平成29年3月期決算における会計処理の留意事項
【第3回】
仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋
- 【第1回】
Ⅰ 税制改正
- 【第2回】
Ⅱ 税効果会計の改正
Ⅲ 減価償却方法の改正
Ⅳ 法人税等に関する会計基準の改正
- 【第3回】 本稿
Ⅴ マイナス金利
Ⅵ 在外子会社等の会計処理の改正
Ⅶ リスク分担型企業年金
- 【第4回】
Ⅷ 公共施設等運営事業における運営権者の会計処理
Ⅸ 短信及び有価証券報告書の訂正
Ⅹ 金融庁の平成27年度有価証券報告書レビューの審査結果
Ⅴ マイナス金利
企業会計基準委員会より平成29年1月27日に実務対応報告公開草案第51号「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い(案)(以下、「実務対応報告51号」という)」が公表された。
実務対応報告51号では、退職給付債務、勤務費用及び利息費用(退職給付債務等)の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りがマイナスとなる場合に、割引率の下限をマイナスとするのか、ゼロとするのかについて「当面の取扱い」を示している(実務対応報告51号1)。
1 会計処理
退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、利回りの下限として、ゼロを利用する方法とマイナスの利回りをそのまま利用する方法のいずれかの方法による(実務対応報告51号2)。実務的には、継続性の観点から、前期に選択した方法と同様の方法を選択することが必要になると考えられる。
2 適用時期
実務対応報告51号は、平成29年3月31日に終了する事業年度から平成30年3月30日に終了する事業年度に限って適用する(実務対応報告51号3、16)。
平成30年3月31日以後に終了する事業年度については、企業会計基準委員会において、引き続き検討が行われる(実務対応報告51号16)。
Ⅵ 在外子会社等の会計処理の改正
企業会計基準委員会より平成28年12月22日に、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い(以下、「実務対応報告18号」という)」及び実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い(以下、「実務対応報告24号」という)」の改正案である、実務対応報告公開草案第49号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い(案)(以下、「改正実務対応報告18号」という)」及び実務対応報告公開草案第50号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い(案)(以下、「改正実務対応報告24号」という)」が公表された。
1 改正実務対応報告第18号
(1) 改正点
実務対応報告18号が公表されたときには、国内子会社が国際財務報告基準を適用することは想定されていなかった。また、実務対応報告18号が在外子会社に国際財務報告基準の利用を認めた趣旨を踏まえ、指定国際会計基準に準拠した連結財務諸表を作成して、金融商品取引法に基づく有価証券報告書により開示している国内子会社が改正実務対応報告18号の対象範囲に含められている(改正実務対応報告18号 平成XX年改正)。
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