さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第31回】「大島訴訟/サラリーマン税金訴訟」~最判昭和60年3月27日(民集39巻2号247頁)~
Xは、昭和39年において、170万円の給与収入と5万円の雑収入を得た。当時の所得税法の規定によれば、給与所得者であっても、給与収入が一定以上の者は所得税の確定申告をしなければならなかったが、Xはこれをしなかった。そこで、Y税務署長は、Xに対し、所得税の決定処分を行った。Xがこれを争ったのが本件である。
Xは、決定処分の根拠である当時の所得税法の給与所得課税に関する規定は、他の所得者に比べて、給与所得者につき合理的理由なく重く課税するものであり、憲法14条1項(平等原則)に違反して無効であるから、自身に対する決定処分も違法であると主張したが、最高裁は、この主張を認めなかった。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第65回】藤倉化成株式会社「特別調査委員会調査報告書(平成29年11月10日付)」
6月22日、ATT株式会社(以下「ATT」と略称する)社長から、ATTとの取引が循環取引であった旨告白する文書がメールで届いたことが、翌23日に、藤光樹脂から藤倉化成に伝達され、架空取引で多額の被害が発生した蓋然性が強いことから、藤倉化成は社内に特別調査委員会を設置し、調査を開始した。
連結会計を学ぶ 【第8回】「みなし取得日」
連結貸借対照表の作成にあたっては、支配獲得日において、子会社の資産及び負債のすべてを支配獲得日の時価により評価する方法(全面時価評価法)により評価し、親会社の子会社に対する投資とこれに対応する子会社の資本は、相殺消去すると規定されている(連結会計基準20項、23項。投資と資本の相殺消去)。
株式の取得日(支配獲得日)が子会社となる会社の決算日と同一であれば、株式の取得日(支配獲得日)の当該子会社の財務諸表を利用して、連結財務諸表を作成すればよい。
《速報解説》 マイナス金利下の割引率の取扱いを定めた実務対応報告第34号の適用時期に関する公開草案が公表~金利水準に大きな変化が生じる状況にない間は適用を継続~
平成29年12月7日、企業会計基準委員会は、「実務対応報告第34号の適用時期に関する当面の取扱い(案)」(実務対応報告公開草案第54号)を公表し、意見募集を行っている。
《速報解説》 ASBJ、「仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」を定めた実務対応報告の公開草案を公表~活発な市場の有無による期末の評価方法等について規定~
公開草案は、資金決済法に規定するすべての仮想通貨を対象としている(公開草案3項)。
資金決済法では、前払式支払手段発行者が発行するいわゆる「プリペイドカード」や、ポイント・サービス(財・サービスの販売金額の一定割合に応じてポイントを発行するサービスや、来場や利用ごとに一定額のポイントを発行するサービス等)における「ポイント」は、資金決済法上の仮想通貨には該当しないとされている。
《速報解説》 仮想通貨に関する所得の計算方法等について国税庁が情報(FAQ)を公表~仮想通貨の売却や交換、証拠金取引から分裂、マイニング等までの取扱いを示す~
ビットコイン、イーサリアム、リップルなどの仮想通貨は、インターネットを通じて物品やサービスの対価の決済手段と使用でき、円やドル、ユーロなどの法定通貨とも交換ができる。
これら仮想通貨は、法的根拠に違いはあるものの、円やドル、ユーロなどの法定通貨と同じ役割であり、広義の通貨と解釈できる。
《速報解説》 適用2年目を対象とした「監査役の視点によるコーポレートガバナンス・コードの分析」が公表される~「コンプライ」の比率が増加傾向に、初年度から変化が見られた開示事例の紹介も~
平成29年12月1日、日本監査役協会のケース・スタディ委員会は、「監査役の視点によるコーポレートガバナンス・コードの分析-適用2年目における開示事例等の分析-」(以下「報告書」という)を公表した。
平成28年11月の「『コーポレートガバナンス・コード(第4章)』の開示傾向と監査役としての視点-適用初年度における開示分析-」に続くものであり、報告書では、開示傾向の変化、「コーポレートガバナンス・コード」の第4章以外の「監査役」が明記されている原則についても、開示事例の抽出と開示内容の傾向を調査している。
monthly TAX views -No.59-「平成30年度税制改正の隠れた見どころ」
平成30年度税制改正の議論が佳境にさしかかっている。所得税では、「働き方改革への対応」と「所得再分配機能の強化」の2つをメインテーマとして、給与所得者の経費控除である給与所得控除の上限の引下げと合わせて基礎控除の引上げが、ほぼ税収中立(若干のネット増税?)で決まりそうだ。この見直しで増税になる給与収入は800万円程度になる。
組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第16回】
上記のように、資産及び負債を帳簿価額で引き継いだものとして計算し、当該資産及び負債の帳簿価額から計算される純資産価額により、株主への交付を行ったものとみなして計算するものとされている。ただし、次回(【第17回】)で解説するように、被合併法人の利益積立金額を合併法人に引き継ぐこととされているため、法人税法2条17号ハに規定する純資産価額とは、「被合併法人の当該適格合併の日の前日の属する事業年度終了の時の当該移転資産の帳簿価額から当該移転負債の帳簿価額及び当該適格合併に係る次号ニに掲げる金額を減算した金額」を意味する(なお、次号ニに掲げる金額とは、適格合併により引き継ぐ利益積立金額のことをいう)。
