令和2年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第3回】「「事業年度」「申告・納付等」」
損益通算や欠損金の通算など通算申告を行う通算事業年度は、通算親法人の事業年度とする(法法14③、64の5①③、64の7①、地法72の13⑦)。
この場合、通算子法人の会計期間が通算親法人の会計期間と異なる場合でも、その通算子法人は、通算親法人の会計期間を税務上の事業年度として通算申告を行うこととなる(法法14⑦)。
Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第4回】「〔第1表の1〕同族株主の判定」
乙は甲から相続により、非上場会社であるA社の議決権総数30%にあたる株式を取得しています。筆頭株主は丙であり、丙の同族関係者として乙は含まれていないと考えられますので、乙は同族株主以外の株主として特例的評価方式(配当還元価額等)が適用されるのでしょうか。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q57】「投資法人からの利益超過分配に関する課税関係」
私(居住者たる個人)は上場投資法人(リート(REIT))の投資口を保有しています。このリートから、金銭の分配金について、下記の通知がありました。
今回の分配金には、利益剰余金を原資とするものと出資総額を原資とするものがあるとのことですが、確定申告に際して、どのように取り扱えばよろしいでしょうか。
なお、投資口の取得価額は300,000円、リートから通知された払戻し等割合は0.1%です。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第19回】「死因贈与で上場会社株式を発行会社に贈与する場合の課税関係」
私は上場会社C社の創業者のIです(C社からは退職しています)。現在、C社の株式を9.80%保有しており時価は約10億円です。
私には子供がおらず、両親は他界しており、妻Yと兄Jがいます。
兄Jに財産を残す気はないため、財産はすべて妻Yに相続させる旨の遺言を書く予定ですが、C社株式については妻に相続させたとしてもいずれ市場に放出させることになるため、相続させないでおこうと考えています。
C社株式を生前に市場に放出するとC社の株価に影響しますし、妻Yに残す財産はC社株式以外にも十分ありますので、C社株式については、私とC社で死因贈与契約を締結し、私が死亡した際にC社に贈与することを検討しています。
この場合の課税関係について教えてください。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第61回】「消費税不正還付請求事件」~大阪高判平成16年9月29日(税務訴訟資料254号順号9760)~
A社代表者Bは、米国法人C社に対し、電子機器等の輸出取引(本件輸出取引)をしたが、A社の従業員Xに指示して、Xが本件輸出取引をしたものと仮装させ、消費税の控除不足還付税額があるとして、消費税の確定申告(還付申告)をさせた。そして、これに基づき、Xは、Y税務署長から消費税の還付を受けた。
しかしその後、Y税務署長は、本件輸出取引はXでなくA社によるものであり、Xに控除不足還付税額はないとして、Xに対し、更正処分及び重加算税の賦課決定処分をした。そこで、Xが当該処分の取消しを求めて提訴したのが本件である。
monthly TAX views -No.90-「ドイツの消費税時限減税から考える」
今後、第2波、第3波が予想される新型コロナ問題だが、ドイツメルケル政権は経済対策として、20年7-12月の期間限定で消費税率を19%から16%へ(軽減税率は7%から5%へ)引き下げる決定をした。
わが国でも従来からコロナ経済対策として、消費税減税を主張する声が、特に自民党の若手議員や野党から上がっており、今回のドイツの決定がわが国にも影響を及ぼすことが考えられる。
居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度の適正化-令和2年度税制改正- 【第4回】「新型コロナ税特法等に係る措置」
新型コロナウイルス感染症の影響により、設備投資計画の変更や事務処理能力の低下が生じた場合、消費税の納税義務に関する制限や簡易課税制度選択の制限が、業績回復の妨げになりかねない。
そこで消費税については、4月30日に公布・施行された新型コロナ税特法(新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律)によって、「消費税の課税選択の変更に係る特例」及び「納税義務が免除されない制限を解除する特例」の2つの措置が設けられた。
〔Q&Aで解消〕診療所における税務の疑問 【第1回】「診療所の収入の所得区分と消費税の課税関係」
診療所の収入の所得区分で判断に迷うものがいくつかあります。
以下の収入について、所得区分及び消費税の課税関係を教えてください。
① 自治体から委託を受けた予防接種や検診収入
② 休日夜間診療の報酬
③ 産業医の報酬
④ 原稿料、講演料
令和2年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第2回】「「適用法人の範囲」「適用方法」」
グループ通算制度の適用対象となる法人は、適用の承認を受けた「通算親法人(次の法人に限る)及び通算親法人との間に通算親法人による完全支配関係がある通算子法人(次の法人に限る)」の全てとなる(法法64の9①)。
Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第3回】「〔第1表の1〕株主判定と配当還元価額の適否」
下記の通り、経営者甲が所有しているA社株式の全て(議決権総数の44%に相当する株式)を後継者乙に贈与する場合において、A社が有しているB社(大会社に該当)の株式の評価方式は原則的評価方式(類似業種比準価額)が適用されるのでしょうか。それとも特例的評価方式(配当還元価額等)が適用されるのでしょうか。
なお、C社、D社、E社、F社、G社、H社、I社が有しているA社株式は、甲から購入したものであり、いずれもB社の主要な取引先となります。A社株式の譲渡をする場合には、A社取締役会の承認が必要であるものとされています。
A社株式の議決権行使は甲に一任されておらず、C社からI社のそれぞれの会社が議決権行使をしていますが、甲は1社でも味方につければ50%超の議決権の行使が可能となり、甲は実質的にA社を支配している状態にあります。