これからの国際税務
【第20回】
「電子経済課税ルール確立への最終局面における難題」
千葉商科大学大学院 客員教授
青山 慶二
1 はじめに
G20の政治的リーダーシップの下で、140ヶ国に及ぶ包摂的枠組国間で2020年内の合意達成に向け行われていた電子経済課税ルールに関する協議が、難題に直面している。今年1月末に、電子経済がもたらす莫大な超過収益の一部について、市場国に新たに課税権を付与する具体策の枠組みが合意され、その内容は2月開催のG20財務大臣中央銀行総裁会議において承認された。
合意された枠組みは、課税権の新たな付与の理論的根拠として、市場国の①ユーザー参加及びそのデータに着目する英国提案、②マーケティング無形資産の存在に着目する米国提案、更には、③重要な経済的存在(顧客、契約など)に着目するインドなど途上国提案のそれぞれを統合した「統合的アプローチ」と呼ばれるものである。
本稿では、この統合的アプローチ提案とそれに対し米国が提示した代替案を紹介し、当初目的としてきた今年中の新たな課税権付与を目指す国際合意を難しくしている状況を検証する。
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