Ⅸ 後発事象に関する会計基準
2026年1月9日にASBJより企業会計基準第41号「後発事象に関する会計基準」(以下、「後発事象基準」という)及び「後発事象に関する会計基準の適用指針」(以下、「後発事象指針」という)が公表された。日本では、後発事象に関する会計基準がなく、日本公認会計士協会から公表されていた監査・保証基準委員会 監査基準報告書560実務指針第1号「後発事象に関する監査上の取扱い」をもとに会計処理も検討されていたが、後発事象基準が公表されたことにより、会計基準の体系化がより進んだ。
1 後発事象の定義
「後発事象」は、以下のとおり定義された(後発事象基準4)。
決算日後に発生した企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす事象のうち、評価期間の末日までに発生した事象
修正後発事象と開示後発事象は、以下のとおり定義された(後発事象基準5、6)。
| 修正後発事象 | 決算日後に発生した事象ではあるが、その実質的な原因が決算日現在において既に存在しており、決算日現在の状況に関連する会計上の判断又は見積りをする上で、追加的又はより客観的な証拠を提供するものとして考慮しなければならない事象 |
| 開示後発事象 | 決算日後において発生し、当期の財務諸表には影響を及ぼさないが、翌期以降の財務諸表に影響を及ぼす事象 |
2 後発事象の評価期間
(1) 原則
後発事象の評価期間の末日は、原則として、財務諸表の公表の承認日とする(後発事象基準7)。「財務諸表の公表の承認日」は、財務諸表を公表することを承認する権限を有する社内の機関又は個人が公表を承認した日付を指す(後発事象基準BC16)。
今までは監査報告書日を評価期間の末日としていたが、IFRSと同様に財務諸表の公表の承認日とされた。
(2) 会社法の場合
会計監査人設置会社において会計監査人により監査される計算書類及び附属明細書(計算書類等)又は連結計算書類に関する後発事象の評価期間の末日は、企業が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準及び会社計算規則に準拠して計算書類等又は連結計算書類を作成する監査契約上の責任を果たしたことを確認した日(確認日)とする(後発事象指針4)。確認日は、通常、経営者確認書の日付と同一になる(後発事象指針BC7)。
3 会計監査人設置会社における確認日後に発生した修正後発事象の取扱い
以下の(1)及び(2)の事象については、修正後発事象として取り扱わず、開示後発事象に準じて取り扱い、重要な開示後発事象に関する注記を行う(後発事象指針5、BC11)。
| (1) | 計算書類等に関する確認日後、個別財務諸表の公表の承認日までに発生した後発事象(修正後発事象)に該当する事象 |
| (2) | 連結計算書類に関する確認日後、連結財務諸表の公表の承認日までに発生した後発事象(修正後発事象)に該当する事象 |
4 注記
以下の注記を行う(後発事象基準10、11)。連結財務諸表を作成している場合、連結財務諸表における注記と個別財務諸表における注記が同一の内容であるときには、個別財務諸表においては、その旨の記載をもって代えることができる(後発事象基準12)。
➤財務諸表の公表の承認日
➤財務諸表の公表を承認した機関又は個人の名称
➤重要な開示後発事象の内容及び影響額等
➤影響額の見積りができない場合、その旨及び理由
5 適用時期
2027年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用する(後発事象基準13)。適用初年度においては、後発事象基準及び後発事象指針を 2027年4月1日以後開始する事業年度の期首から将来にわたって適用する(後発事象基準14)。
(連載了)




















