谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第7回】「税法の文理解釈における「一般人の理解」の意義と限界」-レーシングカー「普通乗用自動車」事件・最判平成9年11月11日訟月45巻2号421頁-
税法の解釈について、租税法律主義の下では、文理解釈が原則であることはこれまでにも述べてきたが(第4回Ⅰ、第6回Ⅲ1参照)、今回は、レーシングカー「普通乗用自動車」事件・最判平成9年11月11日訟月45巻2号421頁(以下「本判決」という)を素材にして、文理解釈の意義と限界を検討することにする。
〈検証〉PGM事件 国税不服審判所裁決
令和2年11月2日にPGM事件に対する国税不服審判所の裁決が下された(現在、東京地裁で係争中)。
PGM事件は、A社が保有する繰越欠損金を完全支配関係があるB社に適格合併(第一次合併)で引き継いだ後に、完全支配関係がなく、支配関係のみがあるC社に適格合併(第二次合併)で引き継いだ事件である(第一次合併と第二次合併は同日に行われている)。A社を被合併法人とし、C社を合併法人とする適格合併を行わなかった理由は、A社に事業がないことから、事業継続要件(法法2十二の八ロ(2))を満たすことができないからである。
組織再編成・資本等取引の税務に関する留意事項 【第3回】「持分会社の資本等取引」
合同会社と異なり、合名会社及び合資会社には無限責任社員がいることから、本来であれば、会社法上、資本金の額を定める必要性が乏しい。これは、無限責任社員の存在する合名会社及び合資会社と有限責任社員のみの合同会社を一括して規制したことによるものであると思われる。
〔令和3年度税制改正における〕繰越欠損金の控除上限の特例の創設 【第2回】「産業競争力強化法の認定手続」
前回に引き続き令和3年度税制改正で創設された繰越欠損金の控除上限の特例について解説する。今回は本特例適用の前提となる産業競争力強化法の認定手続について確認する。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例103(法人税)】 「「災害損失欠損金の繰戻し還付」を適用して申告したが、「災害損失の繰戻しによる還付請求書」の提出を失念したため、適用が受けられなくなってしまった事例」
青色申告書を提出する中小企業者の令和Z年5月期の法人税につき、新型コロナウイルス感染症の影響により、今後当分の間、黒字が見込めないことから、令和Y年5月期の所得金額には「青色欠損金の繰戻し還付」を、令和X年5月期の所得金額には「災害損失欠損金の繰戻し還付」を、それぞれ適用して申告したが、「欠損金の繰戻しによる還付請求書」のみ提出し、「災害損失の繰戻しによる還付請求書」の提出を失念したため、「災害損失欠損金の繰戻し還付」の適用が受けられず、災害損失に係る欠損金を翌期に繰り越すことになってしまった。これにより、還付不能額につき損害が発生したとして賠償請求を受けた。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第9回】「新たに事業の用に供された宅地等の判定(特定事業用宅地等の判定)」
令和元年度税制改正により、特定事業用宅地等の範囲から、被相続人等の事業の用に供されていた宅地等で相続開始前3年以内に「新たに事業(貸付事業を除く)の用に供された宅地等」が除かれることになりましたが、次に掲げるA宅地からH宅地のうち、3年以内に「新たに事業の用に供された宅地等」に該当するものを教えてください。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第10回】「新築した建物が1月1日に登記されていない場合は、固定資産税の納税義務があるか否かが争われた判例」
固定資産税は、その年1月1日において、固定資産の所有者であったものに課される税である(地方税法第343条第1項、第359条)。所有者であるかどうかは、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録がされている者である(地方税法第343条第2項)。
グループ通算制度における会計の留意事項 【第1回】「会計処理編」
2020年3月27日に「所得税法等の一部を改正する法律」(令和2年法律第8号)(以下「改正法人税法」という)が成立し、従来の「連結納税制度」から2022年4月1日以後に開始する事業年度から「グループ通算制度」に移行する。
これに伴い、2021年8月12日にASBJより、実務対応報告第42号「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い(以下、「実務報告」という)」が公表された。
〈注記事項から見えた〉減損の深層 【第6回】「ホテル事業が減損に至った経緯」ー減損後にまた減損となる可能性は?ー
減損の金額というのは、誰が計算しても同じかというと、そうではありません。減損の金額が見積りによって計算されるからです。見積りの前提が変われば、減損の金額も当然変わってきます。
