税理士が知っておきたい
不動産鑑定評価の常識
【第25回】
「“実質賃料”と“支払賃料”の違い」
~鑑定評価では“実質賃料”が基本~
不動産鑑定士 黒沢 泰
1 はじめに
前回、前々回は収益還元法をテーマに解説しました。そこでは収益価格を求める基礎として、対象不動産に帰属する総収益を査定することから出発しました。ここで、あえて「総収益」ということばが使用されているのは、それなりの意味を含んでいます。
すなわち、総収益とは、借主から貸主に実際に支払われている賃料だけでなく、預かり敷金の運用益をはじめ実質的に貸主に帰属する経済的利益のすべて(=実質賃料)を指すからです。そして、鑑定評価において収益還元法を適用する際には、総収益が算定基礎とされます。それだけでなく、新規貸しの賃料を求める場合や契約が継続している状態での改定賃料(継続賃料)を求める場合も、実質賃料が先に決まり、これから敷金の運用益等を差し引いて支払賃料を求めるというステップを踏むこととなります。
このように、世間常識で捉える賃料と鑑定評価で基本とする(=鑑定評価の常識とされている)賃料との間には感覚的な隔たりがあるといっても過言ではないと思われます。そこで、今回は、実質賃料と支払賃料との相違について改めて考えてみます。
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