静岡地裁平成13年4月27日判決は、「措置法41条にいう『改築』の意義については建築基準法上の『改築』と同一の意義に解すべきである。」とする。すなわち、措置法41条にいう「改築」とは、建築基準法にいうところの「改築」と同様に「用途、規模、構造において著しく異ならない建築物を造ること」と理解した上で、本件建築にこの「改築」概念を当てはめたところ、「改築」とはいえないと断じたのである。すなわち、これはYが主張する見解と同様であり、課税処分は適法と判示されたのである。
これに対して、Xは控訴した。
〈条文解説〉地方法人税の実務 【第1回】「法人税割の税率変更と地方法人税の創設」
平成26年度税制改正の一環として、地域間の偏差性を是正し、財政力格差の縮小を図ることを目的として、法人住民税法人税割の税率が引き下げられ、地方交付税の財源確保のための地方法人税が創設されることになった。
この改正は、平成26年10月1日以後に開始される事業年度から適用される。
本連載では、地方法人税法の条文構成に準じ、その取扱いを解説する。