税理士業務に必要な『農地』の知識 【第10回】「農地の固定資産税」
今回は農地の固定資産税の計算について解説を行う。固定資産税は、納税者が申告するのではなく市町村から賦課される税金であるため、その計算方法について意外と理解されていない部分がある。そのため、改めて基本的な計算方法について確認をしておきたい。
法務・会計・税務からみた循環取引と実務対応 【第4回】「税務からみた循環取引」
企業において、循環取引が発覚した場合の税務処理については、前回解説した過年度の決算修正(会計上の遡及修正方式)を前提とするか否かにより、以下の2通りの対応が考えられる。
また、いずれの対応においても、企業が循環取引に起因して不法行為に基づく損害賠償請求権等を有している場合には、これ自体が別途所得を増やす方向に作用することから、当該益金(収益)がどの事業年度において認識されうるかという問題が生じる可能性がある。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第61回】富士フイルムホールディングス株式会社「第三者委員会調査報告書(平成29年6月10日付)」
富士フイルムホールディングス株式会社(以下「FH」と略称する)は、1934(昭和9)年設立。2016年10月1日付で、富士写真フイルム株式会社から商号変更して、持株会社へ移行。傘下に「イメージングソリューション」「インフォメーションソリューション」事業の中核会社である富士フイルム株式会社(以下「FF」と略称する)、「ドキュメントソリューション」事業の中核会社である富士ゼロックス株式会社(以下「FX」と略称する)をはじめ、多数の連結子会社を有する。
《速報解説》 日本監査役協会、「監査役監査と監査役スタッフの業務(最終報告書)」を公表~「監査業務支援ツール」も全面見直しへ~
平成29年7月27日付(ホームページ掲載日8月4日)で、公益社団法人 日本監査役協会の本部監査役スタッフ研究会は「監査役監査と監査役スタッフの業務(最終報告書)」を公表した。
これは、平成28年7月28日付(ホームページ掲載日8月10日)で公表されていた「監査役監査と監査役スタッフの業務(中間報告書)」の最終報告書である。
《速報解説》 東証、相談役・顧問等の開示に関するコーポレート・ガバナンス報告書の記載要領を改訂~「代表取締役社長等を退任した者の状況」が新設される~
平成29年8月2日、株式会社東京証券取引所は「相談役・顧問等の開示に関する「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」記載要領の改訂について」を公表した。
monthly TAX views -No.55-「政府税調、海外調査報告から読み解く「記入済み申告制度」導入に必要な視点」
「記入済み申告制度」については、6月1日公開の本連載で取り上げたところである。
その後、6月19日の政府税制調査会で、「ICTの活用と納税者利便の向上」に関する海外調査報告が行われ、議論の方向が見えてきたので、改めてその課題などを考えてみたい。
安倍政権の下では、ドラスティックな税制改革はできない(やらない)というのは今や常識なので、来年度税制改正の目玉は今のところ特になく、「本件が主要な議論になる」と考えられる。
〈平成29年度改正対応〉所得拡大促進税制の実務 【第4回】「FAQ②(継続雇用者)」
継続雇用者とは、「適用年度及びその前事業年度において給与等の支給を受けた国内雇用者」をいう(措法42の12の5②八)。そのため、継続雇用者に該当するかどうかを検討する上では、その前提として「国内雇用者」に該当するかどうかを検討する必要がある。
【第2回】で詳説したが、国内雇用者とは、法人の使用人(役員、役員の特殊関係者、使用人兼務役員を除く)のうち、その法人の有する国内の事業所に勤務する雇用者であって、労働基準法第108条に定める賃金台帳に記載された者をいう(措法42の12の5②一)。
平成29年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第6回】「中小企業者向け設備投資促進税制の拡充(その2)」
中小企業投資促進税制について、上乗せ措置(生産性向上設備等に係る即時償却又は税額控除の上乗せ)を廃止(※1)し、対象資産から器具備品を除外した上(※2)、その適用期限を平成31年3月31日まで2年延長する(新措法68の11①)。
また、(1)中小企業経営強化税制、(2)中小企業投資促進税制、(3)商業・サービス業活性化税制について、これらの制度の税額控除額の合計は、当期の調整前連結法人税額の20%を限度とするが、その場合、(2)中小企業投資促進税制⇒(3)商業・サービス業活性化税制⇒(1)中小企業経営強化税制の順序で優先して税額控除される。
相続空き家の特例 [一問一答] 【第5回】「「相続空き家の特例」を受けられない家屋③(別棟の離れ、倉庫、蔵、車庫等の建築物)」-相続空き家の特例の対象となる譲渡の範囲-
Xは、昨年6月に死亡した父親の居住用家屋等(昭和56年5月31日以前に建築)及びその敷地を相続により取得しました。
相続の開始の直前において、父親は、その母屋、離れ、蔵、車庫を一体として居住の用に供し、1人で住んでいました。
Xは、それら建築物を耐震リフォームした上で、その土地と建築物の全てを売却しました。
この場合の、「相続空き家の特例(措法35③)」の適用対象となる被相続人居住用家屋の範囲を説明してください。
租税争訟レポート 【第33回】「顧問税理士の不正発見義務(東京地方裁判所判決)」
本件は、診療所を経営する医師である原告が、税理士である被告と税務顧問契約を締結していたところ、①原告が雇用していたA(以下「A」という)の横領につき、被告が、会計上の不正行為の有無を調査しなかったこと又は会計上の不正行為が疑われる事実を報告しなかったことが税務顧問契約上の債務不履行になるとし、損害賠償請求権に基づき、損害合計6,975万3,500円、及び、②原告の承諾なく被告が顧問料及び決算報酬の増額分を受け取っていたとして、不当利得返還請求権に基づき、当該増額分の合計額112万円の合計7,087万3,500円の支払いを求める事案である。