理由付記の不備をめぐる事例研究 【第28回】「棚卸資産」~棚卸資産の計上が漏れていると判断した理由は?~
今回は、青色申告法人X社に対して行われた「棚卸資産計上漏れ」に係る法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた国税不服審判所平成23年3月25日裁決(裁決事例集82号143頁。以下「本裁決」という)を素材とする。
〔判決からみた〕会計不正事件における当事者の損害賠償責任 【第4回】「「会計監査人」の損害賠償責任」
本稿では、監査報告書において無限定適正意見を表明してきた会計監査人を被告として、株主らがその損害賠償責任を追及した2つの事件の判決を検討するかたちで、裁判所の判断の過程を考えてみたい。
取り上げる判決は、【第2回】【第3回】に引き続きニイウスコー事件第1審判決(東京地方裁判所平成26年12月25日判決)と、アイ・エックス・アイ事件第1審判決(大阪地方裁判所平成24年3月23日判決)である。
法務・会計・税務からみた循環取引と実務対応 【第3回】「会計からみた循環取引」
そこで、本稿においては、循環取引において主に問題となる収益の認識(計上)について理論的な整理を行った上で、実際に循環取引が発覚した場合に実務上しばしば問題となる過年度決算修正(循環取引が複数事業年度にわたり継続された場合における会計処理の修正方法)等について解説を行う。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第135回】引当金の会計処理⑧「リストラクチャリングに関連する引当金」 ―リストラクチャリングに伴う割増退職金等―
当社は、リストラクチャリングに伴う人員整理の一環として、従業員の配置転換、早期退職者の募集に伴う割増退職金の支給を決定しました。この場合に必要となる会計処理について教えてください。
《速報解説》 日本証券業協会、10月の口座開設手続スタートを前に「つみたてNISAに関するQ&A」を公表~つみたてNISAの概要から開設手続等に関する全39問を紹介~
政府は家計の安定的な資産形成を支援することを目的として、個人の投資を促す税制改正をここ数年積極的に行っている。
平成25年度制改正では「NISA」(非課税上場株式等管理契約に係る非課税措置)が創設され、平成27年度税制改正では、若年層への投資のすそ野の拡大等を図るため、「ジュニアNISA」(未成年者口座内の少額上限株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)が創設された。
そして、平成29年度税制改正では長期投資に適応した「つみたてNISA(積立NISA)」(非課税累積投資契約に係る非課税措置)が創設され、平成30年1月1日から制度がスタートする。
《速報解説》 平成29年度改正に係る法人税及び所得税関係の一部改正通達が公表~功績倍率法による退職給与は業績連動給与に該当しないことを明記
国税庁はこのほど、次の通り、平成29年度税制改正を受けた法人税法及び所得税法(いずれも措置法を含む)に関連する一部改正通達を公表した。
《速報解説》 公認会計士・監査審査会より平成29年版の「監査事務所検査結果事例集」が公表~繰延税金資産、固定資産の減損、のれん評価等で問題となった事例を紹介~
今回の事例集の特徴は次のとおりである。
① 「Ⅰ.根本原因と業務管理態勢」において、監査事務所の規模別に、ガバナンスと不備の根本原因との関係を解説したほか、自ら根本原因の究明に向けた取組をしている大手監査法人の例を紹介
② 「Ⅲ.個別監査業務編」において、約3割の事例について最新のものと入れ替えており、特に「財務諸表監査における不正」については、重要性が一層増していることから、検査事例や留意点などの記載を充実
また、グループ監査に係る改善取組を行った監査法人の例など「評価できる取組」を追加しているとのことである。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第37回】「収益認識通達と商慣行のズレ」
建設請負の場合に工事中途で(通常)受け入れる着手金、中間金に代えて収受する利子相当額を利子であると考えれば、法人税基本通達2-1-24における「・・・利子の額は、その利子の計算期間の経過に応じ当該事業年度に係る金額を当該事業年度の益金の額に算入する。」という取扱いを適用しますから、毎月収受する利子相当額は期間の経過に応じて益金の額に算入することになります。
〈平成29年度改正対応〉所得拡大促進税制の実務 【第3回】「FAQ①(給与等の範囲)」
今回から2回にわたり、過去の連載記事で取り上げたFAQ(よくある質問)について、平成29年度税制改正までの内容を踏まえて加筆修正を行う。FAQとして取り上げる論点は次の通りである。
Q1 基本的な考え方
Q2 休業手当等の取扱い
Q3 期中に雇用形態等が変更された場合
Q4 「2期にわたり給与の支給を受ける者」の意義
Q5 「雇用保険一般被保険者」に該当するが実際には加入していない場合