日本の企業税制 【第42回】「政府による電子申告推進の取組み」-電子申告の義務化実現と法人の利用率100%を目標に-
3月29日に、政府の規制改革推進会議(議長:大田弘子政策研究大学院大学教授)は、その傘下の行政手続部会(部会長:髙橋滋法政大学法学部教授)の取りまとめ「行政手続コストの削減に向けて」の報告を受け、行政手続コスト削減を巡る議論を行った。
会議に出席した安倍首相は議論を踏まえ、次のように述べた。
平成29年度税制改正における『組織再編税制』改正事項の確認 【第2回】
平成29年度税制改正では、スクイーズアウト税制として、以下の見直しがなされている。
このうち、⑤であるが、発行済株式の3分の2以上を支配した後に、現金交付型合併又は現金交付型株式交換を行ったとしても、金銭等不交付要件に抵触しないことを意味している。そして、法人税法上、支配関係が成立しているかどうかは、合併又は株式交換の直前とその後の継続見込みで判断する。
電子マネー・仮想通貨等の非現金をめぐる会計処理と税務Q&A 【第3回】「プリペイド方式の電子マネーにより経費決済を行った場合の税務上の留意点」
[Q]
プリペイド方式の電子マネーを使用して経費決済を行った場合の税務上の留意点について教えて下さい。
相続税の実務問答 【第10回】「代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算」
母が昨年10月に亡くなりました。相続人は、兄と私の2人です。母の遺産は、母が亡くなるまで住んでいた自宅建物及びその敷地と1,000万円相当の株式などでした。遺産分割協議の結果、母が居住の用に供していた建物及びその敷地は、兄が相続し、これまで賃貸マンションに住んでいた兄の一家が居住することになりました。その建物及び敷地の相続税評価額は7,680万円ですが、遺産分割に当たっては、遺産を平等に分割することとし、この建物と敷地の通常の取引価額を9,600万円と見積もって、その半額である4,800万円を代償金として兄から支払いを受けることとなりました。なお、その他の財産は、2分の1ずつ相続します。
私が兄から支払いを受けた代償金には、相続税が課されるとのことですが、相続税の課税対象となる金額はどのように計算するのでしょうか。
特定居住用財産の買換え特例[一問一答] 【第11回】「立退料を支払って貸地の返還を受けた場合」-買換資産の範囲-
Xは、自己の居住用の土地家屋(所有期間が10年超で居住期間は10年以上)を売却しました。
買換資産の取得に当たり、従来から貸し付けていた土地の借地人Aに立退料を支払い、その貸地の返還を受けて、その土地の上に家屋を建築し、居住の用に供しています。
この場合、「特定の居住用財産の買換えの特例(措法36の2)」の適用を受けることができるでしょうか。
理由付記の不備をめぐる事例研究 【第21回】「雑収入(開店祝い金)」~開店祝い金の雑収入計上が漏れていると判断した理由は?~
今回は、青色申告法人X社に対して行われた「開店祝い金の雑収入計上漏れ」に係る法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた国税不服審判所平成14年12月19日裁決(裁決事例集64号頁。以下「本裁決」という)を素材とする。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第52回】「国会審議から租税法条文を読み解く(その1)」
租税法の解釈は文理解釈を第一として行われなければならないといわれることが多く(酒井克彦『レクチャー租税法解釈入門』6頁(弘文堂2015))、また、文理解釈は租税法律主義の考え方に最も合致しているともいえよう。
租税は、国民の財産権を侵害するものであるから、租税法の解釈において恣意性や揺らぎができるだけ排除されなければならないことはいうまでもない。
平成29年度税制改正における『組織再編税制』改正事項の確認 【第1回】
本誌198号で述べたように、平成28年12月8日に公表された与党税制改正大綱では、組織再編税制を大幅に見直すこととされており、具体的には、以下の点を改正することが明記されていた。
(1) スピンオフ税制
(2) スクイーズアウト税制
(3) 支配関係継続要件の見直し
(4) 株式継続保有要件の見直し
(5) 2段階組織再編成の見直し
(6) 資産調整勘定の償却の見直し
(7) 繰越欠損金、特定資産譲渡等損失の見直し
このうち、(2)から(5)までの改正は、平成29年10月1日の施行が予定されており、それ以外は、平成29年4月1日に施行されている。そして、平成29年3月31日の官報では、改正法人税法施行令が公表され、改正内容の全貌が明らかになった。
特定居住用財産の買換え特例[一問一答] 【第10回】「居住用家屋の取得に伴って建物附属設備や応接セット等を取得した場合」-買換資産の範囲-
Xは、居住用財産の買換資産として家屋を新築した際に、セントラルヒーティング設備を建物の請負先とは異なる他の業者に注文して取り付けました。
また、新築に際し、応接セットや書斎の家具、台所の電気器具を新調しました。
この場合、Xは、すべてが家屋に係る買換資産として「特定の居住用財産の買換えの特例(措法36の2)」の適用対象とすることができるでしょうか。
