2023年3月期決算における会計処理の留意事項 【第1回】
2023年3月期に適用される税率は、基本的に、2022年3月期と変更はない。ただ、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から、資本金が1億円を超える普通法人(外形標準課税適用法人)の事業税の所得割について、年800万円以下の所得に係る軽減税率は廃止されている。
〔まとめて確認〕会計情報の月次速報解説 【2023年2月】
2023年2月1日から2月28日までに公開した速報解説のポイントについて、改めて紹介する。
具体的な内容は、該当する速報解説をお読みいただきたい。
《速報解説》 ADW事件・ムゲン事件、最高裁判決下る~加算税賦課決定処分含め納税者全面敗訴~
最高裁は3月6日、新聞報道等でも大きく取り上げられた2つの居住用賃貸建物仕入税額控除事件について、課税庁による過少申告加算税の賦課決定処分は、いずれも国税通則法65条4項にいう正当な理由は認められず適法であるとの最終判断を示した(※1)。なお、本件については、判決に先立つ2月9日にそれぞれの口頭弁論が開かれており、その判断の行方に注目が集まっていた。
monthly TAX views -No.122-「歳出改革の各論-ふるさと納税を見直せ」
歳出改革を行うには、1つ1つのテーマについて個別具体的に議論を行うことが必要である。本稿では、歳出面ではなく、歳入面(税制)の無駄として、「ふるさと納税」を取り上げ、その縮小(本来の寄付税制に戻すこと)を提案してみたい。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例50】「公益社団法人に移行した法人の職員に対する賞与の損金性」
今回問題となっているのは、公益社団法人移行後に職員に支給した賞与の取扱いです。当法人は給与規定を職員に開示しており、それには給与のほか賞与を予定日に支給する旨が明記されております。そのため、当該規定に基づき既に支給予定日が到来している賞与は、当然のことながら全額損金に算入されるものと考えておりましたが、今回調査官は、未払計上した賞与の額につき、当該賞与支給額が決算日以後に職員に通知されていることから、当該事業年度における損金算入は認められないと主張しております。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q77】「特定口座で保有する上場外国株式の配当に係る外国源泉税と外国税額控除の適用可否」
私(居住者たる個人)は、国内の証券会社を経由して、外国法人発行の株式を取得しました。この株式は外国金融商品市場で売買(上場)されているため、特定口座(源泉徴収あり)で保管することにしています。配当を受領し、発行法人の所在地国で源泉徴収により外国所得税が課されたため、手取額のみが国内の証券口座に入金されました。
この外国所得税について、外国税額控除の適用は可能でしょうか。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第28回】「個人に係る外国子会社合算税制」
個人にも外国子会社合算税制が適用されると聞きましたが、その場合、当該個人による、租税回避の目的や、税負担の不当な軽減の意図が問題とされるのでしょうか。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第11回】「ワールドファミリー事件-移転価格税制における機能分析の考え方-(地判平29.4.11)(その2)」~租税特別措置法66条の4第1項、第2項1号ロ、第8項~
被告は旧租税特別措置法関係通達66の4(2)-3の規定する「12のテスト」(※8)を用いて、再販売者の果たす機能その他における差異については「その差異により生ずる割合につき必要な調整ができる」としてDWE取引との関係で比較対象性を有しているとした。それに対して原告は「取引及び市場参入に係る時期」において差異があるとし、また取引に共通の無形資産を保有している等の「内部取引の信憑性」の観点から原告の選定した内部比較対象取引(DME取引)の比較対象取引としての合理性を主張している。
〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第36回】「売り手にとって良い第三者の条件とは」~より良い買い手を見つけてくれる第三者の選び方~
中小企業に限らず、M&Aにおいて、売り手自身が買い手を見つけて、株式譲渡や事業譲渡の交渉を自ら進めるというケースはほぼなく、誰かしらの第三者が介在して成立するのが通常です。このため、M&Aを通じて売却を望む売り手が検討初期に接触する相手はおそらく買い手ではなく、多くの場合、その仲介をする第三者ということになります。
では、売り手にとってどのような第三者が望ましく、心強いでしょうか。