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〈小説〉『国税審査官エイトの勤務日誌』~ある国税不服審判所の記録~【第3話】「お天気の葛本審査官①」
大阪国税不服審判所は、合同庁舎の13階にある。13階の全てのフロアーが審判所である。なお、合同庁舎の1階から3階までが税務署で、4階から12階は国税局である。夜遅くなっても、国税局の窓だけは明るい。
永途がエレベーターに乗ろうとすると、後ろから、中年の男が駆け足でエレベーターに滑り込んでくる。
細身で、メガネをかけた男は、ニャニャ笑いながら、永途に「えらい、良い天気ですね」と声をかける。
永途は、中年の男に、軽く頷く。
13階で、エレベーターが止まると、中年の男も永途の後に続いて出る。
PJ Bookmark-April 2026- 「役員報酬の「期首改定」、死角はありませんか?」
PJ Bookmarkは、ひとつのテーマに対し、関連する記事を連載・分野を横断して編集部がご紹介させていただきます。ふだんお読みの連載とは別の連載の中に、思いがけず役に立つ記事が見つかる──そんなきっかけになれば幸いです。
相続税の実務問答 【第117回】「相続時精算課税を適用した財産の評価額が誤っていた場合の相続税の申告」
私は、平成25年に、父からH市の宅地の贈与を受け、相続時精算課税を適用して贈与税の申告をしました。この宅地の面積は、660㎡です。申告に当たり、当時の財産評価基本通達の定めにより広大地として評価することを検討しましたが、関与税理士から「この土地の最適な利用方法は、マンションの敷地としての利用であると認められるから、広大地としての評価をすることはできない」と言われ、広大地としての減額評価をせずに贈与税の申告をしました。
昨年8月に父が亡くなりましたので、父から贈与された宅地の贈与時の価額を相続税の課税価格に加算して相続税の申告をしなければなりません。私としては、この宅地を「広大地」として評価することはできないとの当時の判断に納得がいかないので、相続税の申告において相続税の課税価格に加算するこの宅地の価額について広大地評価通達を適用して評価した価額としたいのですが、可能でしょうか。
社長からの無理難題の断り方・かわし方 【第3回】「SNS投稿用の衣装・バッグ等の購入費用」
先生、私は個人事業主としてSNSで収益を得ているんですけど、投稿用に買った衣装やバッグが結構な金額になっているの。
実際にSNSの投稿で使ってるから、これって全部経費でいいわよね?
私服としても使えそうだけど、ちゃんと仕事で使ってるんだから問題ないですよね?
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第88回】
しかしながら、前回のような調査手法によっても、暗号資産の匿名性や分散性がもたらす税務執行上の問題を完全に克服することはできない。
まず、メルカリ等で暗号資産取引の経験を積んだ利用者の一部が、暗号資産取引の世界のより深いところに足を踏み入れる可能性がある。
2026年3月期決算における会計処理の留意事項 【第1回】
3月の決算の時期が近づいてきました。当期も決算にあたり、確認及び検討しなければいけない事項が多くあります。そこで、3回にわたり2026年3月期決算における会計処理の留意事項を解説します。
なお、本解説では、3月31日を決算日とする会社を前提に解説しています。
〈小説〉『国税審査官エイトの勤務日誌』~ある国税不服審判所の記録~【第2話】「剛速球の田中」
新任の挨拶で、永途は少し緊張しながら、田中審判官の前に立っている。
田中審判官は、第二部の担当審判官である。
「君は・・・法人部門だったね」
田中審判官は、永途の履歴に目に落としたまま、確認するように言った。
「はい。法人税部門には5年間、勤務しておりました」
「5年か。実調はどの程度経験した?」
「法人を中心に、120件ほどかと思います」
田中審判官の前任職は、国税局の調査部の統括官である。国税局内の噂では、相当な理論家であるらしい。それゆえ、『剛速球の田中』というあだ名がついているくらいだ。
書く論 【第3回】「執筆依頼は断ることも大切」
全国の編集者を敵にまわすようなタイトルになってしまいました。。。
今回は少し趣向を変えて、「見られている」ということについて、お伝えします。
事務所や法人に勤務されていた士業者の方が、独立を機に本を出したい、原稿を書いてみたいということで、お話をいただくことがよくあります。
こちらとしても大変うれしくありがたいお話で、編集者として(いつもより?)積極的にその熱意をサポートしたいというものです。
ただこの時、あえて以下のようにお伝えすることがあります。
「今後、先生が執筆を続けていかれる中で、ご自身の著作歴については、十分注意してください」
原稿を書くことをはじめると、予想もしなかったところから執筆依頼が舞い込むこともあります。それらの媒体にはそれぞれの読者対象があり、運営する目的があります。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第56回】「「譲渡所得課税の趣旨」法理の「独走」とその解釈論的防止」-財産分与者譲渡所得課税[名古屋医師]事件・最判昭和50年5月27日民集29巻5号641頁-
今回は、前回にも言及した財産分与者譲渡所得課税[名古屋医師]事件・最判昭和50年5月27日民集29巻5号641頁(以下「昭和50年最判」という)を取り上げ、財産分与の場合における「譲渡所得課税の趣旨」法理(前回Ⅰ参照)の「独走」とその解釈論的防止について検討することにする。
