2021年3月期決算における会計処理の留意事項 【第3回】
2014年7月の金融安定理事会(FSB)による提言に基づき金利指標改革が進められ、LIBORの停止が議論され、2021年3月5日にLIBOR運営機関であるICE Benchmark Administrationより、一部を除き、LIBORについて、2021年12月をもって公表を停止することが公表された。
値上げの「理屈」~管理会計で正解を探る~ 【第12回】「値上げする対象を選ぶ」~学割を使えるうちに~
PNガーデン社は、ガーデニング用品の製造・販売や生花の販売などを手がける会社です。リミちゃんとカケイくんは「経営企画室」に呼ばれました。
計算書類作成に関する“うっかりミス”の事例と防止策 【第36回】「「ダブルチェック」ではなく、「クロスチェック」を実践せよ」
【事例36-1】は、同じ会社、同じ年度の貸借対照表と株主資本等変動計算書ですが、自己株式の残高が異なっています。
《速報解説》 所有者不明土地問題解決を図る民法・不動産登記法等の改正法案が明らかに~施行日前開始の相続から適用される改正事項も~
国内で拡大する所有者不明土地問題を解決するため、法務省の法制審議会(民法・不動産登記法部会)が2月にまとめた「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱」に基づき、このほど3月5日付けで既存法の改正及び新法の法律案が今国会に提出され、法務省のホームページでその内容が明らかになった。
〈判例評釈〉ユニバーサルミュージック高裁判決 【第3回】
国(控訴人)側は、「(本件組織再編に係る)本件一連の行為が一体として税負担減少結果を生じさせたものとして(法人税法132条1項にいう)『その法人の行為又は計算』に当たり(主位的主張)、少なくとも本件一連の行為のうち本件設立を除く各行為が『その法人の行為又は計算』に当たる(予備的主張1)」と主張したのに対し、東京高裁は、「本件各事業年度におけるXの法人税につき、これを容認した場合には法人税の負担を減少させる結果となる『その法人の行為又は計算』は、本件借入れであると認められる」から、「本件借入れを除けば、これを容認したとしても、本件各事業年度における被控訴人の法人税の負担を減少させる結果となるとは認められない」と判示し、「本件借入れ以外の控訴人主張に係る各行為は、本件各更正処分の適法性を検討するに当たり、法人税法132条1項に基づく同族会社等の行為計算の否認の対象となる『その法人の行為又は計算』に当たるとはいえない」として、国側の主張を排斥した。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第27回】「親族外承継における分割型分割の活用」
私は、汎用部品の製造業を営むS社の社長Yです。当社は創業オーナーで会長のM氏が株式の全てを保有しています。M氏には息子がいますが、当社の経営には関与しておらず、M氏も息子に事業を承継する意思がないことから、1年後を目途に非同族の私YがM氏から株式を承継する方向で事業承継計画を検討しています。
M氏は、事業承継にあたってS社株式の売却による多額の収入を得ることは望んでいません。一方で、S社の保有資産のうち、M氏が社宅として使用している土地・建物、社用車、安定収入が見込める賃貸アパートの承継を望んでおり、S社からこれらの資産を分離して、M氏が新たに設立するL社に保有させたいと考えています。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q61】「源泉徴収選択口座内に上場株式等に係る譲渡損失と配当がある場合の確定申告」
私(居住者たる個人)は、源泉徴収を選択した特定口座を開設し、上場株式等を保有しています。この源泉徴収選択口座では、上場株式等に係る配当を受領しているほか、上場株式等に係る譲渡損失が発生しました。このほか、一般口座で保有していた上場株式等については譲渡益がありますが、この譲渡益は、確定申告をすれば、源泉徴収選択口座内の譲渡損失と通算することができると聞きました。
確定申告をする場合、源泉徴収選択口座内の配当は申告不要を選択し、譲渡損失だけを申告対象とすることはできますか。
居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第20回】「家屋の所有者が居住用財産の譲渡損失以外の特例を受ける場合」-居住用家屋の所有者とその敷地の所有者が異なる場合-
X(夫)とY(妻)は、共に12年程前から住んでいたX所有の家屋とY所有の土地を、本年3月に売却しました。
買換資産については、XとYがそれぞれ住宅ローンを組んで、同年5月に購入し、居住の用に供しています。
その他の適用要件が具備されている場合で、土地の売却については譲渡損失が発生したことから、Yに「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を適用して申告し、家屋については利益が発生したことから、Xについては「居住用財産の3,000万円特別控除(措法35②)」を適用して申告しようと考えています。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第69回】「歩道状空地事件」~最判平成29年2月28日(民集71巻2号296頁)~
Xは、亡Aから一筆の宅地(土地上に共同住宅・幅員2メートルの歩道状空地あり)を相続した。その歩道状空地は、市道に接する形で整備され、外観上、車道脇の歩道として、共同住宅の居住者以外の第三者も利用することが可能となっている。
Xは、歩道状空地は財産評価基本通達24の定める私道供用宅地であるとして、その価額を評価せずに、相続税の申告をした。その後、歩道状空地の価額を自用地の価額の100分の30に相当する価額として、修正申告をした。これに対し、所轄税務署長は、Xに対し、歩道状空地は私道供用宅地ではなく共同住宅の敷地として評価すべきであるとして、更正処分をした。Xがこれを争って出訴したのが本件である。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第49回】
国税庁は、売上割戻しについて、変動対価の要因となるその他の事実の範囲に含まれ、いわば収益認識会計基準を適用して売上割戻しの金額を販売事業年度において適切に見積もって計上した場合にはこれを認める(引渡し等事業年度の引渡し時の価額等の算定に反映する)こととしている。つまり、収益認識会計基準において、売上割戻しは、変動対価として、売上時にこれを見積もって売上高(収益)から控除することとされており、税法上も合理的と認められる範囲でその処理を認めることとされている(法法22の2④⑤、法令18の2①~③、法基通2-1-1の11)というのである。
それでは、売上割戻しについて、上記法人税基本通達2-1-1の11の取扱いを適用しない場合にはどうなるか。