無料公開記事
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔法務面のアドバイス〕 【第3回】「被災による取引関係の法律問題」
災害によって建物が滅失し、賃貸借契約が終了する場合には、賃借人は賃貸人に対して敷金の返還を請求することができる。敷金返還請求権は、本来であれば賃借人が賃貸人に目的物を返還した時に発生すると解されているが、建物が滅失した場合には目的物の返還そのものが観念できないからである。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔法務面のアドバイス〕 【第2回】「被災による財産関係の法律問題」
災害発生時は避難が最優先されるため、通帳、キャッシュカード、銀行印等を携帯して避難することができないことが多く、災害発生後に保管場所に戻っても紛失していることが多い。
金融機関が通帳等の紛失した預金者からの預金払戻請求に応じることは、「便宜払い」などと呼ばれており、大規模災害が発生した場合には、災害の規模や範囲等によって異なる部分もあるが、多くの金融機関がこの「便宜払い」に応じることがある。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔法務面のアドバイス〕 【第1回】「災害に関する主な法律」
災害対策基本法は、我が国の災害対策関係法律の一般法である。
災害対策基本法は、防災に関する責務の明確化、総合的防災行政・計画的防災行政の整備、災害対策の推進、激甚災害に対処する財政援助等、災害緊急事態に対する措置等の災害対策に関する基本的事項を定めている。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第8回】「大規模災害時の特例措置(その3)」~その他の特例~
【第6回】においては災害損失特別勘定、【第7回】においては固定資産に関連する特例について解説した。【第8回】においては、大規模災害時におけるその他の特例について解説する。
以下で解説する各特例は、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(震災特例法)に基づいて解説していく。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第7回】「大規模災害時の特例措置(その2)」~固定資産に関連する特例~
【第6回】においては、災害損失特別勘定について解説した。【第7回】においては、その他の固定資産に関連する特例について解説する。ここで解説する各項目は、以下の法令又は通達に基づいて解説していく。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第6回】「大規模災害時の特例措置(その1)」~災害損失特別勘定~
阪神大震災や東日本大震災のように、災害の被害状況が甚大である場合には、特例法や国税庁の個別通達による特例措置がとられることがある。【第6回】から【第8回】においては、これらの大規模災害時の特例措置について解説する。
これらの特例措置は、大規模災害の都度設定されるものであり、今後も必ず同様の内容となるとは限らない。しかし、平成28年4月に発生した熊本地震における特例措置(個別通達)は、東日本大震災時の特例措置を参考として概ね同様の内容となっていることから、今後特例措置が設定される際も同様であると考えられる。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第5回】「被災資産の復旧費用・評価損等、災害損失欠損金の取扱い」
法人が固定資産の復旧作業を行う場合、これに要した費用を資本的支出として資産計上するのか、修繕費として損金算入するのかを判定する必要がある。このとき、どちらに該当するかは通常、次の通りに判定を行う(法基通7-8-1、7-8-2)。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第4回】「被災した取引先に対する支援の取扱い」
被災前の取引関係の維持・回復を目的として、災害発生後相当の期間内(取引先の復旧過程)において、法人が取引先に対して災害見舞金を支出した場合は、交際費等として取り扱わず全額を損金に算入する(措通61の4(1)-10の3)。
これは、災害見舞金の支出が単なる慰安・贈答のためではなく、取引先の復旧を手助けすることにより、自らが蒙る可能性のある損失を回避するためのものと考えられるからである。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第3回】「義援金、災害見舞金等の取扱い」
災害が発生した際に法人が義援金を支出した場合、法人税法上は寄附金として取り扱い、損金に算入されるか否かはその支出先によって異なる。その義援金が「国又は地方公共団体に対する寄附金」や「財務大臣が指定した寄附金(指定寄附金)」に該当する場合は、その全額が損金に算入される(法法37③)。