日本の企業税制 【第105回】「ストックオプション税制の見直し」
6月24日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」では重点投資に係る4分野として、①人への投資、②科学技術・イノベーションへの投資、③スタートアップへの投資、④GX(グリーントランスフォーメーション)及びDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資、が掲げられている。これら4分野、いずれも今後の税制改正に関連する課題を含むものである。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第40回】「いわゆる黄金株を有する役員の『退職の事実』」
当社は、現事業年度において代表取締役が退任するため、役員退職給与を支給する予定です。ここで、当該代表取締役は、いわゆる黄金株を有する株主でもあるため、退職後も、本人の意思次第では拒否権を行使する形で経営に関与することも考えられます。
この場合において、役員退職給与を支給して、損金算入することは可能でしょうか。
基礎から身につく組織再編税制 【第42回】「適格現物出資があった場合の特定資産譲渡等損失の損金算入制限」
今回は、適格現物出資があった場合の特定資産譲渡等損失の損金算入制限について解説します。
適格現物出資があった場合には、現物出資法人の有する資産は、現物出資法人の帳簿価額で被現物出資法人に引き継がれます。したがって、現物出資法人から移転を受けた資産の含み損を実現させ、被現物出資法人の所得と相殺する、あるいは、現物出資法人から移転を受けた資産の含み益を実現させ、被現物出資法人の含み損と相殺するといった租税回避行為が可能となります。
このような租税回避行為を防止する観点から、一定の適格現物出資があった場合に、その後に含み損を実現したときは、その損失を損金の額に算入しないという規定が設けられています。
相続税の実務問答 【第73回】「相続時精算課税適用者が養親である特定贈与者と離縁した場合」
私は、今から10年前に、A社の創業社長である甲と養子縁組を行いました。その後、私は、A社の専務取締役としてA社の経営に従事し、甲からも私の仕事ぶりを評価してもらい、後継者候補とまでいわれるようになりました。
A社の発行済み株式は20,000株で、そのうちの18,000株は甲が、残りの2,000株を甲の弟乙が保有していましたが、3年前に、私は甲からA社の株式1,000株の贈与を受けました。私が甲から贈与を受けたA社の株式1,000株の評価額は3,000万円になりますが、相続時精算課税を選択しましたので、100万円の贈与税の負担で済みました。
ところが、ある出来事が原因で甲との養子縁組を解消することとなりました。
相続時精算課税制度を適用した贈与については、その贈与者に相続が開始した時には、その贈与財産の価額を相続税の課税価格に含めて相続税を計算し、算出された相続税を納付しなければならないと聞きました。しかしながら、私の場合には、贈与者である甲との間の養子縁組を解消し、甲との親族関係はなくなりますので、相続時精算課税の選択を撤回したいと思いますが、いかがでしょうか。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第45回】「会社の代表者が親族外である場合の特定同族会社事業用宅地等の特例の適用の可否」
被相続人である甲(令和4年7月13日相続発生)は金属製品製造業であるA株式会社の代表者で100%の株式を所有していました。甲は、令和3年10月に親族外である役員乙に代表権を移譲し、退職金を受け取り、その後は、非常勤取締役の会長として勤務していました。株式については、生前に承継せずに100%保有したまま相続が発生しています。
マスクと管理会計~コロナ長期化で常識は変わるか?~ 【第6回】「かさむ固定費、どうすればいい?」
PNザッカ社は、キッチン雑貨や生活雑貨の製造・販売を手掛ける会社です。経理部のアライくんが書類を入れるファイルを探しています。
〔まとめて確認〕会計情報の四半期速報解説 【2022年7月】第1四半期決算(2022年6月30日)
3月決算会社を想定し、第1四半期決算(2022年6月30日)に関連する速報解説のポイントについて、改めて紹介する。
基本的に2022年4月1日から6月30日までに公開した速報解説を対象としている。
具体的な内容は、該当する速報解説をお読みいただきたい。
《速報解説》 経済産業省が「CGSガイドライン」の改訂を公表~GS改善を通じた企業価値向上には執行・監督側双方の機能強化を相乗的に推進する必要性を提言~
2022年7月19日、経済産業省は、「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」を改訂し公表した。
コーポレートガバナンスの改革が会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与する経路を改めて整理し、また、ガバナンス・システムの改善を通じて企業価値を高めるためには、監督側だけでなく、執行側と監督側の双方の機能強化を相乗的に推し進めていく意識が必要であることを提言している。
《速報解説》 従業員持株会を通じて取得した譲渡制限付株式に係る譲渡制限解除後の特定口座への受入れ可否について、東京国税局より文書回答事例が示される
令和4年7月8日、国税庁ホームページに、東京国税局による文書回答事例「従業員持株会を通じて取得した譲渡制限付株式に係る譲渡制限解除後の特定口座への受入れ可否について」が公表された(回答年月日は令和4年6月23日)。
当該文書回答事例は、特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例(措法37条の11の3)に関して、その取扱いについて明らかにしたものである。