公開日: 2014/09/18 (掲載号:No.86)
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〔会計不正調査報告書を読む〕【第19回】インスパイアー株式会社・「第三者委員会調査報告書」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第19回】

インスパイアー株式会社・

「第三者委員会調査報告書」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【概 要】

〔適時開示(不正発覚)〕

  • 2014(平成26)年6月9日
    「第三者委員会の設置及び過年度有価証券報告書等の訂正のおそれ並びに平成26年3月期有価証券報告書提出遅延に関するお知らせ」
  • 2014(平成26)年6月19日
    「第三者委員会の委員選任及び平成26年3月期有価証券報告書提出遅延のおそれに関するお知らせ」

〔第三者委員会〕

  • 委員長:井上 愛朗(弁護士)
  • 委 員:川端 健太(弁護士)
  • 委 員:長谷川 修太郎(弁護士)
  • 委 員:松山 昌司(公認会計士)

〔調査期間〕

2014(平成26)年6月19日から2014年(平成26)年7月15日まで

〔調査依頼者〕

インスパイアー株式会社

〔調査委員会の目的〕

(1) 平成22年3月期中に取得したカード事業に関連するソフトウェアについての事実関係の調査、発生原因及び問題点の分析

(2) 上記(1)の事実関係の調査結果に基づき、過年度の会計処理の訂正の要否、及び過年度の会計処理の訂正が必要となる場合、その範囲・影響額等の確認

(3) 上記(1)及び(2)について、問題があるとの結果となった場合の再発防止策に関する提言

〔適時開示〕

2014(平成26)年7月15日
「第三者委員会の調査報告に関するお知らせ」

 

【インスパイアー株式会社の概要】

インスパイアー株式会社(以下「インスパイアー」という)は、1991(平成3)年設立。旧社名は株式会社フォーバルクリエーティブ。創業以来取り扱ってきたITセキュリティ関連商品の販売及びサポートサービスの提供というビジネスモデルから、ITネットワーク機材の販売、クレジットカード関連事業及び太陽光発電システムの販売へと、取り扱う商品及び役務の転換を図っている(平成25年3月期有価証券報告書より)。
売上高4,665万円、経常損失1億4,041万円、従業員数3名(平成25年3月期)。本店所在地は東京都中央区。JASDAQ上場。

 

【報告書のポイント】

1 調査に至った経緯と調査の焦点

(1) 第三者委員会設置の経緯

調査報告書によれば、インスパイアーは、オンライン決済を目的としたカード事業の事業化のためのシステム開発に関し、過去の決算において適切な会計処理が行われていなかった可能性を「外部から」指摘を受けたことを契機に、第三者委員会を設置して調査することになったとされている。ただし、「外部」の意味するところは、調査報告書では明らかにされていない。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第19回】

インスパイアー株式会社・

「第三者委員会調査報告書」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【概 要】

〔適時開示(不正発覚)〕

  • 2014(平成26)年6月9日
    「第三者委員会の設置及び過年度有価証券報告書等の訂正のおそれ並びに平成26年3月期有価証券報告書提出遅延に関するお知らせ」
  • 2014(平成26)年6月19日
    「第三者委員会の委員選任及び平成26年3月期有価証券報告書提出遅延のおそれに関するお知らせ」

〔第三者委員会〕

  • 委員長:井上 愛朗(弁護士)
  • 委 員:川端 健太(弁護士)
  • 委 員:長谷川 修太郎(弁護士)
  • 委 員:松山 昌司(公認会計士)

〔調査期間〕

2014(平成26)年6月19日から2014年(平成26)年7月15日まで

〔調査依頼者〕

インスパイアー株式会社

〔調査委員会の目的〕

(1) 平成22年3月期中に取得したカード事業に関連するソフトウェアについての事実関係の調査、発生原因及び問題点の分析

(2) 上記(1)の事実関係の調査結果に基づき、過年度の会計処理の訂正の要否、及び過年度の会計処理の訂正が必要となる場合、その範囲・影響額等の確認

(3) 上記(1)及び(2)について、問題があるとの結果となった場合の再発防止策に関する提言

〔適時開示〕

2014(平成26)年7月15日
「第三者委員会の調査報告に関するお知らせ」

 

【インスパイアー株式会社の概要】

インスパイアー株式会社(以下「インスパイアー」という)は、1991(平成3)年設立。旧社名は株式会社フォーバルクリエーティブ。創業以来取り扱ってきたITセキュリティ関連商品の販売及びサポートサービスの提供というビジネスモデルから、ITネットワーク機材の販売、クレジットカード関連事業及び太陽光発電システムの販売へと、取り扱う商品及び役務の転換を図っている(平成25年3月期有価証券報告書より)。
売上高4,665万円、経常損失1億4,041万円、従業員数3名(平成25年3月期)。本店所在地は東京都中央区。JASDAQ上場。

 

【報告書のポイント】

1 調査に至った経緯と調査の焦点

(1) 第三者委員会設置の経緯

調査報告書によれば、インスパイアーは、オンライン決済を目的としたカード事業の事業化のためのシステム開発に関し、過去の決算において適切な会計処理が行われていなかった可能性を「外部から」指摘を受けたことを契機に、第三者委員会を設置して調査することになったとされている。ただし、「外部」の意味するところは、調査報告書では明らかにされていない。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第100回 ※クリックするとご覧いただけます。

第101回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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