これからの国際税務
【第4回】
「全世界所得課税方式と領域内所得課税方式」
早稲田大學大学院会計研究科 教授
青山 慶二
1 2つの方式
法人税の課税にあたっては、外国法人は国内源泉所得についてのみ納税義務を負うのに対し、内国法人は全世界で稼得する所得を対象に納税義務を負うものとされている。
内国法人の全世界所得を対象とする課税方式(外国税額控除権付)は、国内のみで事業活動を行う法人と国内・海外の両方で事業活動を行う法人との間での税負担水準を平等に保つ効果があり、資本輸出中立性を保証する課税手法といわれてきた。
ただし、この方式を前提にすると、子会社形態で海外での事業展開を行う本邦法人は、子会社からの配当を繰り延べることにより親会社の全世界所得課税も遅らせることが可能となる。
近年、海外子会社資金の国内還流が減少する一方、海外での留保所得が増加している現象が伝えられ、そのことが、本邦にある各種資金需要(株主に対する配当支払、従業員に対するインセンティブ報酬支払、研究開発資金等)とミスマッチを起こしているとの批判を呼んでいる。
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