《速報解説》 消費税法施行令の一部改正により税率10%引上げ時の経過措置規定を整備~新たにリサイクル料金等に関する経過措置を追加~
平成26年9月30日付け官報号外第216号において、「消費税法施行令の一部を改正する政令」が公布された(改正後の政令は平成27年10月1日から施行される)。
この改正により、消費税率が5%から8%へ引き上げられた際に設けられた経過措置規定を8%から10%へ引き上げる際にも準用されることとなった。
《速報解説》 国税庁、書画骨とう等の減価償却の取扱いの変更に向けパブコメ~減価しない美術品等の範囲を取得価額基準20万円から100万円へ引上げに
国税庁は、10月10日に減価しない美術品等の範囲を取得価額20万円以上から100万円以上へと引き上げる見直し案をパブリックコメントに付した。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第22回】「法人税法22条2項の「取引」の意義(その1)」
租税法中に用いられている概念は固有概念と借用概念に分類することができるが(すでにここでも紹介したとおり、「一般概念」として捉えるものもあり得る。)、その多くは借用概念であるといえよう。もっとも、ある用語が租税法固有の概念ではなく借用概念であると捉えたとしても、果たしてどこから借用してきたのかという点が議論されることもある。
法人税改革における各検討事項が連結納税制度の採用(有利・不利)に与える影響 【第2回】「研究開発税制、欠損金の繰越控除制度等の見直し」
試験研究費の総額に係る税額控除(措法42の4①、措法68の9①)について、単体納税では、連結子法人において個別所得が発生しないため、その連結子法人で税額控除を受けられなかった試験研究費について、連結納税により、連結納税グループ全体で連結所得が発生することにより、税額控除が受けられる場合がある。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第11回】「資産調整勘定の計上(東京地裁平成26年3月18日判決)③」
前回同様、本事件における争点は2点あるが、【争点1】については、第1回から第8回に解説した内容と変わらないため、本稿においては【争点2】についてのみ解説を行う。
前回、解説したように、被告の主張としては、本来であれば適格分社型分割になるものを、非適格分社型分割になるようにした行為であると主張し、原告の主張としては、ごく自然に行われている取引であると主張し、あまりかみ合わない内容となっている。
本稿においては、これを受けて、裁判所がどのような判断を行ったのかについて解説を行うものとする。
こんなときどうする?復興特別所得税の実務Q&A 【第11回】「2ヶ所から給料をもらう場合の源泉徴収」
Q 私は、A社に勤務するサラリーマンです。副業として飲食店を経営するため、B社を設立し、代表取締役に就任しました。飲食店の運営は店長に任せて、私はA社でサラリーマンを続けます。私がB社から受け取る役員報酬は、月額8万円、50万円、120万円のいずれかにする予定です。「給与所得者の扶養控除等申告書」はA社に提出済みのため、B社には提出しません。また、社会保険はA社にて加入済みのため、B社では加入しません。
税務判例を読むための税法の学び方【45】 〔第6章〕判例の見方(その3)
前回、判決の結果を導いた論点に対する法律的判断の核心部分が「判例」である旨記した。
では、具体的にどのようなものが、この「判例」に含まれる法律的判断になるのであろうか。
交際費課税Q&A~ポイントを再確認~ 【第1回:2014年10月改訂】「交際費の範囲」
これらの改正により、実務の現場において交際費等に係る判断及び処理を行うケースが増えることが予測されることから、本連載では、今回の改正に係るポイントだけでなく、改正前から存在する交際費課税に係るさまざまな論点についても、Q&A形式で改めて確認していくこととする。
《速報解説》 国税不服審判所「公表裁決事例(平成26年1月~3月)」~注目事例の紹介~
国税不服審判所は、9月30日、「平成26年1月から3月分までの裁決事例の追加等」を公表した。
今回追加されたのは表のとおり、全10件の裁決となっていて、3ヶ月ごとに区切って公表されている裁決の数としては、やや少なくなっている。
今回公表された裁決では、国税不服審判所によって課税処分等が全部又は一部取消された事例が6件、すべて棄却された事例は4件であった税法・税目としては、所得税法関係が5件と半数を占め、国税通則法及び国税徴収法が各2件、消費税法が1件であったが、法人税、相続税については、今回、公表事例はなかった。
monthly TAX views -No.21-「消費税率引上げと法人税減税は同時の決断に」
本年4月に実行された消費税率8%への引上げが、景気に「想定外」の悪影響を与えており、来年10月からの消費税率10%への引上げが「にわかに怪しくなった」というのが、最近のマスコミ論調だ。
確かに、中小企業や地方企業の賃金引上げは本格化しておらず実質賃金の減少は続いており、また円安によるガソリン価格上昇などの影響も考慮すると、簡単に10%への引上げを決断できるような状況にないことはその通りだ。