マイナンバー制度と税務手続 【第3回】「本人確認の方法(概要)」
税理士等が個人番号関係事務実施者(※1)として個人番号を取り扱う事務については、以下のケースに分類される。
① 自らの事務所の従業員等の給与所得に係る源泉徴収票等の作成、社会保険関係事務を行うために、従業員や扶養親族等の個人番号を収集し、源泉徴収票等に当該個人番号を記載して所轄税務署及び年金事務所等に提出する。
② 業務委嘱契約に基づき顧問先の給与所得に係る源泉徴収票等の作成事務を行うために、当該顧問先の従業員や扶養親族等の個人番号を収集し、源泉徴収票等に当該個人番号を記載して所轄税務署及び各市区町村等に提出する。
③ 業務委嘱契約に基づき顧問先の所得税等の確定申告書等を作成するために、顧問先及び顧問先の扶養親族等の個人番号を収集し、確定申告書等に当該個人番号を記載して所轄税務署等に提出する。
~税務争訟における判断の分水嶺~課税庁(審理室・訟務官室)の判決情報等掲載事例から 【第3回】「建物賃貸借契約を合意解約したことに伴って貸主が受領した金員が不動産所得に当たるとされた事例」
納税者(甲)の父(乙)は、ショッピングセンターの一部を区分所有して、A社に賃貸期間20年で賃貸していたが、乙の死亡後に、その権利を承継した甲が、その賃貸借契約を合意解約等した。これにより、A社は甲に対して1億9,000万円余り(本件金員)を支払うこととなった。甲は本件金員を譲渡所得として申告したが、税務署長はこれを不動産所得として更正処分をしたために争いとなったものである。
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第5回】「金銭又は有価証券の受取書①(課否判定のチェックポイント)」
【問】当社は物品販売業者です。
商品の販売代金を口座振込みにより受け取った際に、振込人に対して入金済のお礼状を送付していますが、課税文書に該当するのでしょうか。
また、課税文書に該当した場合、印紙税額はいくらになりますか。
法人税に係る帰属主義及びAOAの導入と実務への影響 【第13回】「外国法人の所得税」
帰属主義への見直しにより、国内源泉所得について改正が行われている。これにより、組合事業利益の配分に係る国内源泉所得は、「PEを通じて」組合契約等に基づいて行う事業から生ずる利益の配分で一定のものと改正されている。
この改正に伴い、PEを有しない外国法人が組合事業利益の配分所得を有することはなくなったため、PEを有しない外国法人の課税標準を定める規定を削除するなどの整備を行った(所法178)。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第42回】「法人税基本通達改正の歴史⑪」
平成12年度には、「法人税基本通達の一部改正について(平成12年6月28日、課法2-7)」が公表され、貸倒引当金についての通達が改正されている。主なものは、貸倒損失として計上した金銭債権を個別評価金銭債権に対する貸倒引当金として処理することができるという点(法基通11-2-1の2、なお、平成14年2月15日課法2-1により法基通11-2-2に番号を変更)と、未収利息に対する個別評価金銭債権に対する貸倒引当金について定められたという点(法基通11-2-6の3、なお、平成14年2月15日課法2-1により法基通11-2-8に番号を変更)である。このうち、前者については、貸倒損失と貸倒引当金との関連性を示すものであるため、本稿において解説を行う。
会計上の『重要性』判断基準を身につける~目指そう!決算効率化~ 【第2回】「『重要性の原則』とは『四角い部屋を丸く掃く』こと」
子供の熱を測るときに、おでこに手を当てて熱を測る方法、これが「簡便法」です。
これに対して、体温計で正確に測る方法、こちらが「原則法」になります。
簡便法というのは、決して「間違った方法」ではありません。体温が高ければおでこが温かくなるので、それを手で感じ取ろうという理屈です。正確性は劣りますが、手早く測定できるというメリットがあります。
会計処理の場合も同じです。簡便な会計処理というのは、正確性では原則法に劣りますが、迅速性では勝っています。そして、手を当てて熱を測る方法と同様、間違った方法ではないということも頭に入れておいてください。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第30回】株式会社かわでん「第三者委員会調査報告書(平成27年3月13日付)」
平成26年秋ころ、山形工場購買外注グループの担当者は、別の担当者に対し、平成24年9月に退職した元従業員X1から発注依頼の電話がかかってくることに疑問を抱き、チームリーダーに相談したものの、チームリーダーは問題ないとの認識を示すのみであった。その後、12月になって、グループマネージャーが、X1からの依頼に基づく発注が多額であることを知り、社内の職制上の上位者である工場長を通じ、情報を経営トップに報告する。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第80回】減損会計④「減損会計の対象資産」
Q 当社は外食事業を営んでいます。A外食事業に関して継続して赤字が続いており、今後も回復が見込まれておりません。A外食事業に関連する固定資産は以下のとおりです。これらすべての固定資産が減損会計の対象となるのでしょうか。
「特定の事業用資産の買換え特例(9号買換え)」平成27年度改正のポイント 【第1回】「延長・見直し後の要件をおさえる」
平成27年度税制改正により、租税特別措置法第37条第1項第九号《特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例》及び同法第65条の7条第1項第九号《特定の資産の買換えの場合の課税の特例》における長期所有の土地等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換え(いわゆる「9号買換え」)について、下記の事項の見直しを行った上、適用期限を平成29年3月31日まで2年3月延長することとされた。