〔会計不正調査報告書を読む〕【第10回】扶桑電通株式会社・当社営業所における不適切な取引に係る「第三者委員会調査報告書」
第三者調査委員会による調査に先立つ2012(平成24)年12月12日、扶桑電通では、社外監査役(弁護士)を含む社内調査委員会の調査結果として、平成19年度から平成24年度までにおいて、架空循環取引などの不適切な取引による売上高1,036百万円、スルー取引による売上高1,521百万円があったことを公表し、過年度の有価証券報告書などを訂正した。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第16回】ソフトウェア会計③「自社利用のソフトウェアの会計処理」
当社は、食品を取り扱う専門商社です。×1年4月1日に、業務改善及び人件費の削減を目的として、新たに在庫管理システムを導入する予定です。これにより、従来は手作業で行っていた在庫の手配をコンピュータ処理できることとなるため、在庫の手配及びピッキングの正確性が向上し、ピッキング要員を削減することが可能です。
このような自社で利用するソフトウェアを導入する場合に、会計処理で留意すべき点はありますか。
《速報解説》 IT委員会研究報告第43号「電子的監査証拠」の解説
平成25年7月30日、日本公認会計士協会は、IT委員会研究報告第43号「電子的監査証拠~入手・利用・保存等に係る現状の留意点と展望~」(以下「研究報告」という)を公表した。
研究報告は、電子的な取引記録や証憑などが増大している経営環境を踏まえ、主として監査基準委員会報告書230「監査調書」及び同500「監査証拠」の規定をもとに、監査人が電子的監査証拠を入手・利用・保存するに当たっての留意点並びに監査アプローチの変化及び監査調書作成上の留意点を取りまとめたものである。
《速報解説》 「財務情報の保証業務等の契約書の作成について」の解説
平成25年7月30日、日本公認会計士協会は、「法規委員会研究報告第10 号「財務情報の保証業務等の契約書の作成について」の改正について」(以下「研究報告」という)を公表した。
今回の改正は、法規委員会研究報告第14 号「監査及び四半期レビュー契約書の作成例」の改正を受け、所要の見直しを行ったものである。
会計リレーエッセイ 【第8回】「IFRS早期適用会社の監査人としての実務的な検討事項」
前回までの会計リレーエッセイの登場者は、この分野では国際的に活躍している日本を代表する方々ばかりであり、いきなり私のようなものがレベルを落としてよいものか迷うところであるが、それを承知でお読みいただきたい。
たまたま私が業務執行を担当していた関与先であるトーセイ株式会社(東証一部上場)がIFRSの早期適用をすることになり、まさにその意思決定プロセスから現場の苦労に至るまで監査人として立ち会うことができたので、その時に感じたIFRS適用の実態と私見を述べたい。
「企業価値評価ガイドライン」改正のポイント
平成25年7月3日、日本公認会計士協会は、「経営研究調査会研究報告第32号「企業価値評価ガイドライン」の改正について」を公表した。
本稿では改正点を中心に、企業価値評価ガイドライン(以下「ガイドライン」という)のポイントについて解説する。
林總の管理会計[超]入門講座 【第8回】「費目別計算は奥が深い」
〔Q〕前回の先生の質問は、支出を減らして利益を出すのは正しい行為か、ですね。
〔林〕君はどう思うかね。
赤字が続いている会社って、売上より費用が多いんですよね。支出を抑えて費用を削るのは正しいのではありませんか。
〔林〕じゃあ聞くが、会社はなぜお金を使って費用をかけるんだね。
〔Q〕利益をあげるため・・・ですか。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第15回】ソフトウェア会計②「製品マスター完成後に発生するコストの会計処理」 ─バグ取りや保存媒体のコストなど
当社は、パソコン用の業務アプリケーションを開発・販売する会社です。当社では、一般顧客向けの新たな業務アプリケーションの開発プロジェクトを進めており、×1年12月末に製品マスター(複写可能な完成品)が完成しました。
製品マスター完成後も、機能の改良・強化、バグ取り・ウイルス対策などを実施していますが、これらのコストはすべて無形固定資産として計上すればよいでしょうか。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第14回】ソフトウェア会計①「市場販売目的のソフトウェアの会計処理」
当社は、パソコン用の業務アプリケーションを開発・販売する会社です。×1年4月より、一般顧客向けの新たな業務アプリケーションの開発プロジェクトを開始しました。このプロジェクトでは、×1年12月末までに製品マスターを完成させ、×2年3月末に製品化する予定となっています。
このプロジェクトの制作コストについて、会計処理上、留意すべき点はありますか。