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[無料公開中]金融・投資商品の税務Q&A 【Q36】「個人が匿名組合契約に基づき太陽光発電事業に投資を行い利益の分配を受ける場合の課税関係」

筆者:箱田 晶子

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金融投資商品税務

【Q36】

「個人が匿名組合契約に基づき太陽光発電事業に投資を行い利益の分配を受ける場合の課税関係」

 

PwC税理士法人
金融部 パートナー
税理士 箱田 晶子

 

[Q]

私(居住者たる個人)は太陽光発電事業を行う内国法人A社(営業者)との間で匿名組合契約を締結し、当該契約に基づき匿名組合員としてA社に対し出資を行っています。毎年A社から匿名組合契約に基づく利益の分配又は損失の分配がありますが、この所得はどのように取り扱われますか。

[A]

匿名組合契約上、その年中に組合員が受けるべき匿名組合利益分配を雑所得として所得認識する必要があります。

損失の分配は、他の所得との損益通算はできません。

検 討

1 太陽光発電事業

太陽光発電事業は、一般的に、特別目的会社(SPC)が太陽光パネルを取得し、当該太陽光パネルを使用して売電収入を得ることにより、収益を獲得するスキームです。太陽光パネルの購入には多額の資金を必要とするため、金融機関等から借入れを行うほか、出資者から出資を募ります。一般的な出資形態の一つとして匿名組合型があります。

匿名組合型の場合、営業者は一般的に、匿名組合事業に係る利益の計算上、太陽光パネルについて税務上の限度額まで減価償却を行い、減価償却費計上後の損益を匿名組合員に分配します。

 

2 匿名組合員の所得税課税

匿名組合の損益は、匿名組合の営業者及び匿名組合員の損益として法人税又は所得税の課税対象となります。匿名組合の税務上の取扱い概要については【Q27】のとおりです。

匿名組合員たる個人(居住者)が匿名組合契約に基づき営業者から受ける利益の分配は、20.42%の源泉税が課された上で、所得税課税の対象となります。所得分類は、原則として雑所得とされます(ただし、匿名組合員が匿名組合契約に基づいて営業者の営む組合事業に係る重要な業務執行の決定を行っているなど組合事業を営業者と共に経営していると認められる場合には、営業者から受ける利益の分配は、当該営業者の事業の内容に従って事業所得又はその他の各種所得に所得分類されます)。

雑所得として取り扱われる匿名組合に基づく利益の分配は、所得税法上、総合課税の対象とされます。匿名組合に基づく利益の分配に源泉税が課される場合における当該源泉税額は、所得税額から控除することができます。

損失の分配については、雑所得のマイナスとして取り扱われるため、他の所得との損益通算はできません。また、匿名組合契約において、投資家に対し、各計算期間に損失の負担を求めず、匿名組合契約の終了時に損失分担義務を負うこととしている場合は、当該損失は各計算期間において未だ確定していないことから、当該計算期間の各種所得の計算上匿名組合員たる個人の雑所得の必要経費に算入することはできないとされています(翌営業年度以降に当該匿名組合事業に利益が生じた場合については、出資の欠損額を填補した後に分配を受ける利益が、各種所得の金額の計算上総収入金額に算入されることになります)(【Q27】参照)。

 

3 本件へのあてはめ

匿名組合員たる個人が匿名組合契約に基づき営業者から受けるべき利益の分配は、原則として雑所得として総合課税の対象となります。確定申告により、利益の分配に課された源泉税を控除することができます。

損失の分配は、他の所得との損益通算はできません。

 

【参考(関連条文)】
所基通2-536・37共-21

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

連載目次

金融・投資商品の税務Q&A

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【Q31】~

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筆者紹介

  • 箱田 晶子

    (はこだ・あきこ)

    PwC税理士法人 金融部 パートナー。 税理士。

    金融機関、ファンド等に対し、内外の投資信託、仕組債、リッパケージローン等の金融商品に関する税務上のアドバイス、クロスボーダーのファンド投資ストラクチャー組成に関する税務コンサルティングサービスを数多く行っている。

    【主な共著書】
    ・『金融・投資商品の税務Q&A』共著(清文社)
    ・『逐条解説投資信託約款』共著(金融財政事業研究会)
    ・『投資ストラクチャーの税務(九訂版)』共著(税務経理協会)
    ・『信託の税務』共著(税務経理協会)
    ・『法人税重要事例400』共著(税務研究会)

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