さっと読める! 実務必須の [重要税務判例] 【第11回】 「パチンコ平和事件」 ~最判平成16年7月20日(集民214号1071頁)~ 弁護士 菊田 雅裕 (了)
〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領 《有価証券》編 【第4回】 「有価証券の減損」 公認会計士・税理士 前原 啓二 はじめに 満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式並びにその他有価証券について、時価等が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、強制的に評価差額を損益計算書上の当期の損失として減損処理しなければなりません。 《有価証券》編の最終回となる今回は、【第2回】、【第3回】にご紹介した取扱いと異なるこの減損処理について取り上げます。 1 ×1年12月期の期末、×2年12月期における仕訳 (ⅰ) 〈×1年12月期の期末〉 (ⅱ) 〈×2年12月期の期首〉 (ⅲ) 〈×2年12月期の期末〉 満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式並びにその他有価証券のうち市場価格のあるものについて、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理しなければなりません。 市場価格のある有価証券の時価が「著しく下落した」ときとは、少なくとも個々の銘柄の有価証券の時価が、取得価額に比べて50%程度以上下落した場合をいいます。 この場合には、合理的な反証がない限り、時価が取得原価まで回復する見込みがあるとは認められず、減損処理を行わなければなりません(中小企業会計指針22)。 2 決算書の金額 ×1年12月期 〈貸借対照表〉 〈損益計算書〉 ×2年12月期 〈貸借対照表〉 〈損益計算書〉 3 上場有価証券の評価損に関する法人税法上の取扱い 上場有価証券等(企業支配株式に該当するものを除く)について、その価額が著しく低下し、帳簿価額を下回ることになった場合に、評価換えをして損金経理によりその帳簿価額を減額したときは、帳簿価額とその価額との差額までの金額を限度として評価損の損金算入が認められます(法法33②、法令68①)。 「価額が著しく低下した」とは、事業年度末の価額がその時の帳簿価額のおおむね50%相当額を下回ることになり、かつ、近い将来その価額の回復が見込まれないことをいいます(法基通9-1-7)。 法人側から、過去の市場価格の推移や市場環境の動向、発行法人の業況等を総合的に勘案した合理的な判断基準が示される限りにおいては、その基準が尊重されます。専門性を有する客観的な第三者の見解、例えば証券アナリストによる個別銘柄別・業種別分析や業界動向に係る見通し、発行法人に関する企業情報を用いて、その株価が近い将来回復しないことについての根拠が提示されるのであれば、合理的な判断であると認められます(上場有価証券の評価損に関するQ&A[Q1])。 また、株価の回復可能性の判断は、各事業年度末時点において行います。このため、翌事業年度以降に株価の上昇などの状況の変化があったとしても、そのような事後的な事情は、当事業年度末の株価の回復可能性の判断に影響を及ぼすものではなく、当事業年度に評価損として損金算入した処理を遡って是正する必要はありません(上場有価証券の評価損に関するQ&A[Q3])。 (《有価証券》編 終了)
経理担当者のための ベーシック会計Q&A 【第112回】 減損会計⑦ 「のれんの取扱い」 仰星監査法人 公認会計士 横塚 大介 〈事例による解説〉 〈会計処理〉(単位:百万円) ① C店舗の減損 (※1) 固定資産簿価120百万円>割引前将来キャッシュ・フロー100百万円 ∴減損必要 減損損失50百万円=固定資産簿価120百万円-回収可能価額70百万円 ② のれんの減損 (※2) レストラン事業固定資産簿価合計500百万円>レストラン事業割引前将来キャッシュ・フロー440百万円 ∴減損必要 減損損失120百万円=固定資産簿価合計500百万円-回収可能価額380百万円 のれんの減損損失70百万円=減損損失120百万円-C店舗の減損損失50百万円 〈会計処理の解説〉 1 のれんの減損の兆候の判断方法 のれんの減損処理を検討するに当たり、その帳簿価額は、まず、のれんが認識された取引において取得された事業の単位に応じて、合理的な基準に基づき分割します。 本事例では、レストラン事業とファストフード事業にのれんを分割し、事業ごとに減損の兆候を判断しています。 2 のれんの減損処理 グルーピングを、のれんが帰属する事業に関連する複数の資産グループにのれんを加えた、より大きな単位で行う場合、減損の兆候の把握、減損損失を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定は、まず、のれんを含まない資産グループごとに行い、その後、のれんを含む、より大きな単位で行う必要があります。 【のれんを含まない資産又は資産グループごとの減損会計処理】 【のれんを含む、より大きな単位の減損会計処理】 本事例では、まずレストラン事業の店舗ごとに減損の兆候の把握を行い、減損の兆候があるC店舗について減損損失の認識及び測定を行っています。 C店舗の割引前将来キャッシュ・フローは固定資産簿価を下回っているため、減損損失を認識すべきと判定されます。このため、C店舗の固定資産簿価120百万円を回収可能価額70百万円まで減額し、減損損失50百万円を当期の損失とします。 3 のれんを含む、より大きな単位での減損処理 レストラン事業は、継続的に赤字であるため、レストラン事業ののれんには減損の兆候があると判断されます。そこで、のれんを含むより大きな単位で減損損失を認識するかどうかを判定するため、より大きな単位の割引前将来キャッシュ・フロー440百万円とA店舗、B店舗、C店舗の固定資産簿価及び配分されたのれん80百万円の合計額500百万円とを比較します。この場合、割引前将来キャッシュ・フローが固定資産簿価を下回っているため、減損損失を認識します。 回収可能価額の合計額380百万円が固定資産簿価の合計額500百万円を下回るため、より大きな単位の減損損失は120百万円と測定されます。このうち、C店舗にかかる減損損失が50百万円と測定されているので、増加額70百万円がのれんの減損損失となります。 これは、のれんを加えることによって算定される減損損失が増加した場合には、当該判定単位(本事例におけるレストラン事業)の超過収益力がもはや失われていると考えられるため、当該減損損失の増加額は、のれんに配分すべきとの考えによります。 * * * 次回は、減損処理後の会計処理について解説します。 (了)
税理士ができる 『中小企業の資金調達』支援実務 【第17回】 「金融機関提出書類の作成ポイント(その9 経営指標について)」 公認会計士・中小企業診断士・税理士 西田 恭隆 前回は、金融機関に提出する各資料の作成ポイントの補足として、粉飾決算について述べた。今回は、経営指標について解説する。融資のポイントとなる経営指標はあるのか、その水準の高低によって融資判断に影響があるのかについて述べる。 経営指標は融資判断に関係ない まず、経営指標とは次のような比率をいう。損益計算書に関するものと、貸借対照表に関するものに大別される。 詳しい計算方法は、インターネット上や書籍等で確認できる。 結論からいうと、「これらの指標は融資判断に関係ない」というのが筆者の実感である。融資を申し込んだ際、「利益率が業界平均に届いていないので、融資はできません」、「当座比率をもう少し上げて頂ければ融資は可能です」などと言われたことはない。 以下、損益計算書と貸借対照表の指標それぞれについて、関係ないと考える理由を述べる。 損益計算書の指標について 損益計算書の指標が融資判断に関係ないと考える理由は、業種、業態、会社の経営方針によってその水準は様々であり、業界平均と比較して、一律にその会社が良い悪いと判断するのは不可能だからである。 同じ製造業であっても、自社加工する会社と、外注対応する会社では、利益率は異なる。飲食業の原価率は30%以下にする必要があると言われるけれども、高品質高価格の経営方針をとる店舗と、低価格で回転数を稼ぐ店舗では、利益率は異なるだろう。前提条件が異なる会社同士を比較しても有益な情報は得られない。 また、金融機関は、利益率の高低よりも、借金返済額を上回る利益額を確保できるかどうかに関心を持つ。業界平均を大きく上回る利益率であっても、毎月の利益額が返済額に届かないのであれば、金融機関は融資を行うことができない。 以上の理由から、利益率及びその水準の高低によって融資判断が左右されることはないと考える。決算書や事業計画書の利益率を業界平均以上に引き上げる必要はない。 貸借対照表の指標について 貸借対照表の経営指標も融資判断に関係ないというのが実感である。貸借対照表は、期末時点で会社を清算するという前提での財産価値を表す。一方、融資の申し込みは、継続企業を前提として行われ、会社の借金返済能力、すなわち「当期純利益+減価償却費」が重視される。貸借対照表項目から借金返済能力を読み取ることはできないし、それを使って計算した経営指標も同様である。 金融機関が貸借対照表に関心を持つのは、前回までに述べた通り、債務超過の有無や、粉飾をチェックする場合、担保となる固定資産の有無、現在の借入金残高等を確認する場合である。 したがって、貸借対照表の経営指標も融資判断を左右するものではない。水準の高低に神経質になる必要はない。 経営指標の業界平均について 余談であるけれども、業界平均の経営指標に関心を持つ社長は多い。「当社の利益率は他社と比べて良いのか悪いのか、当社にとって最適な利益率を教えて欲しい」という相談を受けることがある。先述の通り、利益率は会社によって様々であるから、他社と単純比較するのは難しい。筆者の場合、あくまで参考情報にすぎないと念を押した上で、業界平均指標を社長に提供している。そして会社が目標とすべき、最適な利益率は、事業計画書上で社長自ら設定した利益率であると回答している。 なお、業界平均指標については、インターネット上や「株式会社きんざい」が出版する「業種別審査事典」等から入手できる。この種の書籍は高額であるから、図書館で閲覧コピーすると良い。 以上、金融機関に提出する書類の補足として、経営指標について解説した。指標は会社によって様々であるから、それがある一定水準を上回れば融資が必ず得られる、などということはない。経営指標は融資判断の決め手になるものではない。 * * * 次回は、融資実行後における税理士の役割を解説する。無事に融資を得られた後も、金融機関への実績報告や、追加の資金調達支援をすることで、引き続き、税理士は存在感を示すことができる。 (了)
〈小説〉 『資産課税第三部門にて。』 【第7話】 「未分割遺産とその法定果実」 公認会計士・税理士 八ッ尾 順一 「田中統括官!」 田中統括官が顔を上げると、谷垣調査官が相続税の申告書を持ち、机の前に立っている。 「???」 田中統括官は、重そうな瞼で谷垣調査官を見た。 午後3時過ぎの睡魔が忍び寄る時刻である。 「何だい?」 田中統括官は谷垣調査官の真剣な眼差しに一瞬戸惑う。 「実は個人課税部門から質問があったのですが・・・」 谷垣調査官はそう言うと、右手に持った相続税の申告書を田中統括官に見せた。 「この相続税の申告書は未分割で提出されているのですが・・・」 相続税の申告書を見ながら田中統括官はうなずく。 「そんなことは申告書を見れば分かる・・・それで一体、どうしたっていうんだ。」 谷垣調査官の質問の意味が理解できず、田中統括官の声が苛立っている。 「この未分割の相続財産の中に、賃貸マンションがあるのです。」 谷垣調査官が説明を始める。 「それで、相続人は3人いるのですが、この賃貸マンションの家賃収入について、相続人の1人がすべてを申告しているのです。」 谷垣調査官は困ったような表情を浮かべている。 「家賃収入に漏れがなければ、相続人の誰が申告してもかまわないのでは・・・」 田中統括官は谷垣調査官の顔を見た。 「しかし、統括官も知っている・・・と思いますが・・・」 谷垣調査官は少し嫌みっぽく言う。 「国税庁のタックスアンサーでは、共同相続人がその法定相続分に応じて申告することになる・・・と回答しています。」 谷垣調査官は、「No.1376 不動産所得の収入計上時期」とプリントされた用紙を田中統括官に見せた。 「しかし・・・別に、相続人の1人が申告しても、税務上問題はないのでは・・・」 田中統括官は文書を見ながら抵抗を続けた後、思案顔になって言った。 「昔はこんな取扱いをしていなかったと思うけどなぁ・・・」 「そうなんです。平成17年9月8日の最高裁の判決によって、このような処理になったと思われます。」 谷垣調査官は自分の机に戻り引き出しからファイルを取り出すと、すぐに田中統括官の元へ戻ってきた。分厚いファイルから「預託金返還請求事件」と事件名の書かれている判決文のコピーを抜き取る。 「へぇ・・・谷垣君はなかなか几帳面なんだな。」 田中統括官は感心しながら谷垣調査官を見た。 「この事件は、税の事件ではないのですが・・・未分割の遺産から生じた法定果実については、「分割単独債権」として、相続分に応じて、それぞれの相続人が確定的に取得すると判断されています。」 谷垣調査官は説明しながら、判決文の一部を読み上げる。 「なるほど、この判決からすると、未分割の遺産から生じる法定果実は、法定相続分に応じて各相続人が申告することになるのか・・・しかし・・・」 田中統括官は傍らにある小六法を手に取った。 「民法909条では、遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるとなっているから、常識的に考えると、未分割の状況下での賃料は、その不動産を相続した者に帰属することになると考えるのが妥当だと思うのだが・・・」 田中統括官は小六法をめくりながらつぶやいた。 すかさず谷垣調査官が発言する。 「ところが民法898条は、相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属すると規定しています。」 「この共有に属する遺産から生じる法定果実は、遺産とは別個のもので、その相続分に応じて、分割単独債権として確定的に各相続人が取得するもの、すなわち分割単独債権であると、最高裁は判断しているのです。」 谷垣調査官は話し終わると、髪の毛の薄くなった田中統括官の頭を見た。 「・・・しかし、もともと民法が共有に属すると規定する理由は、共同相続人の共有財産として扱わないと後に複雑な法律関係が生じることになるから、便宜的にしたもので、その問題がなければ、むしろその不動産を相続した者を未分割の状況下での法定果実の帰属者とした方が良いと思うのだが・・・」 谷垣調査官は黙って聞いている。 「ところでさっきの、個人課税部門からの質問は?」 田中統括官が尋ねる。 「個人課税部門では、相続人全員に対して、相続分に応じて、不動産所得の更正処分をしようかと・・・もちろん、家賃収入のすべてを申告した相続人に対しては減額の更正処分をするということなのですが・・・」 谷垣調査官の言葉に、田中統括官は頭を大きく左右に振った。 「そんなこと、しなくても良いだろう。家賃収入の計上漏れがなければ、わざわざ税務署が相続人間の配分を調整する必要はないだろう。税務署はそんな暇なところじゃない・・・」 田中統括官の表情から、眠気はすっかり消えていた。 (つづく)
プロフェッションネットワーク主催の税理士 笹岡 宏保氏による『資産税研修会』。 5月11日(水)開催のお申込み受付を開始しました! 今回も、1月に発刊された笹岡氏の新刊書『ケーススタディ 相続税財産評価の税務判断』が特別割引でご購入いただけるお得なセットお申込みプランがございます! また平成28年度の資産税研修会(全7回)の日程を公開しておりますので、こちらからご覧下さい。 ★セミナー内容の詳細やお申込方法など、くわしくは下記からご覧ください。
《速報解説》 金融庁、「国際会計基準(IFRS)に基づく連結財務諸表の開示例」を公表 ~IFRS適用企業の実際の開示例や最近のIFRS改訂を反映~ 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 平成28年3月31日、金融庁は、「国際会計基準(IFRS)に基づく連結財務諸表の開示例」を公表した。 「国際会計基準に基づく連結財務諸表の開示例」は、平成21年12月に公表されているが、今般、それを改訂し、「IFRSに基づく連結財務諸表の開示例」として公表するものである。 開示例に意見がある場合には、平成28年9月30日までにお寄せいただきたいとのことである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 主なポイント 1 改訂のポイント 改訂のポイントは次のとおりである。 2 開示例のポイント 開示例は表紙を含めて140ページに及ぶものである。 開示例の利用にあたっての主な留意事項として、次のことが述べられている。 参考資料として次のものに関する開示規定が記載されている。 3 IFRSの各基準と開示例での取り扱い箇所の関係 例えば、次のような一覧表が記載されており、IFRSの理解に資する工夫がなされている。 次のような記載が行われており、実務に役立つ工夫がなされている。 (了)
《速報解説》 会計士協会、監査事務所への特別レビューについて概要を公表 ~改善勧告事項はみられず~ 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 平成28年3月31日、日本公認会計士協会は「特別レビューの実施概要について」を公表した。 これは、昨今の会計不祥事の事案を受けて、平成28年2月から3月まで、日本公認会計士協会が緊急に実施した「特別レビュー」に関するものである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 特別レビューの実施概要 1 対象 次の監査事務所(公認会計士及び監査法人)である。 2 会長通牒に記載された留意事項 「特別レビュー」は、会長通牒「公認会計士監査の信頼回復に向けた監査業務への取組」(平成28年1月27日)において、特に留意すべき事項とされたものに対応して行われている。 会長通牒では特に留意する事項として次の7項目を挙げている。 3 実施結果 平成28年3月期の監査実施体制には、改善が必要と認められる改善勧告事項はなかった。 ただし、平成28年3月期の監査終了までに監査事務所が適切に対応するよう指導した事項が記載されている。 Ⅲ 今後の対応 指導した事項については、今後の通常の品質管理レビューにおいて、対応状況を確認していくとのことである。 (了)
《速報解説》 平成28年度税制改正に係る 「所得税法等の一部を改正する法律」等が 3月31日付官報:特別号外第13号にて公布 ~施行日は原則4月1日~ Profession Journal編集部 平成28年3月29日の参議院本会議で可決・成立した平成28年度税制改正関連法である「所得税法等の一部を改正する法律」が、3月31日(木)夜に官報特別号外第13号にて公布された(法律第15号)。施行日は原則平成28年4月1日(法附則第1条)。また地方税関係の改正法「地方税法等の一部を改正する等の法律」も官報同号にて公布されている(法律第13号)。 以下では主な法律、政令、省令の官報該当ページへのリンクを紹介した。 官報:平成28年3月31日付(特別号外第13号)で公布された主な税制改正関連法令 ※主な関連告示についても順次追加予定。 ◆所得税法等の一部を改正する法律 附則:施行期日・経過措置など 所得税法の一部改正(第1条関係) 所得税法施行令等の一部を改正する政令 所得税法施行規則等の一部を改正する省令 法人税法の一部改正(第2条関係) 法人税法施行令等の一部を改正する政令 ※減価償却関係(第48条の2) 法人税法施行規則の一部を改正する省令 地方法人税法の一部改正(第3条関係) 地方法人税法施行令の一部を改正する政令 地方法人税法施行規則の一部を改正する省令 相続税法の一部改正(第4条関係) 相続税法施行規則の一部を改正する省令 登録免許税法施行規則の一部を改正する省令 消費税法の一部改正(第5条関係) ※附則:平成29年4月1日からの経過措置関係 消費税法施行令等の一部を改正する政令 ※附則:平成29年4月1日からの経過措置関係 消費税法施行規則等の一部を改正する省令 ※附則:平成29年4月1日からの経過措置関係 印紙税法施行令の一部を改正する政令 国税通則法の一部改正(第6条関係) 国税通則法施行令の一部を改正する政令 国税通則法施行規則の一部を改正する省令 国税徴収法の一部改正(第7条関係) 国税徴収法施行令の一部を改正する政令 外国人等の国際運輸業に係る所得に対する相互主義による所得税等の非課税に関する法律の一部改正(第8条関係) 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の一部改正(第9条関係) 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律施行令の一部を改正する政令 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令の一部を改正する省令 租税特別措置法の一部改正(第10条関係) ・所得税関係 ・法人税関係 ・相続税関係 租税特別措置法施行令等の一部を改正する政令 ・所得税関係 ・法人税関係 ・相続税関係 租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令 ・所得税関係 ・法人税関係 ・相続税関係 内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律の一部改正(第12条関係) 内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行令の一部を改正する政令 内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行規則の一部を改正する省令 租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律施行令の一部を改正する政令 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部改正(第13条関係) 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行令の一部を改正する政令 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令 復興特別所得税に関する政令の一部を改正する政令 ◆地方税法等の一部を改正する等の法律 ( 附 則 ) 地方税法施行令等の一部を改正する等の政令 地方税法施行規則等の一部を改正する省令 地方税法施行規則の一部を改正する等の省令 ▷その他関係法令 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令 減価償却資産の耐用年数等に関する省令等の一部を改正する省令 国税質問検査章規則の一部を改正する省令 ▷主な関連告示 租税特別措置法施行令第40条の4の4第6項及び第7項並びに租税特別措置法施行規則第23条の5の4第2項第4号及び第7号の規定に基づき内閣総理大臣が財務大臣と協議して定める費用、医療機関及び施設の一部を改正する件 ※子育て結婚資金贈与特例関連 租税特別措置法施行令第26条の27の2第2項の規定に基づき厚生労働大臣が定める一般用医薬品等 ※スイッチOTC薬控除関連 租税特別措置法施行令第26条の4第8項及び第26条の28の5第17項の規定に基づき、国土交通大臣が財務大臣と協議して定める他の世帯との同居をするのに必要な設備の数を増加させるための増築、改築、修繕又は模様替を定める告示 ※三世代同居改修関連 租税特別措置法施行令第26条の28の5第7項の規定に基づき、国土交通大臣が財務大臣と協議して多世帯同居改修工事等の内容に応じて定める金額を定める件 ※三世代同居改修関連 租税特別措置法施行令第40条の6第6項第4号の効率的かつ安定的な農業経営の基準として農林水産大臣が定めるものを定める件 ※農地等の納税猶予(贈与税)関係 消費税法施行令等の一部を改正する政令附則第三条第二項の規定に基づき、財務大臣の定める基準を定める件 ※消費税軽減税率関係 (了)
《速報解説》 大阪国税局、「土地とともに取得した建物の取壊しに伴う 補助金等の税務上の取扱いについて(文書回答事例)」を公表 税理士 小谷 羊太 大阪国税局は3月1日付(ホームページ公表日は3月23日)、「土地とともに取得した建物の取壊しに伴う補助金等の税務上の取扱いについて(文書回答事例)」を公表し、「標題のことについては、御照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。」と回答した。 照会の内容については下記リンクから参照されたい。 以下、その要点について解説する。 〇使用目的による分類 土地と建物を一括購入した場合には、購入後、その土地と建物をどのように使用する目的で購入したのかにより、税務上の取扱いも変わってくる。 例えば、「建物を使用する目的」で購入したのであれば、土地の代金に係る部分については「非減価償却資産」として計上し、建物の代金に係る部分については「減価償却資産」として計上する。減価償却資産として分類された建物については、期末までその建物を使用していたのであれば、事業供用日後から事業年度末日までの期間に対応した減価償却費の計上をすることになる。 一方、土地を購入するためにその付随物として建物が付いていた場合には、購入者の本来の目的は「その土地の取得」にあるわけであり、建物を使用する目的で購入したものではない。よって、その購入代金に含まれる建物代金は土地の取得価額とすることになる。 〇付随費用の取扱い 購入時にかかる費用としては、本体代金のほかに取得経費や事業供用費が挙げられる。 (※) 拙著『実務で使う法人税の減価償却と耐用年数表』(清文社)より これらの金額についても、「土地の購入に係る取得経費」は土地の取得価額を構成し、「建物の購入に係る取得経費」は建物の取得価額を構成する。事業供用費についても同じように、取得後、「土地を事業供用するために支出した費用」は土地の事業供用費として土地の取得価額に算入し、「建物を事業供用するために支出した事業供用費」は建物の取得価額に算入することになる。 なお、それぞれにかかった共通経費については、土地と建物の本体代金の比で按分するなど、合理的な算定基準によりそれぞれの負担額を計算して割り当てる。 付随費用についても、建物の使用を目的として購入した建物に付随する費用は、建物の取得価額を構成するのであるが、そもそも土地の取得を目的として、その付随する建物を購入した場合には、その建物に係る本体代金が土地の取得価額を構成するだけでなく、建物の購入に係る付随費用も、その土地の取得価額を構成することになる。 つまり、建物の購入代金、及びそれに係る付随費用はすべて、土地を取得するために支出した付随費用という位置づけになる。 また、購入した土地を利用するために一括購入した建物を取り壊したのであれば、その取り壊し費用については、土地を利用するために支出する費用となるので、土地に係る事業供用費となる。 〇建物の取り壊し費用に係る補助金の取扱い 今回の事例で照会されたのは、建物を取り壊すためにかかる経費の負担額として、補助金の交付を受けた場合の取扱いである。 この場合、その取り壊し費用の経費負担額としての補助金は、取り壊しに要した支出経費から差し引くこととなると照会され、上述の通り「貴見のとおりで差し支えありません。」との回答が行われた。つまり、その補助金の額を差し引いた残額が事業供用費として土地の取得価額に算入する金額となる。 (了)