居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第30回】「親族の範囲」-特殊関係者に対する譲渡-
X(夫)とY(妻)は、家屋とその敷地を共有(各持分1/2)し、居住の用に供していましたが、本年4月、Xの転勤に伴いその家屋と敷地を売却することにしました。
たまたまYの妹の夫であるZの経営するA社(Zの持株割合が80%)が住宅を探していたことを知り、その家屋と敷地をA社に売却しました。
売却については、地価の下落による多額の譲渡損失が発生し、XとYは銀行に住宅ローンを組んで、転勤地にマンションを共有(各持分1/2)で購入し、本年10月から居住の用に供しています。
なお、X・YとZは生計も住居も別です。
他の適用要件が具備されている場合、XとYは「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を受けることができるでしょうか。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第95回】「節税義務なるものの正体(その1)」
そこで、比較的長期間のスケジュールで、「租税回避」について考えてみたいと思っております。そもそも、租税回避とは何か、課税庁による租税回避の試みに対する否認構成はどのような形でなされるのかといった点について、多くの事例を紹介しながら、独自の目線で述べていきたいと考えております。
再開第1回目の今号からは、租税回避を考えるに当たって、租税専門家に課されているといわれることがある「節税義務」ないし「節税措置義務」なるものの正体を明らかにしたいと考えます。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第1回】「更正決定処分をするための税務署側の手続」
クライアントの税理士に対する期待は、税務調査において特段の指摘事項を受けることがないように各事業年度の税務申告を履行することであって、弁護士が扱うような紛争処理を期待されているのではない。
とはいえ、税務調査の過程において誤った法令解釈や事実認定がなされることにより、また、法令解釈に対して事実を誤って当てはめられることにより更正・決定処分がなされ、納税者が不測の経済的損害を被る場面に立ち会うこともあり得る。
そのような場面においては、税理士は、国税に関する法律専門家として、納税者の権利救済を積極的に担うべきであるし、少なくとも不服申立て制度の枠内においては代理人として活動することが認容されている。
〔疑問点を紐解く〕インボイス制度Q&A 【第2回】「免税事業者が適格請求書発行事業者の登録をする場合の経過措置」
開業以来ずっと免税事業者である個人事業者です。インボイス制度によって「免税事業者である」ことが取引先に明らかになると、価格交渉が難しくなりそうなので、適格請求書発行事業者の登録をしようと考えています。申請はどうしたら良いですか。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第29回】「海外居住者の相続税と国外転出時課税制度」
私Aは、製造業を営むX社(非上場会社)の社長です。X社の株式は私が40%、後継者の息子B(日本国籍)が60%を所有しています。Bは3年前からシンガポールにあるX社の子会社Y社へ出向しており、妻Cと長男D(いずれも日本国籍)と共にシンガポールで暮らしています。
Bが日本から出国する際には、私がBの納税管理人となり国外転出時課税の納税猶予の適用を受けました。
Bは今年帰国する予定だったのですが、新型コロナウイルスの影響で子会社の経営状況が悪化しており、その立て直しのため出向期間を延長することになりました。このような状況下で、万が一Bの相続が発生した場合に相続はどうなるのかが心配です。Bが海外居住中に相続が発生した場合の相続税の取扱いについてご教示ください。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q63】「投資一任口座(ラップ口座)を源泉徴収選択口座で開設する場合の投資顧問報酬の控除」
私(居住者たる個人)はA証券会社との間で投資一任契約を締結し、資産運用専用のラップ口座を開設しました。当該ラップ口座は、A証券会社における特定口座として開設すると同時に、特定口座源泉徴収選択届出書を提出しました。
A証券会社は、当該投資一任契約に基づき、私に代わり、投資資金の運用に関する投資判断とその執行をします。投資対象は上場株式等(所有期間は原則1年以下)です。私は当該投資一任契約に係る投資顧問報酬として、A証券会社に対して、固定報酬及び成功報酬を支払いますが、これらの報酬は当該ラップ口座に係る投資所得の計算ではどのように取り扱われますか。
居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第29回】「生計を別にする兄弟姉妹へ譲渡した場合(特殊関係者の範囲)」-特殊関係者に対する譲渡-
Xは、20年前に取得した居住用家屋とその敷地を、本年3月に、Xの弟であるY(XとYは生計も住居も別で、譲渡後に当該家屋に同居する予定もありません)に売却しましたが、地価の下落による多額の譲渡損失が発生しました。
その売却金額だけでは新居の売買価額に至らず、住宅ローンを組んで購入し、本年5月から居住しています。
譲渡先が親族の場合でも、「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を受けることができるでしょうか。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第53回】
法人税法22条の2第4項は、資産の販売等に係る収益の額として第1項又は第2項の規定により、その事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入する金額は、「別段の定め(前条第4項を除く。)があるものを除き」、その販売又は譲渡をした資産の引渡しの時における価額、あるいはその提供をした役務につき通常得べき対価の額に相当する金額とすると規定している。
《速報解説》 中小企業庁、経営者の高齢化や新型コロナの影響に対応し「中小M&A推進計画」を取りまとめる~今後5年間に実施すべき官民の取組を示す~
中小企業庁は、2021年4月28日に「中小企業の経営資源集約化等に関する検討会」における検討を踏まえ、中小M&Aを推進するため今後5年間に実施すべき官民の取組を「中小M&A推進計画」として取りまとめた。