〈事例から学ぶ〉不正を防ぐ社内体制の作り方 【第4回】「適切な売上計上のための「カットオフテスト」の実施」
上場企業は毎期、自社の内部統制の有効性を評価して、内部統制報告書に結果を表明しなければなりません。多くの上場企業は自社の内部統制が有効である旨を表明しますが、なかには、内部統制の非有効を伝える内部統制報告書も多く存在します。
非有効の原因はさまざまですが、なかでも目立つのは不正を含む不適切な会計処理を原因とするケースです。更にそれを分解してみると架空売上や売上の早期計上を理由として、内部統制が非有効と判断される場合が目を引きます。
《速報解説》 金融庁が「記述情報の開示の好事例集2020」の追加を公表~あわせて「政策保有株式:投資家が期待する好開示のポイント(例)」を更新~
2021年3月22日、金融庁は「記述情報の開示の好事例集2020」の追加を公表した。
これは、新たに「監査の状況」、「役員の報酬等」等の開示の好事例を追加するとともに、令和元年11月に公表した「政策保有株式:投資家が期待する好開示のポイント(例)」を更新するものである。
《速報解説》会計士協会、リモートワーク対応第6号「電子メールを利用した確認に関する監査上の留意事項」を公表~メールによる確認リスク対応として確認回答先への電話確認や電子署名の活用を示す~
2021年3月19日、日本公認会計士協会は、リモートワーク対応第6号「電子メールを利用した確認に関する監査上の留意事項」を公表した。
これは、電子メールを利用した確認に関する監査上の留意事項を記載したものである。
《速報解説》 熊本局より「業績連動型譲渡制限付株式報酬」について文書回答事例が示される
令和3年3月8日、国税庁ホームページにおいて、熊本国税局の文書回答事例「業績連動型譲渡制限付株式報酬の業績連動給与該当性について」が公表された(回答年月日は令和3年1月29日)。
日本の企業税制 【第89回】「グループ通算制度に係る税効果会計の検討」
令和2年度税制改正で創設されたグループ通算制度は、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用することとされており、適用開始まで1年余りとなった。現在連結納税制度を適用しているグループにおいては自動的にグループ通算制度へ移行することができることから、大方の連結納税制度適用グループにおいてはグループ通算制度へそのまま移行するものと見られる。
これからの国際税務 【第24回】「デジタル課税の青写真公聴会の模様と米国の対応」
昨年10月に公表されたデジタル課税に関する新ルール案(「青写真」と呼ばれ、「第1の柱」と「第2の柱」に区分した諮問文書を公表)は、同12月までに書面によるコメントを求めていたところ、延べで約400団体から合計3,500頁に及ぶ意見が寄せられたとされている。
そのコメントを背景に、今年1月中旬に2日間にわたって実施されたOECD公聴会には、主要な多国籍企業(デジタル関連企業、製薬業界をはじめ主要製造業・サービス業企業を含む)のみならず、主要国の経済団体、コンサルタント業、学識経験者、NGOなどからの役430名がZoom会議に参加し、これを全世界で3,000人に上る同時視聴者が見届けたとされている。
相続税の実務問答 【第57回】「申告期限から5年を過ぎた後に評価誤りが判明した場合(過少申告だった場合)」
父が平成27年(2015年)1月に亡くなり、法定申告期限内の同年11月に相続税の申告書を提出しました。この申告書に記載した相続税額は、申告書を提出した日に、全額納付しました。その後、相続税の税務調査の連絡もなく、令和2年11月に法定申告期限から5年が過ぎました。
令和3年(2021年)2月に、相続財産である土地を売却しようと思い、この土地を測量したところ登記簿上の面積よりも約20㎡広いことが分かりました。相続税の申告は、登記簿上の面積を基に評価額を計算して、相続税の課税価格及び税額を計算しています。実測面積を基に相続税額を計算すると、申告額よりも増加することとなりますので、相続税の修正申告を行って相続税の追加分の納付を行う必要がありますか。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第24回】「特定投資運用業者の役員に対する業績連動給与の損金算入特例の創設」
当社は日本国外で投資運用業を営む非上場企業であり、この度日本への進出を検討しています。進出の際は、ファンドマネージャーを役員として送り込み、日本の国際金融ハブ機能獲得に微力ながら貢献したいと考えています。
ところで、日本における業績連動給与は上場企業しか適用できないのは知っています。日本は役員にインセンティブを与える文化が諸外国より遅れているようで、当社はこの点を日本進出の障害と認識しているため、最新の情報を教えてください。
基礎から身につく組織再編税制 【第26回】「非適格分割型分割を行った場合の分割承継法人の取扱い」
分割法人が非適格分割型分割により、分割承継法人にその有する資産・負債の移転をしたときは、分割時の時価による譲渡をしたものとされるため、分割承継法人の移転資産等の取得価額は、分割時の時価となります(法法62)。
居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第21回】「転勤のため単身赴任し、妻子が居住する家屋を譲渡した場合」-配偶者等の居住用家屋の譲渡-
会社員Xは、6年前に会社から大阪勤務を命ぜられ、妻子を東京に残して単身赴任しました。Xは大阪で社宅住まいをし、妻子はX所有の東京の家屋に引き続き居住していましたが、このほど、東京の家屋と敷地を売却して大阪で家族一緒に住むことにしました。
売却については譲渡損失が発生し、買換物件については銀行で住宅ローンを組んで購入しました。
他の適用要件が具備されている場合に、Xは「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を受けることができるでしょうか。